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コラム

良いコピーをどうやって書くか、ということより先に知っておかないといけない話。

コピーを書いてお金をもらいましょう。

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小霜和也(クリエイティブコンサルタント/クリエイティブディレクター)

キャッチコピー、キャッチコピーって言うじゃないですか。
広告コピー=キャッチコピー、と思っている人はたくさんいるでしょう。
でも、キャッチコピーでお金もらえないですよ。
キャッチコピーいくらうまくなっても、コピーライターとしてあんまり意味ないと思います。

「つかむ」からキャッチというわけですが、
興味をつかむのはもうテクノロジーがやる時代です。
僕は干し貝柱が好物なので、「干し貝柱」って書いてあるだけで、
オッ、とそれを見ちゃいます。

「干し貝柱を…」
「オッ」
「買ってきましたダイハツムーヴで」
「軽自動車の広告かよ!」

という広告配信もできちゃうわけです、テクノロジーで。
そうなると、キャッチコピー職人の出番などないわけですよ。

ただ、テクノロジーだけじゃどうもダメっぽい、
ということも業界全体でだんだんわかって来始めた。

テクノロジーにどんな商品価値を乗せるかが重要で、どうもそこがスカスカだよねと。
つまりさっきの例で言うと、「で、なんでおれがムーヴなのよ」ってところ。
つかまえるのはいいが、価値をどう示すのか。
そこをやる人がいない。

いや待て、いるじゃない、コピーライターという人たちが。

ところが、若いコピーライターに、商品の定義とか、価値を表現するコピー(タグラインなど)を書かせてみると、これがメタメタに書けない。
その前に、発注主の課題がわからない。

トヨタがいま「もっとよくしよう。」というキャンペーンをやってるけど、
このコピー、どうですか。

特にレトリックもないし、「まんまじゃん」と思った人も多いでしょう。
僕はこの仕事に何の関わりもないけども、
トヨタがこういうことを言いたい気持ちはなんとなくわかります。

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