Advertimes アドバタ会議
2018.9.25
/
不動産

不動産相続にまつわる思惑は多様 民間調査「不動産相続について」

(写真=Syda Productions/Shutterstock.com)
(写真=Syda Productions/Shutterstock.com)
2017年9月、不動産関連の比較査定サイト「スマイスター」が不動産相続についての調査結果を発表しました。
リリースされた集計結果を読んだ中から3つのトピックスに注目しました。

注目したトピックス1 「相続した不動産を使わない」との回答は3割超え

相続を経験した方への「相続した不動産をどうしたのか」という問いに対して、 複数回答による回答割合で最も高かった回答は『自分が住んだ』の36.8%だったそうです。 加えて『子供が住んだ』(3.5%)、『親が住んだ』(1.8%)、 あるいは『賃貸に出した』(8.8%)、さらに『駐車場経営』(4.1%)、『アパマン賃貸経営』(3.5%)、『太陽光発電として活用』(1.8%)などを含め、 相続した不動産を「自己使用や収益事業など何らかの形で使っている」という回答割合が高いことが伺えます。 一方で「使わない」という選択の結果といえる行動として、全体の二番目に高い回答割合だった『売却』が22.8%、 さらには『空き家として放置』(11.7%)、『放置』(3.5%)という"放置"という意図が入った回答があわせて14%となっていて、 「使わないという意思」が明示された回答割合が3割を超える結果と読み取れます。 今後増加してゆくと考えられる社会全体の高齢化による老々相続のケースでは、 資産承継を受ける側の暮らしの基盤がすでに出来上がっていて使う必然のない承継も起こってくる可能性があります、 「使う、使わない」という意思決定をすることなく何となく放置するという状況は、前回のコラムでも書きましたが家族にとっても社会にとってもあまり好ましいことではないと思います。 使わないという状況に対し郷愁的な思いから何もせず放置するよりは、 売却や活用など「合理的な判断」を下すことができるための情報収集やアドバイザーを周囲に置いておくことの必要性が高まってゆくだろう、結果を読みながらそんなことを考えました。

注目トピックス2 「相続対象の不動産は欲しくない」との回答は2割超

次に注目したのは、不動産を相続する可能性がある人に対して「その不動産を相続する意思があるか」という問いに対する回答です。 『ある』(79.4%)に対して『ない』(20.6%)と実に2割の方が「相続対象の不動産は欲しくない」という考えを持っていることです。 もちろん"これから"のことですし、いざその時になってみないと実際の意思決定において回答のような考えがそのまま反映されるわけではないかもしれません。 ただ、少子化が進む社会において1相続案件の被相続人も少なくなってくると考えられる中で、20%が相続をする意思がないとなれば、 そもそも(家族や社会にとって)相続資産の行方をどうするのが合理的なのかという「新しい問題」が発生しそうです。 もちろん"これから"のことですし、いざその時になってみないと実際の意思決定において回答のような考えがそのまま反映されるわけではないかもしれません。 ただ、少子化が進む社会において1相続案件の被相続人も少なくなってくると考えられる中で、20%が相続をする意思がないとなれば、 そもそも(家族や社会にとって)相続資産の行方をどうするのが合理的なのかという「新しい問題」が発生しそうです。 ところで相続する意思がないという背景を考える際に、参考となる別の調査(「遺贈に関する意識調査」、2017年、日本財団)がありました。 調査結果によれば、60歳以上で相続を経験した方の2割がトラブル、中でも兄弟姉妹間のトラブルを多く経験しているという結果です。 また親世代以上に、子世代が兄弟間のトラブル発生を懸念している、という結果も同調査では示されていて、 資産承継よりもその後の人生における家族間の人間関係を重視していることが伺えます。お金の多寡よりも安定した人間関係を望むということでしょうか。 子世代にとっては親の生前に相続の話を切り出すことは心理的にもはばかられるのだと思います。 ゆえに親世代が自ら自分の資産をきちんと把握し、それをどう扱いたいかを考える機会を作る必要があるということですね。

注目トピックス3 「相続する可能性の不動産をどうするか」わからないが約4割

続いて不動産を相続する可能性がある人に対する質問に、「相続する可能性の不動産はどうする予定」という質問がありました。 複数回答の結果、最も回答割合が高かったのが『わからない』で実に39.2%でした。 「使う、使わない」についてどう考えているかを伺う回答として、 "使う"と考えていると思われる『自分が住む』(33.9%)、『子供が住む』(9.0%)、『賃貸に出す』(14.8%) 、『戸建て賃貸経営』(6.3%)、 『アパマン賃貸経営』(5.3%)、『駐車場経営』(4.8%)、『トランクルーム経営』、『太陽光発電として活用』、『サービス付き高齢者住宅経営』(各1.1%)でした。 一方、"使わない"と考える『売却』(33.9%)、空き家のままにする予定の人(『空き家として管理』(6.9%)、『空き家として放置』(2.1%))という結果でした。 調査リリースでは「収益化を検討する人が6割」、という点にフォーカスされていましたが、 筆者はそれよりも「わからない」という回答が4割近くあることに注目しました。 回答者はそもそも相続をする可能性があるという段階にいる方々ですので、具体的な予定や計画というよりは意向、 あるいはそれに関する情報を持っているかという現状と捉えるという見方をすれば、「わからない」という回答は、 つまり承継をした際に判断する情報がないということで、相続市場における課題を再確認しました。 2番目の注目トピックスの最後にも書きましたが、家族の資産をきちんと把握し、それをどう扱いたいかを考える機会を家族で持つ、という必要を改めて認識しました。

【オススメ記事】
必ずしも相続する必要はない。相続放棄とは?
相続税。遺産を相続できるのはどんな人?どんな割合?
相続税対策としての贈与を上手に活用しよう
相続対策にも有効!等価交換のメリットとは
遺言書があったらどうなる??その効力と扱い時の注意とは
PREV 遊休不動産資産を活かすための新たな活用方法
NEXT 相続対策にも有効!等価交換のメリットとは

関連記事