カンヌライオンズ2019開幕、「パラ卓球台」と「注文を間違える料理店」がデザイン部門で入賞 #ブレーン

6月17日より、フランス・カンヌで開催されている第66回カンヌ・ライオンズ・クリエイティビティ・フェスティバル。初日に、Design、Health & Wellness、Pharma、Print & Publishing、Outdoor部門の入賞作品が発表された。

日本からは、TBWA\HAKUHODOがDesign部門でゴールドとシルバーを受賞。日本肢体不自由者卓球協会による「PARA PINGPONG TABLE」と一般社団法人「注文をまちがえる料理店」による「注文を間違える料理店」で、いずれも社会課題に取り組んだ事例である。

各部門のグランプリ作品は以下の通り。

Design Lions グランプリ

GOOGLE／CREATABILITY／EXPERIMENTS IN AI + ACCESSIBILITY（GOOGLE CREATIVE LAB, New York）

「CREATABILITY」は、障害がある人に向けて開発された人工知能を活用したオープンソースツール。マウスを使わなくても、さまざまなジェスチャーや動き、音声を使うことで、誰でも絵を描いたり、音楽を作ったりすることができる。

※日本の入賞作品

Gold

パラ卓球協会／パラ卓球／パラ卓球台（TBWA\HAKUHODO＋NOMAD TOKYO,LLC／AMANA＋三英＋／QUANTUM）

Silver

一般社団法人「注文をまちがえる料理店」／介護ケア／注文をまちがえる料理店／（TBWA\HAKUHODO＋大起エンゼルヘルプ）

Bronze

東日本旅客鉄道／東北新幹線／「行くぜ、東北。」（電通＋一倉広告制作所／クリエイティブパワーユニット＋コトリ社＋片村文人写真事務所＋横浜スーパーファクトリー＋電通オンデマンドグラフィック）

電通広告賞事務局／電通広告賞2018／ASPIRATION & PERSPIRATION（電通＋バウ広告事務所）

Health & Wellness グランプリ

IKEA／IKEA THISABLES／THISABLES（Innovation McCANN,TelAviv ISRAEL、McCANN,Tel Aviv／CRAFT LONDON UM）

IKEAが開発した、自社の家具用の3Dプリント製補助器具「ThisAbles」シリーズ。例えば指を使わなくても、腕全体で簡単に箪笥の扉を開けることができる「イージーハンドル」、押しにくい小さなランプの照明にかぶせて操作できる「メガスイッチ」などのアイテムを制作し、3DCADデータを公開。公式サイトから無料でダウンロードできるようにした。

Pharma グランプリ

GSK GLAXOSMITHKLINE／CHRONIC PULMONARY DISEASE AWARENESS（COPD）／BREATH OF LIFE（McCANN HEALTH, Shanghai CHINA）

呼吸器科医や水墨画のアーティストとコラボレーションして制作された、慢性閉塞性肺疾患（COPD）の自己診断ツールアプリ。ユーザーは最初に木の形と花の色を選び、次にスマートフォンに向かって息を吐き出すと、肺活量によって花の咲き誇るインクの木が成長する。その結果が70％を下回った場合は、病院への訪問を勧める。

Print & Publishing グランプリ

AN-NAHAR／THE BLANK EDITION（IMPACT BBDO,Dubai UNITED ARAB EMIRATES IMPACT PORTER NOVELLI, Dubai IMPACT PORTER NOVELLI,Dubai）

レバノンの日刊紙「An-Naha」が、レバノンの政治情勢に抗議するべく発行した白紙の新聞。同紙は、市民がソーシャルメディアを介して自分の見出しを書いたり、政治家にメッセージを送ったりするよう奨励した。

Outdoor グランプリ

NIKE／NIKE／NIKE DREAM CRAZY | COLIN KAEPERNICK（WIEDEN+KENNEDY,Portland）

ナイキの「Just do it」の30周年を記念したキャンペーン。人種差別に抗議したNFLのサンフランシスコ49ersの元クォーターバック、コリン・キャパニックを起用。彼のアップの白黒写真に「Believe in something. Even if it means sacrificing everything.」というキャッチフレーズを載せた広告を展開した。