コラム

アンバサダー視点のススメ

丸亀製麺 好調の秘密は「ファストフードの効率化とは真逆の発想」

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ハッシュタグを使い、みんなに楽しんでもらう

藤崎:最近話題のインスタグラムが盛り上がっているということですが。

大洞:はい。試食部がきっかけになって、ちょっとしたInstagramのハッシュタグ祭りのようなものが盛り上がりました。ビジュアル的にもインパクトがあったのが、2016年の季節限定「春のあさりうどん」という新商品企画です。

藤崎:私も食べましたが、すごい量のあさりでしたよね。ああいう、うどんは人生初でした。

大洞:はい。1杯に250グラムのあさりが乗っているのですが、「そんな入ってるの!?」というくらい入っていますので、見た目のインパクトがすごいんです(笑)。

この商品で伝えたいことは、「あさりがたくさん入ってる!」ということに尽きます。それを言葉で「あさりがどっさり」とか「いっぱい」とか書くこともできますが、もっと感覚的に伝える方法はないかと考えた結果、「あさりを数えてみましょう」という企画になりました。

その時に決めたハッシュダグが「#あさりカウント」です。

第1回目の試食会では試食部のみなさんに、あさりを数えてもらい、「#あさりカウント」をつけて写真を投稿して頂きました。その際、1杯あたりのあさりのグラム数は平等ですので、「あさりの数が少なかった人は大きいあさりが入っていて、多かった人は小粒だったのかも」という内容まで、みなさん投稿して頂けました。

藤崎:なぜ入っているあさりの数が違うのか、というのは素朴な疑問です。アンバサダー方々にきちんと説明して理解してもらったからこそ、「あさりがたくさん入っている」という商品のアピールポイントと一緒に、「あさりを数ではなくグラム数で測って提供している」という、ブランドとして伝えたいことも彼らの言葉で情報発信してもらえたというわけですね。

大洞:すごくいい流れがその時にできました。それに味をしめまして、その後、ハッシュタグの活用はシリーズ化して現在に至ります。

藤崎:ところで以前もハッシュタグの活用をされていましたよね。

大洞:はい。2015年に、肉ごぼうと大根おろしをトッピングする「鬼おろし肉ぶっかけ」という新商品の時が印象深いです。肉ごぼうと大根おろしが、うどんとは別のお皿についてくるのですが、「鬼おろしと肉を高く盛れ!」とPOPに記載をしたところ、本当に、「#鬼おろし肉ぶっかけ」とハッシュタグをつけて、うどんの上に山のように高く積んだ方々がいてびっくりしました。それもすごく評判でした。

藤崎:ファンの方は素直ですよね。純粋に楽しんでくれるわけですよね。

大洞:そうなんです。今になって考えてみると、当時はInstagramがちょうど流行し始めた時期でした。Instagramを始めてみたけれど、正直Instagramのどこが楽しいのかよくわからないという方も多かったんじゃないかと思うんです。

そういう時に、こういう企画にピンとくる方が多かったんだと思います。きっとみなさん、「なるほどこういうハッシュタグをつけて楽しむのか」と思ったのではないでしょうか。みなさん、思った以上に素直に実行してくださって感謝しています。

藤崎:商品名や商品特徴をうまく「ハッシュタグ化」できると、みんなが盛り上がれるという好例ですね。もちろん拡散効果も期待できますし。こういう流れは、ひと昔前では考えられなかったプロモーションですよね。

大洞:お客さまはお腹が減ってお店に来てくれていると思うので、すぐに食べたいのが普通だと思うのですが、わざわざ手間暇かけて写真を撮ってくださるなんて、私たちとしては本当にうれしいです。

大洞:最近のハッシュタグの活用では「#鴨ねぎカモン」とかダジャレを入れたものも、みなさんに楽しんで頂けました(笑)。

藤崎:お客さんがブランドと一緒に楽しめる感じがいいですよね。こうした呼びかけはファンの身になると企業を近く感じることができます。ハッシュタグの周知は、どこで行なっているのですか?

大洞:お店のテーブルテントで実施しています。細かい説明は入れずにイラストとハッシュタグとInstagramのアイコンだけといったシンプルなものです。

藤崎:テーブルに置いてある卓上の三角POPですね。

大洞:はい。丸亀製麺の場合、お一人さま客も多いので、食べている時に読めるものがあるとつい読んでしまうと思います。

藤崎:確かに三角POPは目立ちますし読みますよね。広告効果は抜群だと思います。

大洞:実はハッシュタグによる副産物があります。食べた人の感想をカウントでき、可視化が可能になったということです。投稿写真があるので絶対にリアルな購入者の声ですし、感想もリアルなものです。写真はご購入頂いたものなので、数をカウントすることでご購入の金額換算もできます。また、ハッシュタグが増えたということは、商品の人気が上がったことだと考えられます。

藤崎:確かにそうですね。ハッシュタグ付きの投稿というのは、よく考えればお客さまからのリアルな感想なので、いわゆるお客様へのアンケート結果がリアルタイムでアップされるような感じですね。

大洞:毎回、ちょっと笑えるようなお題を出さなければということで、悩みのタネではありますが、とても良かったと思える取り組みです。

藤崎:今後もファンが企業と一緒に盛り上がれるハッシュタグ企画を期待しています。

次ページ 「もっとブランディングに取り組みたい」へ続く

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