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コラム

国民総ダンサー時代前夜に考える、ダンスとクリエイティブの幸福な関係

「ダンスはアメリカが一番!」はいまも正しい?それとも過去の話?

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【前回コラム】「コンテンポラリーダンスって、どうディレクションすればいいの?」はこちら

世界トップレベルのダンサーが日本には大勢いる

RED BULL BC ONE 2016で優勝した日本人ダンサー、ISSEI。(写真 AYATO.)

私事ですが、クリエイティブディレクターとしてニューヨークのクリエイティブエージェンシーであるPARTY NEW YORKに参加することになりました。

ということで今回のコラムは、世界のダンスと日本のダンスの関係性について。主にストリートダンスにおいてです。

一般の方はまだ、「ダンスはアメリカが本場!」「ダンスで日本人が勝てるはずない!」と思われている方が多いでしょうか。

映像制作の現場でも、まだまだ、日本人ダンサーよりはるかに高額のギャランティを払って、海外のダンサーを振付師として呼んでいるケースも見られます。

これについて、結論から言うと、ダンスのレベルだけで見れば、各ジャンルに世界トップレベルの日本人ダンサーが存在します。

ですので、よほど限定的な条件でない限り(後で書きます)、日本人ダンサーを選んだ方がコスト的にもコミュニケーションの面から見てもいいと思います!

ダンスのレベルを見るとき、ある程度指標にできるのはコンテストとバトルの結果。

世界的なコンテストやバトルで近年、たくさんの日本人ダンサーが優勝、入賞しています!でも、残念ながらほとんど知られていませんね。

一般の方の感覚で考えると、テレビに出たりするメジャーな人ほど上手いんじゃないの!?という感覚があるかもしれませんが、ダンサーの場合は基本的にアンダーグラウンドの方が技術的には高度なダンサーが多いです。

これは、一回目のコラムでも書きましたが、ダンスの技術レベルが高いからといって一般の人が見て必ずしも面白い!スゴイ!とはなりません。これは、歌や楽器もそうでしょう。

いくつか世界的コンテストやバトルとその優勝者をご紹介したいと思います。

RED BULL BC ONEはレッドブルがスポンサーを務める、世界最大のブレイクダンスの1on1バトル大会。2016年のファイナルは名古屋で行われ、ISSEIさんが優勝!

Battle of the yearは、ブレイクダンスのチーム戦。ショーケースが良くないとバトルで上に行けないというのが特徴で、ドイツの本戦には一万人以上の観客が集まります。

The floorriorzはなんと三連覇中。

Juste Deboutは2on2のバトル。ブレイクダンス以外のHiphop、Lock、POP、HOUSEなどのジャンルでは世界最大のバトルイベントで、決勝はパリで行われます。

こちらの映像のMAIKAさんにはキッズ時代に私が企画した自動車のCMに出てもらったことがあります。この大会では過去、RADIO FISHのFISHBOYさんも優勝しています!

World of Danceは大人数のチームダンスコンテスト。世界中で予選が行われ、決勝はロサンゼルス。福島のRuuさん率いるFabulous Sistersはユース部門で二連覇!

s**t kingzは2010、2011とアメリカのコンテストBody Rockで二連覇!それまでバトルでは好成績を収めることが多かった日本人ですが、本場アメリカでショーケースでも勝てることを証明した先駆者です。三浦大知さんとともにめちゃイケに出演したり、韓流アーティストの振り付けなども多数。

動画:[1st Place] Ganmi | VIBE XXI 2016 [@VIBRVNCY 4K Front Row 2.0] @GANMI_OFFICIAL #VIBEXXI
私も決勝大会に出場したことがあるVIBEもロサンゼルスで決勝が行われます。2016年はGANMIの皆さんが優勝!

ダンスの大会ではありませんが、America’s Got Talentで優勝した蛯名健一さん!アポロシアターのアマチュアナイトでも二回年間優勝。獲得賞金が間違いなく日本一の方です。

あまりにも日本人ダンサーの活躍がすごすぎて、たくさん紹介してしまいましたが、世界トップレベルのダンサー・振付師が日本には大勢いるので海外から振付師を呼ぶ意味はあまりないかなと思います。ダンサーの見栄えのために外国人を起用するというのはあると思いますが。

次ページ 「それでもダンス留学でアメリカに行く理由」へ続く