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2015/05/28
2015/05/28

SXSWedu2015レポート! 世界のeducation事情

 

こんにちは、D2Cソリューションズ クラウドビジネス部の横林です。
今日は、毎年3月にアメリカテキサス州オースティンで開催されるSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)の中でも、教育に特化したSXSWedu2015のレポートをお届けします。
 

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SXSWeduは、規模はまだまだ小さいながらも、世界でもedtech※1が進んでいる欧米の教育事情が発表されたり、議論されるイベントです。参加者は数6000名程で、その属性は男女比5:5、修士(教員)などが7割と多いです。その中で今年の日本からの参加者は18名。
徐々に参加者が増えてきているものの、まだまだ小さい規模ではありますが、その分edtechまわりの非常にコアな人々が集まっているイベントです。
 
※1 EdTechとは、「Education」と「Technology」を組み合わせた言葉で、IT技術を活用した各種教育サービス・ソリューションを指します。
 
 

新たな教育の形をkeynoteで発表!

 
○ 教育と未来の可能性 Salman Khan (サルマン・カーン) 氏

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オンライン教育サービス、カーン・アカデミーの創立者をご存知でしょうか?
彼は、自宅から4,800もの理数系中心とした複数分野・科目をまたぐ授業動画をYouTubeにアップロードしたことを発端に、Googleとビル・メリンダ・ゲイツ財産からの資金と人材援助を得て、独立し、教育サイトのサービスを立ち上げた人物です。
彼のキーノートではこのサービスにたどり着くまでの経緯と、教育に対する彼の確固たる考えを聞くことができました。

 
〜keynoteサマリ〜
・ はじめは、ネットを通じいとこの家庭教師をしていた。
そのうち数人の家庭教師も兼任することになり、一人ひとりに対し直接勉強をみることができなくなったので、教材や宿題をプログラミングで自動化することになった。
 
・ そんな折、いとこからショッキングなFacebookの投稿をもらう。
「YouTubeの方がいいよ。自分が理解するまで待たれるということが恥ずかしい。」というエピソード。
生徒は「自分の理解のために先生を待たせるという行為が恥ずかしい」という想いがあるということに気付く。
 
・ 非インターネット教育については、物理的な教室を否定するつもりはない。実際に会って話すことは重要である。
 
・ KhanAcademyの基礎技術、技術基盤について、「ナレッジマップ(知識の地図)上の、知識同士の相関性が示されている。学校での勉強の進め方とは異なり、知識を得る経路を見せた上で学習する。知識は他の知識に依存している。」と説明。
 
・ 従来教育への違和感について
「従来型では、最後にテストを受ける。テストを受ける目的は理解不足の箇所を明示することだが、間違えたところをそのままにして次に進んでしまう。学校教育は結果を不揃いにすることを良しとするが、これはおかしい。結果を揃えるために教える内容を不揃いにすべき。」であると意見を述べた。
 
 
〜まとめ〜
Salman Khan氏は、「edtechを含めたインターネットを活用した教育には将来、無限の可能性を持っている。」と述べ、教育において、「失敗」することは非常に大切で、その失敗や間違えを正していく過程から、結果を導いていく教育を行うべきであると主張していました。まさにこれがアダプテッドラーニング(個人に合わせた教育方法)の根底でもあると思います。
 
 
 
○ Connected Learning Mimi Ito (伊藤瑞子) 氏
~人との出会いがパッションを生み出す。デジタル時代はどうか?~

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彼女は、カリフォルニア大学アーバイン校 レジデント文化人類学者であり、 日本のベンチャーキャピタリストで、MITメディアラボ所長である伊藤穰一氏の実の妹です。
 
・ Connected Learningとは・・・
初期ではコンテキストを持った学び、知識醸成を指す用語で、2000年以降は情報ネットワーク化と人と人のソーシャルな繋がりの教育結果への影響を含めた概念と範囲が成長したものです。
 
・ Connected Learnerとは・・・
興味を持っていることを通して、その興味を共有するコミュニティにつながり、それが更に学校や職場における成長への可能性へとつながる様を指す言葉です。
 

〜keynoteサマリ〜
・ オンライン上で同じ興味を持つ人のコミュニティを見つけても、そこから既存の社会システム(会社、学校)へのつながりを持つような例は少ない。オンラインとリアルの世界には距離感があるので、その距離を縮める仕組み必要である。
・ 教師は、情報を提供するのではなく、生徒の興味を爆発させるようなラーニングヒーローへつなげる橋渡し役としての役割を担うことが重要である。
 
〜まとめ〜
このkeynoteではその場で近くに座った4名ほどがチームとなり、1分で問いに対して、回答していくワークショップ的な要素で展開されました。
その場で名前も国籍も関係ない人間同士が共通の話題に対して、それぞれの意見を述べる、これこそ出会いによるバッションを感じました。私自身も興味をかき立てられる部分を感じることができ、教えるだけでない教師の役割の一端が見えた気がしました。
 
 
その他、数十のkeynoteやパネルディスカッションなどに参加をして、見えてきたものを整理してみました。
 
○そもそも世の中不公平であることに対する意見を発信している
 ・個人の能力、住んでいる場所、学校、生活環境には違いがある。
 ・アメリカでは人種や富裕層・貧困層の問題が日本よりも顕著なので、その問題を解決しようとする取り組みが多い。
 ・画一化された教育への提言をしている。
 ・学ぶ人の能力や環境に合わせた教育や支援体制が必要である。
 
○ デジタル化がもたらす環境の変化が起きている
 ・新しい教育には必ずテクノロジーが介在している。
 ・デジタル技術を使って、学ぶことへのモチベーションを上げていく。
 
○ 人と会うことや物理的な学校を否定するものではなく、支援する立場
 ・オンラインの世界、オフラインの世界、それをつなぐ橋渡し。
 
 
環境に合わせたそれぞれの教育方法に違いはあるが、思いや志し同じであることを改めて認識しました。
 

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※イベント参加者それぞれの教育への想いが落書きされたボード。イベント中のライブ会場にて
 
 

STEAM教育のすすめ

STEAMとは・・・
STEAM=科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術(Art)、数学(Mathematics)
の要素を強化した教育です。
 
以前は、STEM教育と言われていたが、理数系教育では、どうしても男性が多くなる傾向があり、女性の教育水準としては課題がありました。
そのため、STEM教育 + ARTのSTEAM教育の大切さを考えるセッションが目立っていました。
昨今ではアプリケーションやロボットなど技術プロダクトに直接触れるケースが増えていますが、理数系のみでは、要素技術が多く、技術の幅を広げようという意図で、+ART(芸術)である、「STEAM教育」が推進されてきています。ロボットのファッションショープロジェクトの開催やロボットを使った授業など、実際にその授業によって理解度が上がったなどの例も出てきている。
さらにイギリスでは、5才からプログラミング教育が義務化されているようです。さすがにいきなりコーディングはできないので、「ロボット役の児童に、命令文を送る」ことを通して、動きや基礎を理解していくケースや、アプリケーションを使う授業もありましたが、紙やおもちゃも併用して、いろいろな状況で考えることを教え、応用性を養っているようです。
 
私が見学したカナダでの公立中学でも、「STEAM教育」が推進しており、小学1年生から1人1台「chrome book」を持ち、ARTの授業には指導役としてプロのアーティストを迎え、1年をかけて共同作品を作っていました。
大きなテーマを掲げて、それぞれの感性で違う表現をし、共同作品の制作を通じ、個を学びお互いを知る目的があるそうです。

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※現在製作中だそうです。9年生の作品。ちなみにテーマは「命」だそうです。
 
今後もこの場を借りて、新たな教育分野での情報やグローバルな教育の実態を報告していきたいと思いますので、お楽しみに!
 
 
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