2018
07.11

副業解禁のメリット・デメリットは?副業希望者や解禁した企業のデータ、先進事例をまとめて紹介

組織・人

国内企業における副業解禁の流れが加速している昨今。副業は、「働き方改革実行計画」(2017年3月)策定以降、政府もガイドラインを策定して推進していることから、特に注目を集めていますよね。

そんな副業の解禁には、一体どのようなメリットがあるのでしょうか?
データや先進事例を見ながら、副業解禁について詳しく見ていきましょう。

副業解禁には働く人・企業双方にメリットあり!

副業の解禁には、働く人と企業の双方に対してメリットが期待できます。

▼働く人にとってのメリット
・収入が増加する。
・本業だけでは得られないスキルや知識、経験が得られる。得られたスキルや知識、経験は、キャリア形成に活かせる。
・本業の収入があるため、副業ではやりたいことにチャレンジできる。たとえば、起業や転職などの準備がしやすくなる。

▼企業にとってのメリット
・副業先でスキルや知識、経験を得た従業員の質が高まる。
・副業をする従業員が得た情報や人脈を、事業機会の拡大につなげられる。
・従業員の定着率が向上する。
・従業員がやりがいを持ち、主体的に働けるようになる。

副業解禁によって働く人も企業も元気になれば、日本経済全体が活性化しそうですよね。
また、働く人にとっては、副業で自己実現できるなど、人生に大きな影響を与えるような経験も期待できるかもしれません。

▼デメリットは?
働く人側については、労働時間が長くなることで、健康管理が難しくなるデメリットが考えられます。
また、企業側については、機密情報流出のリスクや、従業員の職務専念義務が果たされなくなるリスクが懸念されます。
働く人が実際に副業をしたり、企業が副業を解禁したりする場合には、安易に考えず、デメリットへの対策も徹底する必要がありそうです。

解禁している企業は少ない一方、確かなメリットを実感

メリットの多い副業ですが、実態としては、まだまだ解禁している企業は少ないようです。
株式会社帝国データバンクが行った「2017年度の雇用動向に関する企業の意識調査」によると、従業員の副業・兼業を「認めている」(「積極的に認めている」「やむを得ず認めている」の合計)と回答した企業は、1万82社のうち1,047社で、わずか1割にとどまっています。
メリットよりもデメリットのほうが気がかりで、副業解禁に踏み切れないのが現状なのかもしれません。

一方で、副業を解禁した1割の企業は、確かなメリットを感じていることもわかっています。
同調査によると、副業解禁によって企業が感じたメリットは、
「定着率が向上した」(26.6%)
「従業員のモチベーションが高まった」(16.5%)
「従業員のスキルが向上した」(16.2%)
「多様な人材の活躍が推進できた」(11.1%)などさまざま。
人材確保から従業員のプラスの変化、ダイバーシティの推進まで、広い範囲にわたっていますよね。

正社員の9割近くが副業に興味あり。時間管理が課題に

働く側の実態についても見てみましょう。株式会社エン・ジャパンが約5,500人から回答を得た2017年の調査によると、正社員の88%が「副業に興味がある」と回答しています。
実際に副業を経験した人も33%と、3人に1人の割合です。予想以上に多いと思いませんか?

ただし、政府が推進する副業のイメージと、働く人が現実におこなっている副業には、やや乖離があるようです。
同調査で、副業経験のある人に対し、具体的な副業内容を聞いたところ、
「アルバイト(接客・販売・サービス系)」(61%)
「アンケートモニター・ポイントサイト」(20%)
「ネットオークション・フリマサイト」(14%)といった回答が多くを占めました。
スキルアップや自己実現のためというよりも、単純な収入アップのために副業をしている人が多いようです。
実際、副業に興味がある人の83%が「収入を得るため」に副業をしたいと回答しており、「自分のスキルアップのため」という回答は23%にとどまりました。

このように現時点では、スキルアップや自己実現のために副業をしている人・したい人は少ないようです。
しかし、もし企業側が積極的に副業を推進すれば、「お小遣い稼ぎ」的な副業だけでなく、自分の成長につながるような副業をする人も増えるかもしれません。

先進事例から学ぶ副業解禁の方法

最近では、主要企業が副業を解禁したというニュースも頻繁に耳にしますよね。以下で、いくつかの先進的な事例をご紹介しましょう。

▼ロート製薬株式会社
2016年2月から、副業(兼業)認定制度をスタート。
立候補した社員らによる人事制度改革プロジェクトのなかで、「ベンチャー精神のような『興す』気概と行動力を持つ社員をいかに育てるか」といった議論から誕生した制度だそうです。
対象は入社3年目以上の社員で、就業時間外と休日のみの副業であることが条件となっています。同年3月にいったん応募を締め切っていますが、60名以上の社員から立候補があったと報告もされています。
▼株式会社新生銀行
2018年4月から副業・兼業が解禁されています。
他社で従業員として雇用されるタイプの「他者雇用型」だけでなく、社員が個人で事業を起こしたり、業務を受託したりするタイプの「個人事業主型」も認められている点が特徴です。
また、競合他社への副業禁止、深夜業務・危険有害業務の禁止、情報漏洩リスクのある企業への副業禁止など、副業解禁によるデメリットへの対策も行われています。
▼広島県福山市
副業は、地方自治体も積極的に推進しています。広島県福山市はその一例で、2017年に、副業・兼業限定で、戦略顧問を募集しました。
人口減少による働き手不足など、地方都市を取り巻く環境が厳しくなるなかで、副業の解禁・受け入れは、地方企業や自治体が優秀な人材を獲得できる活路のひとつ。
同市の取り組みは、実際に自治体で副業人材を活用することで、市内の企業における副業解禁・受け入れ推進のモデルとなることが目的となっています。
募集は2017年12月に終了しましたが、定員1人に対し、全国から集まった応募者数は、なんと395人にも上ったそうです。

おわりに

副業解禁は、働く人にとっても、企業や自治体にとっても、多くのメリットがあります。
現状では、副業をしている人も副業を解禁している企業も多くありませんが、メリットが広く認知されれば、今後さらに注目が集まりそうです。
自身の成長や生きがいにつながり、経済の活性化にも貢献できる副業。一度真剣に検討してもいいかもしれませんね。


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西東 美智子

西東 美智子

大学事務、出版社編集部勤務などを経験したのち、フリーランスライターに。 ビジネス記事では教育業界やペット業界分野が得意で、英語コンテンツ翻訳の実績も多数。 なお「鯉実ちと紗」名義で小説や詩などの文芸作品を電子出版もしている。