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米デル社はなぜ、「ソーシャルメディア・リスニング・コマンドセンター」を設立したのか?

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毎日平均2万2000件以上の投稿をトラッキング

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米デル社では昨年12月、ソーシャルメディア上の顧客の声を収集する「ソーシャルメディア・リスニング・コマンド・センター」を設立した。右の写真は、そのセンターの様子の一部を捉えたものだ。毎日平均で2万2000件以上のデルに関する投稿、ツイッター上での無数のツイートをトラッキングし、そのやり取りを把握。必要に応じてデル製品の問題解決などに組織として力を入れている。

同センター設立の目的は、ソーシャルメディアを活用して顧客とのつながりを深め、着実にビジネスを向上させていくことにある。ソーシャルメディアでのポジティブなコメントや改善策の提案、あるいはサポートを求める消費者の声は、すべてがデルのビジネスに関連することであり、傾聴することが重要であると考えているのだ。

顧客やステークホルダーらによるソーシャルメディア上でのやりとりから得られたデルに関する意見や情報は、トピック、主語、感想、トレンドや地域ごとに集約される。「このようなスケールでのデータ収集とトラッキングは、ソーシャルメディアとコミュニティを活用し、独自の強みを創造したいと考えているデルの継続的かつ、革新的な試みの一端」とデル日本法人の広報部では説明する。

企業の「意思決定」に活用する可能性にも広がり

日本法人でもこのような流れを受け、さまざまな形でツイッターやフェイスブックなどソーシャルメディアを活用し、顧客の声に耳を傾けている。「一方通行の情報発信ではなく、デル製品ユーザーやデルについて興味を持つ方々との双方向の対話の場として活用している」といい、グローバルで「傾聴」を重視した体制づくりに引き続き取り組んでいきたい考えだ。

一般に、日本企業のソーシャルメディアを使った傾聴はまだ、部門やチームレベルでの活用に留まっているケースが多いと考えられる。ところがこのように組織としてソーシャルリスニングに大々的に取り組むことで各事業部門や、さらには経営層の意思決定に活用する可能性が広がっていくのだろう。

「宣伝会議」7月15日号
巻頭特集:『ソーシャルリスニングとは何か? ―― 傾聴から始まる企業戦略』より抜粋