コラム

ネットで人気者(もしかしたら嫌われ者かも)になるネタの生まれ方

田原俊彦から「ロングテールの法則は死んでいない」を学ぶ

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現在30代前半~4,50代前半くらいまでの人々にとってトシちゃんこと田原俊彦(50)は大スターでしたが、ジャニーズ事務所を辞めて以来その名前がメディアに露出することは激減しました。しかし、娘の綾乃美花(17)がミスマガジンの準グランプリになったことなどから、最近再び注目を集めています。

とはいっても、9月25日のヤフー・トピックスには仰天した方も多かったのではないでしょうか。画像の通り、ジャニー喜多川さん(ジャニーズ事務所社長)と田原がエンタメトピックで並んだのです!デイリースポーツのこの記事、見出しは「“トシちゃん節”も体のキレもさく裂」です。

TV番組出演など、以前より見る機会は増えたとはいっても、「なんで今さら田原さんなの…」と思っている方もいるでしょうから、ここでインターネットの特徴から「田原俊彦を紹介すべき理由」をお伝えしましょう。

まず、以前にお伝えした「ヤフトピのアクセスランキングを見る方法」から田原の記事が9月25日に何位だったかを見ると、10位となかなかの高位置につけています。ここは「とりあえず名前は知っているし、“あの人は今”状態だからクリックするよね」という「見出し力」に原因があることでしょう。

ただし、今回語りたいのはそこではありません。もはや死語と化したかもしれぬ「ロングテールの法則」が確実にネット上には存在する、というお話です。

田原俊彦の記事が読めるのは私のサイトだけ!

2006年~2008年ごろ、私が編集をしているニュースサイトのひとつでは、田原に関する記事を相当たくさん出していました。現在はサイトリニューアルをした結果、過去記事を消したので見られませんが、一時期、ネットニュース界隈に出てくる田原記事のほぼ全ては私のサイトにあったと言っても過言ではありません。まさに「○○先生の作品が読めるのは週刊少年ジャンプだけ!」状態です。

周囲の人や、同業者からは「なんでアンタのところは田原の記事ばかりなの?」と言われたものですが、その答えは「ロングテールの法則」が存在していたからにほかなりません。

上地雄輔や小栗旬、EXILEらが絶頂の人気にあった当時、田原の記事を連発するのはスポーツ新聞や雑誌では意味がないことでしょう。しかし、ネットではそれで意味があるのです。ただ、私だって田原好きのライターが初めて田原の記事を書いてきた時は「ン???? なんで今さら田原???」と仰天しました。

しかも内容が「田原俊彦のダンス キレキレで衰えていない」という今回のデイリースポーツのようなネタで、「45のオッサンが本当かよ?」と半信半疑ながらも、とりあえず、彼の書いたコンサートレポート記事を掲載しました。

さほどアクセス数を期待していなかったこの記事ですが、実はアクセス数はかなり良かったのです。その後も田原の記事はベスト10には入らないものの、ベスト20には入るものが続出し、私はネットの一つの法則に気がつくのです。

どんなネタであっても、日本のどこかに待っている人がいる

ライターによると、田原のライブは必ず満員になり、クリスマスディナーショーや田原と行くパリ旅行なども満席になるといいます。こうした熱心な田原ファンが日本にはまだ5000人は最低おり、さらには「けっこう好きなファン」も数万人規模でいるはずです。

となれば、まったく田原に関する記事がネット上にない場合、田原の記事を大量投下する私のサイトはそういった数万人の方々にとっては、「選ばれる対象」となります。さらには、ふとしたきっかけで「田原俊彦」を検索したくなった方も訪れてくれます。

マイナーネタを持つ企業の方々へ、ネットはそれを良しとしてくれますよ

この法則に気付いてからはライターには「容赦なく田原ネタ投下していいよ」と伝え、彼は「田原俊彦の動画 YouTubeで話題」「田原俊彦の人生相談が面白過ぎる」や「田原俊彦ライブがアツい!群馬燃ゆ」といった記事を調子に乗ってどんどん書いていきました。

最終的には「沢尻エリカと田原俊彦で『二人のビッグショー復活か!?』」という記事が出ました。これは当時「別に…」発言により「態度がデカい」と物議を醸した沢尻エリカと「ビッグ発言」で知られる田原を共演させると話題になるだろう、と書いたオピニオン記事です。さすがにこのときはネット上で、「アホかwwww」とバカにされたものです。

というわけで、企業の皆さんは自社の扱っている商品・サービスが「あまりにもニッチなのでは…」「こんなマイナーものに興味持たれるだろうか…」「ウェブにアップして意味あるのか…」と心配されるかもしれませんが、どこかにあなたの会社のネタを待っている人はいます。その待っている人を根こそぎ取るためにも、ウェブサイトにアップする情報はライバルよりも、相当充実させておいた方が良いでしょう。

で、私自身が今後田原をどう捉えるか、という話になりますが、娘のこともあり、多分ほかのニュースサイトも彼のことをそれなりに取り上げると予想されます。ですから、むしろヨッちゃんこと野村義男の方がこれからは「待っている人」にアクセスしてもらえるのではないかと考え中です。

中川淳一郎「ネットで人気ものになるネタの生まれ方!」バックナンバー

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