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2018/02/15
2018/02/15

人対機械のコミュニケーションが広告の未来を開く―「会話広告」に見る新たな可能性

 

D2C デジタルマーケティング事業本部 ビジネスプランニング部 木本達也です。

 

ユーザーの生活環境やテクノロジーの変化により、次々とトレンドが入れ替わる広告業界において、今、注目を集めているのが、株式会社ZEALSが提供する「会話広告『fanp(ファンプ)』」です。Facebookと連携し、Messengerボットとの会話から訴求していく「fanp」は確実に浸透を始めており、「会話広告」という手法は広告の新たな形として定着しようとしています。

 

そこで今回は会話広告の牽引役とも言うべき株式会社ZEALSの代表取締役CEOである清水正大氏をお招きし、「fanp」の導入サポートを担当する弊社 デジタルマーケティング事業本部 ビジネスプランニング部 星航を交え、会話広告が支持される理由から今後の広告業界を占う未来予想図など「fanp」に秘められた可能性について伺いました。

 

 (左から)
 株式会社ZEALS 代表取締役CEO 清水正大氏
 株式会社D2C デジタルマーケティング事業本部 エキスパート 木本達也
 株式会社D2C デジタルマーケティング事業本部 担当部長 星航

 

 

インフィード時代の今、ランディングページは過去の存在に

木本:テクノロジーの進化に呼応するように、次々と新たな手法が生まれるインターネット広告ですが、広告主が求めるのは目新しさ以上に確かな効果です。そんな中、清水社長が手掛ける会話広告「fanp」は、2017年5月のリリース以降、多くのクライアントから支持を得ています。その理由は、どこにあるのでしょう?

 

清水:「fanp」を一言で説明するなら、「ランディングページのCVRを凌駕する“会話広告”」です。リスティング広告とランディングページ。このタッグがネット広告の主流であったことは間違いありません。しかし2017年3月、スマホ広告の売り上げトップがGoogleからFacebookへとひっくり返りました。

 

この逆転が意味するところは、サーチからフィードへの移り変わりです。多くの広告主がこうした流れを実感しているからこそ、インフィード広告の導入を始めていますが、そもそもインフィードは潜在層向けの手法です。するとインフィードからランディングページに誘導しても、なかなか効果が得られない。僕たちはサーチからフィードへのパラダイムシフトとともに、ランディングページは過去の存在になりつつあると感じています。

 

株式会社ZEALS 代表取締役CEO 清水正大氏

 

 

画面タップが会話を弾ませ、収集データによってリタゲが不要に

木本:「fanp」は、まさにインフィードを活用した手法ですね。Facebookのニュースフィードに流れる広告をクリックするとMessengerが立ち上がり、そこで展開されるチャットボットとの会話から訴求を行っていくという。

 

清水:はい、クリックするとランディングページに飛ぶのではなく、Messengerボットが立ち上がります。簡単なアンケートから会話をスタートする場合や、いきなり商品の紹介からスタートする場合もあります。ポイントは、ユーザーに自由入力による回答を求めることはせず、会話の流れから選択肢を提示し、タップで回答する形式を採用していることです。その結果、リリースから1年未満にも関わらず、4200万を超える会話データが蓄積されています。

 

星:確かに自由入力では、ハードルが高い印象がありますね。答えるのが億劫になってしまいそうな。

 

清水:ですよね、僕自身も億劫に感じますから(笑)。それがタップ回答となれば、ずっと気軽です。ポンポンッと画面をタップしていく感覚って、すごくストレスフリー。やらされている感覚なしに、自然に回答いただけます。

 

 

こうした会話データはもちろん、回答せずにMessengerを閉じたユーザーであってもFacebookのプロフィール情報は取得できるため、流入した全ユーザーの可視化が可能です。すると各ユーザーに対してどんな情報提供がふさわしいのか、これまでリターゲティングにかけていたコストが不要になりますし、その後もMessengerを通じ、こちらから話し掛けることができます。

 

木本:広告運用とリターゲティングが同時に叶うというのは、非常に画期的ですよね。ただ、多くの広告主にお話を伺う中で感じるのが、プッシュ型広告への不安感です。平たく言えば「ウザがられないか?」という怖さですね。

 

清水:そうしたリスクを回避するにも、会話という手法が生きてきます。どれほどの頻度でプッシュしても構わないか、ストレートに聞いてしまうんです。頻度はコンテンツによって異なりますが、たとえば求人系の場合は、ちょっと多いかな?と感じる頻度でも問題ない方も割といらっしゃって。「ガンガン送って!」みたいな(笑)。さらに、システム側で開封やアクションを分析しているのでユーザーそれぞれに最適な頻度でのプッシュを行っています。

 

 

開封率は72%、再訪率は14%、CVRは7倍以上に改善

清水:要は蓄積されたデータからパーソナライズして話しかけていくので、単に一方通行のメルマガ広告とは大きな差が生まれます。これまでの実績ですと開封率は72%、再訪率は14%。資料請求といった到達点までMessenger上で完結することから、ランディングページの運用時と比べ、コンバージョン率はクライアント平均で7倍以上です。

 

木本:7倍以上とは、すごい数字ですね。中でもZEALSさんの場合、お話に出た人材のほか、保険や不動産企業にもクライアントが多い印象です。

 

株式会社D2C デジタルマーケティング本部 木本達也

 

清水:これらの業種に共通するのは、即座の購入が難しい商材を扱っている点です。ユーザーにとって検討が必要な、リードタイムを要する商材だからこそ、双方向にやり取りする会話が効果を発揮します。

 

たとえば不動産ですと、「三菱地所」さんにも「fanp」をご利用いただいていますが、分譲マンションの購入などユーザーが意思を固めるまでのハードルが高く、リードタイムも長いため、獲得単価が高騰しやすい傾向にあります。会話という手法を取れば、継続してユーザーと繋がり、コミュニケーションを図っていくことで購買意欲を着実に育てることができます。

 

星:すると潜在層に訴求するインフィード広告の一方で、リタゲに注力しているような企業にも、高い効果をもたらしそうですね。

 

清水:おっしゃる通りです。リターゲティングにかけるコストに広告予算が圧迫され、従来のリスティング広告から抜け出せない企業は少なくありません。しかし「fanp」であれば、会話データからユーザーの行動傾向が把握できます。こうしたデータ解析はもちろん、Facebookとの連携からボットの導入、広告運用からユーザーとの会話設計まで、すべてパッケージ化して提供しているので、運用コストの面でも評価いただけています。

 

コミュニケーションデザイナーの育成が生むエンゲージメント

木本:そうしたクライアントからの評価ゆえですね。今年1月、ジャフコ及びフリークアウト・ホールディングスから4.2億円を調達したことが話題になりました。

 

 【ZEALS】ジャフコ、フリークアウトから4.2億の第三者割当増資を実施
 http://zeals.co.jp/news/finance-20180129/

 

一つのステージアップとも言えるかと思いますが、新たな戦略について聞かせてください。

 

清水:今回の資金調達の大きな目的は、コミュニケーションデザイナーの育成です。ユーザーに対して、ボットがどのように会話を展開していくか。僕らはこの会話設計を「コミュニケーションデザイン」と呼んでいます。人対機械のコミュニケーションを描ける人間の育成が急務ですし、猛烈に“ウォンテッド”している最中です(笑)。

 

星:個人的な興味で聞いてしまいますが、清水社長が求めるコミュニケーションデザイナーとは、会話データから傾向分析をする左脳的人間なのか、それともキャッチーな言葉を生み出す右脳的人間なのか、どちらなのでしょう?

 

清水:どちらもですね。データ解析に長けたエンジニアと、西日本で携帯セールスのトップに立った接客のプロ。うちでは現在、この2人を柱にコミュニケーションデザインをしていますが、やればやるほど、両輪がうまく回ることの重要性を痛感しています。右脳的な人間が会話を企画し、左脳的な人間がグロースハックしていく流れが理想です。

 

これは右脳的なアプローチですが、先日のような大雪の日に「無事に帰れましたか?」なんてメッセージが届いたら、心がほぐれるじゃないですか(笑)。クライアントの売り上げに直結するような情報提供が第一ですが、それ以外の部分でもユーザーの心を動かせたなら、クライアントとのエンゲージメントも高まるはずです。

 

 

音声認識の話題性よりも、慣れ親しんだチャットという選択

木本:機械と会話していることを忘れるようなユーザー体験ということですね。その点で言うと最近、スマートスピーカーが話題です。GoogleもAmazonも、LINEも同じようなタイミングでリリースし、この技術に注目する広告主が多くいますが、今後、音声認識を活用した会話広告にも広がっていくのでしょうか?

 

清水:もちろんです。現在はチャットボットとの会話形式に特化していますが、実は音声インターフェースを用いた会話も、やっていることはさほど変わりません。スマートスピーカーの場合、認識された音声をテキストデータに変換するというプロセスが挟まれているくらいです。

 

ただ、「今すぐ音声インターフェース始めないと!」というのは時期尚早と考えています。注目度の高い技術であることは確かですが、利用ユーザー数から見ても、ユーザビリティーの観点からも、まだまだチャットに軍配が上がるかなと。Messengerもそうですし、iMessageにしてもLINEにしても、ユーザーが当たり前のように慣れ親しみ、使いまくっているじゃないですか。

 

 

木本:確かにそうですね。たとえ機械とのコミュニケーションであっても、チャットであれば何も特別なことはなく、日常的な光景です。

 

清水:そのため音声インターフェースに関しては、次のステップという認識です。要は、会話データ量と質の勝負ですから。やらないというわけではなく、慣れ親しんだチャットでリード獲得に特化した質の高い会話データを膨大に収集・解析することで、“強み”を作っていくフェーズと言えばいいでしょうか。

 

僕らはテクノロジーの研究機関ではなく、こうした広告プロダクトを展開している以上、クライアントの売上に貢献することが第一です。その上で「次は、音声の領域にもチャレンジしよう」と言ってくださるクライアントもいます。つまり、クライアントと共に、チャットボットのコミュニケーション精度を高めていくことが、音声インターフェースといった新たなチャレンジの礎になるはずだと確信しています。

 

 

会話広告の進化が生み出す、次なる産業革命を日本から

星:人対機械のコミュニケーションが進化することによって、どんな広告手法が開けていくのか。会話広告の広がりはもちろん、未来の広告の形にも期待が膨らみますね。

 

株式会社D2C デジタルマーケティング事業本部 星航

 

清水:現状の「fanp」では、資料請求や体験版購入のように一定のゴールに到達すると、以降は有人対応に移る形を取っている場合もあります。それを有人対応の部分を含め、すべてテクノロジーによって完結させることが当座の目標です。たとえば人材の場合、すでにMessenger上でのヒヤリングから、かなりの精度でハマる企業を導き出せています。

 

木本:その領域までカバーできるとなると、営業効率もかなり改善されますね。

 

清水:確実に改善できます。こうした積み重ねを通じて、“コミュニケーションを科学する”ことで「日本をぶち上げる」のが僕たちのVISIONです。次なる産業革命を興してやろうじゃないかと。ものすごく大きな目標ですが、僕たちは本気です。現実問題、この国は人口減少が避けられない状態です。今の社会構造のままでは、確実にしぼんでいってしまう。

 

そのなかで、コミュニケーションのテクノロジーには、特に第三次産業に従事する人、「セールスパーソン」と呼ばれる人たちの仕事を代替する可能性を秘めています。人口減少にある国で、セールスパーソンたちを今の仕事から解放し、新しいことを始めるチャレンジャーに変えていく。人対機械のコミュニケーション精度を高めていけば、広告だけじゃない、日本の構造そのものを変えられると信じています。

 

社名の「ZEALS」は「熱狂」を意味する

 

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