【前回コラム】「演じる役の人物の「年表」を必ず作っている(ゲスト:松岡茉優)【前編】」はこちら
今回の登場人物紹介
※本記事は3月15日放送分の内容をダイジェスト収録したものです。
超高速撮影だと、これまでの常識が通用しない
権八:映画と舞台と、それに僕らからするとCMと、それぞれ松岡さんは臨むにあたって何か違いがあるんですか?
松岡:あります。それこそ『ちはやふる』で初めて体験したことなんですが、ハイスピードが確か200~300分の1秒のコマに対して、ファントムという千分の1コマのカメラがあって。私は普段、映像のチェックをしないんですが、「なんだファントムって」と思って確認してみたんです。見てみたら、ハイスピードでやっていた常識が通用しなくて、普段、お芝居で「ありがとう」が、あ、り、が、と、うになるのが、ファントムは、あ、ぐらいで終わっちゃうんですよ。
中村:わかります。
松岡:なので、今までハイスピードのときに心掛けていたものが全く通用しなくて。それを5分割ぐらいの1個にしないといけなくて。だから、かるたを払ったとき、私としては「払った、取られた、悔しい、でも楽しい」をやりたいのに、それを千分の1コマでやらないといけないんです。
澤本:それは大変だ。
松岡:だから、かるたを取るこの「タッ」という一瞬の間に、「取られた、でもうれしい」までにたどりつかないといけなくて、めっちゃアクセルを踏むという。本当だったら20秒ぐらい使わせていただきたいものなんですが、それを一瞬でやるとギャン!ってなるんですよ。
でも、CMってそういうことだなって思って。15秒、20秒、30秒の時間の中で、2時間の映画になる内容を、これを知ってほしい、感じてほしいとキュッとするので、『ちはやふる』で学んだファントムの、ああこんなに通用しないかという感じを経てからCM撮ると、あのときのこれを使ってみようと思えるようになったので。ファントムからCMへのアプローチというか、気持ちは変わりました。
澤本:すごいね。つまり、技術からCMに入ってきて。
権八:CMでもファントムを使う現場があるじゃないですか。でも、そんなに凝縮して「芝居しくよろ」って監督は思ってるのかしら?
澤本:監督はたぶんスピード感など物理的な視覚的なところでやってるけど、そこに気持ちを乗せようとすると大変なことだっていう話をされているんだよね。
中村:シーン的にはかるたをパーンとやって、取られたという瞬間ですよね。
権八:そこに感情の起伏をいくつかもってこようと。そんなことを言う人初めて聞いた。
松岡:アップのシーンって今までにいろいろな映画で感じてきたじゃないですか。素晴らしい映画で、アップでワーってなったことあるじゃないですか。やっぱり演じるからにはそれにいつかたどり着きたいと思うから、チャレンジしてます。
権八:CMは2時間になる内容をぎゅっと15秒に縮めたものかもしれないとおっしゃっていただいたこと、忘れません。
澤本:ね、僕たち今日はいい気分になって帰るでしょ? 毎回そうなんだよ。
権八:僕らからするとうれしいわけですよ。そんな風になかなか言ってくれないからね。そういうつもりでやってるものもありますよ。そうじゃないものもあるけど(笑)。
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