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リベートの意味とは?独占禁止法とは?:排除行為認定をされないために

  • リベートには「割戻し金」、「手数料」、「賄賂」といった意味がある
  • リベートはある一定の基準を超えると、独占禁止法において排除行為と認定されるおそれがある
  • 流通・小売りの現場におけるリベートの会計処理は煩雑になりがちである

リベートとは

リベート(rebate)には3つの意味がある

リベートの本来の意味は、「割戻し金」です。「報奨金」、「謝礼金」など割戻し金の名目はいくつかありますが、支払者に代金の一部を払い戻すことを総じてリベートといいます。
本来の意味でのみ使われるなら問題はありませんが、リベートにはこのほかに、手数料、賄賂という2つの意味も含まれます。適切な範囲でのリベートはクリーンなやりとりですが、定められた水準やパーセンテージを超えてしまうと、独占禁止法違反に問われる可能性もあります。そのため、小売業や流通に関わる時には、リベートの適切な範囲をよく理解しておく必要があります。

現場におけるリベート

現場において販売や請負の業者間競争が激しくなると、売り手側が買い手側に支払代金の一部を払い戻す、つまりリベートを渡すことを条件として、契約を取りつけることがあります。業者間で安定した取引を可能にし、互いが利益を得られるという意味で、リベートは重要な役割を担っています。
しかし割り戻し金は、状況やパーセンテージによっては独占禁止法に抵触するおそれがあります。

独占禁止法とは

独占禁止法の概要

独占禁止法は、正確な名称を「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」といいます。賄賂や独占的な契約に市場メカニズムを害されることがないよう、また事業者による自主的な判断及び活動ができるように法律が定められています。
独占禁止法に違反すると、違反行為を除くための「排除措置命令」が発令されます。また、不公正な取引に対して課徴金が課せられ、カルテルや違反企業に対しては罰則が科されます。
また、課徴金だけでなく被害者から損害賠償請求をされることもあります。これは、違反行為が過失であっても免れることができません。

独占禁止法とリベートの関係を知ろう

リベートには、販売を促進する効果があったり、需要が刺激されるなど適切な競争を促進するはたらきがあるため、すべてのリベートが悪いわけではありません。
しかし、不適切なリベートは、独占禁止法に対する違反行為と見なされることがあります。リベートが適切か否かは、次の4つの指針によって判断されます。

参考:公正取引委員会「排除型私的独占に係る独占禁止法上の指針」3(3)排他的リベートの供与
http://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/haijyogata.html

  1. リベートの水準
  2. リベートを供与する基準
  3. リベートの累進度
  4. リベートの遡求性

リベートの水準は、金額、供与率におけるパーセンテージのことです。この水準が高いほど、排除行為とみなされやすくなります。
供与する基準は、取引先の「達成見込み」と関係しています。つまり、基準が、取引先の達成可能な範囲の数字であればあるほど、排除行為とみなされやすくなります。また、取引先ごとに達成目標を別々に定めている場合も、排除的とみなされます。

リベートの累進度に関しても、供与する基準と同じような原則があります。一定期間における取引数量などに応じた累進的なリベートが設定されている場合、取引先がリベート行為者からより多くの商品を購入する、または契約をする可能性が高まるため、排除行為と認定されるおそれがあります。
4つめは、リベートの遡及性についてです。遡及とは、以前になされた行為や事実をさかのぼって適用することをさします。つまり、実際の取引数量などがリベートの供与される基準を超えた時、リベートの供与がこれまでの取引数量の全体に対しておこなわれるとすれば、より独占的な行為であるとみなされます。分かりやすく数字にすると、100個以上の販売達成でリベートを支払う契約をし、実際には200個売り上げがあった際、101個以前の販売数量に対してもリベートが支払われるというようなケースがこれにあたります。

「排除効果」及び「競争の制限」とみなされてしまう目安

こうしたリベートの供与が排除効果として認められるかどうかは、商品に係る市場全体の状況や、リベートの供与者、また競争関係にある企業や事業者らの市場における地位、リベートの供与がおこなわれた期間や回数、取引の条件によります。
また、排除型私的独占において、競争を実質的に制限しているか否かについての判断も、いくつかの基準に基づいて判断されます。
判断材料としては、リベート行為者や競争者の市場におけるシェア状況、参入障壁などに代表される潜在的競争圧力の有無、消費者利益の確保に関する特段の事情の有無などが挙げられます。
いずれにしても、市場の形態や規模は業界によって千差万別であり、具体的な数字や明確な事象が定められているわけではありません。

リベート取引の会計について

小売業の現場におけるリベートの割り戻し方法

リベートと一口にいっても、割り戻しの方法はいくつかあります。
一つは、年間売上高に応じたもの。これとは別に、売り場面積の大きさに従って割り戻し額を決める方法もあります。決済期間に応じて金額を決めることもあり、どのような方法を採るかは、各事業者によってことなります。流通シーンにおいて慣例でありながら、ケースバイケースでの対応が求められるということです。
一度動いたお金を、さまざまなパーセンテージに応じて一部元に戻すという複雑な会計処理は、事務処理に大きな負担がかかってしまいます。年度末などは特に処理が集中する可能性が高いため、各社でしっかりとした取引の会計システム作りをしておくと安心です。

リベートと似ている米国の「アローワンス」

ちなみに、リベートは日本独自の取引文化で、海外との取引においては理解されないこともあります。
しかし、米国には「アローワンス」と呼ばれる似たような仕組みがあるのをご存知でしょうか。

アローワンスは、メーカーが商品を販売してもらうために支払う「協賛金」のようなお金です。商品を指定の場所に陳列してもらうためのアローワンス、広告を掲載してもらうためのアローワンスなど、リベートと同じように支払う目的はいくつかあります。しかし、両者には決定的に違う点が一つ。それは「オープン性」です。リベートは支払い基準や支払う金額が決まっていないのに対して、アローワンスには支払いに関して一定の基準があり、取引先によって金額が変わるということはありません。
取引先や取引の規模に応じて柔軟に対応できるリベートと、金額は変えられないが、会計処理が一律で定められているアローワンス。両者の性質は似ているようで、大きな違いがあります。とはいえ、近年ではアローワンスの金額が高すぎて業者の負担になっているという声もあり、成功報酬制になっていることもあります。

参考:日本リサーチセンター「[流通戦略4]リベート/アローワンス」
http://www.nrc.co.jp/marketing/06-07.html

まとめ

リベートと聞くと、反射的に「悪いこと」、「違法な金銭の授受」を連想する人も少なくありません。
しかし本来、リベートは安定した取引のための一つの手段です。排除行為にあたる独占禁止法違反のボーダーラインをしっかりと認識し、適切な範囲及び水準で運営しましょう。

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