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本の紹介

『Factory Records: The Complete Graphic Album』

音楽好きの社員が多い弊社ですが、今回はその音楽関係でおすすめなデザイン本を紹介したいと思います。

『Factory Records: The Complete Graphic Album』
1978年イギリスのマンチェスターで設立されたインディーズレコードレーベル「Factory Records」の優れたアートワークをまとめた作品集です。

同レーベルの代表的なアーティストはジョイ・ディヴィジョン、ニューオーダー、ハッピーマンデーズなど、いわゆるマンチェスターサウンド(マッドチェスター)と言われた音楽シーンをつくった人たちのレーベルです。
※マンチェスターサウンドとは簡単に言うと、「ハウス音楽的な4つ打ちビートにドラッグ文化を反映したサイケデリックなロックを融合させたサウンド」と言ったところでしょうか。別のレーベルになりますがストーンローゼスやシャーラタンズ、プライマルスクリームも当時そのシーンの中心的存在として活躍しました。

さて本書の内容ですが、単純に名作となったレコードジャケットを並べただけではなく、レーベルがデザインしたもの、製作したものすべてが網羅されています。ポスターからフライヤー、ロゴ、パッケージ、ステイショナリー、建物にいたるまで、まさにコンプリートな内容です。そしてその全てがクオリティ高く一貫した統一性のもと制作されているところに驚きます(封筒とかカレンダーまでものすごくカッコイイ!)。このあたりはレーベルの専属デザイナー ピーター・サヴィルの功績が大きいのかと思います。
個人的にはピーター・サヴィルの作風がよく出た初期のデザイン(モダンなタイポグラフィや色面図案、ドシンプルで緊張感のあるデザイン)が好きです。構成主義的なグラフィックデザインが好きな方はかなり楽しめる内容だと思います。

ちなみにふとピーター・サヴィルって今どんな仕事しているのかな?と検索してみたら、なんとっ!Adobe社の仕事をされてるんですね(知りませんでした)。しかもCS4のパッケージとかそうだったのか!
http://www.andykinsella.com/2008/09/sexy-new-packaging-for-adobe-cs4/
う~ん、たしかにピーター・サヴィルっぽいデザイン。

話は戻りますが、このレーベルの一番注目すべきところといえば、なんといっても全てのアートワークにカタログ番号が与えられているところでしょう。音楽もののリリースだけでなく、レーベルのロゴから封筒、運営していたクラブ「ハシエンダ」にまで「FAC 000」とナンバーがつけられています。自社から発行されるものは全てこだわって製作していたということでしょうね。2007年にレーベルの立役者トニー・ウィルソンが死去しましたが、彼の棺にもカタログ番号「FAC 501」が付けられたそうです。スゴイこだわり。もちろん本書にも「FAC 461」とナンバリングされています。

今回紹介したFactory Recordsは、同レーベルの歴史を描いたものとして「24 アワー・パーティ・ピープル(FAC 401)」という映画にもなっているので、興味のあるかたは見てみてください。表紙になっている「New Order / Blue Monday」の特殊印刷ジャケットのやりとりなんかも出てきます。

 

『Factory Records: The Complete Graphic Album』
出版社:Chronicle Books(2006/11/30)