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切り口探しが動画制作の第一歩 博報堂 小島翔太氏

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動画制作をする際の最初のハードルとなるのが、どんな企画を考えるかということ。そこで、ブレーン主催のオンライン動画コンテスト「第7回 BOVA」は、講演とワークショップを開催。1次審査員のひとりで、資生堂/レシピスト「#たおりゅう」やSMBC日興証券「イチロー人生すごろく」などを手がけ、博報堂の新たなクリエイティブチーム「CREATIVE TABLE 最高」のリーダーも努める博報堂アクティベーションプラナー 小島翔太氏に、オンライン動画の企画のコツについて話してもらった。

広告賞に応募する際の課題の選び方

僕は博報堂に2012年に入社し、アクティベーションプラナーとして働いてきました。人の気持ちを動かす、もっと言うと「買う」「シェアする」などの具体的な行動を起こすために、テレビに絞らず企画を考えようという職種です。テレビCMや、ポスターに限らずデジタルの広告やイベントまで企画するものは多様です。

今回のセミナーでは、仮に僕がBOVAに応募するとしたら、どのように企画を考えるかという視点でお話できればと思います。

まず、BOVAで応募する動画は、一本を制作するハードルが高く何本も応募することは難しいと思います。そこで、重要なのが課題選びです。僕の中で、こうした課題を選ぶときの基準は2つあります。

①身近な商品であること。自分が食べた、使った経験があり、その商品がどういうシーンで愛されているかがわかる商品の課題。
→こういう商品は、多くの人が企画しやすいので、応募数が増え、質が高い動画が集まりやすい。

②あまりなじみのない商材だけれど、いいアイデアを思いつけたら、とびぬけた動画になりそうという根拠のない予感のある課題。
→課題として難しいので、応募倍率は低くなる傾向にある。

キャッチフレーズのみを応募する宣伝会議賞であれば、全課題を順番に考えていくこともできますが、動画制作はそう簡単にいかない。BOVAの場合、最初に課題をしぼってアイデアを考えることがオススメです。

審査基準にヒントが隠されている。

次に、大事なことは審査基準を見ることです。BOVAの場合だと、次の3つ。

BOVAの審査基準

これを読むと、「オンライン動画ならではの哲学」「オンラインならではの使い方」と2回もオンラインという言葉が出てきます。どうやら、ここで言うオンライン動画とは、YouTubeでネイティブ公開を想定し、広告はせずとも、クチコミで100万回再生されるものを目指しているようです。

とは言え誰でも動画を制作しアップロードできるこの時代、普通の動画ではそこに紛れてしまいます。そこで、審査基準に挙げられているように、新しくなくちゃいけないし、面白くなくちゃいけない。

例えば、僕の仕事の1つ、資生堂/レシピスト「#たおりゅう」は、土屋太鳳と横浜流星という誰もが知る2人が、インスタでカップルアカウントを設け、ストーリーズを毎日更新するわけです。友だちのストーリーズと混ざって、2人の動画が出てくる。そう聞くだけで、面白そうと感じてもらえる可能性は高い。でも同じことを他の施策でもう一度やっても、予想がついて面白くない。企画は、「新しい」だけで、価値があるんです。

次ページ 「過去の受賞作品を見て、賞の特徴を分析する」へ続く