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デジタルネイティブ層の新規ユーザー獲得に成功! 「SHOPLIST」のTikTok活用術とは?

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ファッション通販サイト「SHOPLIST.com by CROOZ」を運営するCROOZ SHOPLISTは、新規顧客の獲得を目的にTikTokを活用。ターゲットであるF1層ユーザーが多いTikTokとの親和性は高く、ここまで期待通りの成果を上げることができているという。CROOZ SHOPLISTの門口一騎氏と同社の広告運用を担当し、社内に「TikTok LAB」を立ち上げ、研究も行っているSepteni Japanの長嶋佑哉氏、仙波学氏に、TikTok Adsの鈴木瑛氏が「SHOPLIST」のTikTok活用のポイントについて話を聞いた。

左から、CROOZ SHOPLIST マーケティング本部 門口 一騎氏
Septeni Japan メディア本部 プロデューサー 仙波 学氏
Septeni Japan 第二アカウント本部 アカウントプランナー 長嶋 佑哉氏

「TikTok」はクリエイティブをリッチに表現でき、ユーザーが自発的に楽しむプラットフォーム

-通販サイト「SHOPLIST」のマーケティング戦略について教えてください。

CROOZ SHOPLIST 
マーケティング本部
門口 一騎氏

門口(SHOPLIST):当社はファストファッションに特化した通販サイト「SHOPLIST」を展開しています。ターゲットは、サイト内で取り扱うブランドや商品に合わせて設定を変えてはいますが、その多くはF1層が中心です。

そこでプロモーションに関してはF1層が多く利用するメディアを意識して活用してきました。今回、TikTokに出稿することを決めたのも、ターゲットであるF1層にリーチできるとの期待があってのことです。

-「SHOPLIST」の広告プロモーションはどのような方針で行っているのでしょうか。

門口(SHOPLIST):私たちがデジタル広告を使ったプロモーションを行う目的は、基本的に初回購入者を増やすことにあります。そこで、これまではニーズが比較的、顕在化しているユーザーにアプローチできるソーシャルメディア広告やリスティング広告に出稿してきました。しかし今回、TikTokの活用に期待したのは、従来の広告出稿とは趣向を変えた狙いがありました。

具体的には、ユーザーが自発的に楽しむコンテンツアプリであるTikTokであれば「SHOPLIST」をまだ利用していないターゲット層の方たちとも、新たに接点がつくれるのではないか、つまりは潜在顧客との接点づくりを目的に考えていました。

-セプテーニさんは、「SHOPLIST」の広告プロモーションを支援しているそうですね。今回のTikTok活用について、どのような考えがあったのでしょうか。

Septeni Japan
第二アカウント本部 アカウントプランナー
長嶋 佑哉氏

長嶋(Septeni Japan):私たちは主にソーシャルメディアを活用したダイレクトレスポンス(以下DR)施策を推進しています。

TikTokについてはクリエイティブをリッチに表現でき、ユーザーはF1層が中心でかつアクティブ、アプリ滞在時間も長い、という特徴に魅力を感じて提案しました。

-運用面でどのような点を工夫されましたか。

仙波(Septeni Japan):TikTokへの出稿に際しては、クリエイティブにおける運用変数が大きいため、プラットフォームの特徴と直近のユーザーの動きを捉えることを常に意識しています。

例えば、TikTokのプラットフォーム上の「おすすめ」フィードには、おもしろい動画がたくさん流れてくるので、その中でいかに広告に目をとめてもらい、訴求できるかを重視しながら設計しています。具体的には、静止画を高速でスライドさせながら、そこに音楽を乗せて、訴求力を高める工夫などを実行しました。

-ユーザーの注目を集める広告にするうえで、クリエイティブのトライアンドエラーがあったと思います。どんなものが成功しましたか。逆に、うまくいかなかったものに共通点はありましたか。

仙波(Septeni Japan):SHOPLISTで扱うブランドを使った全身コーディネートを見せたり、F1層も関心が高い「プチプラ」などファストファッションならではの価格面のメリットを訴求した動画はCTR、CVR共に高くなりました。

逆に同じようにモデルを起用しても、動画の内容を一般的なTikTokユーザーの投稿に寄せすぎたものは、クリックはされるものの、一般の動画と同じように消費されてしまい、顧客化につながりづらい印象を持ちました。

-他のメディアへの出稿でも定量的な効果検証は行っていると思いますが、他と比較してTikTokの縦型や短時間動画の方が、効果が高いと感じることはありましたか。そもそも、これまでは動画と静止画の活用は、どちらが多かったのでしょうか。

門口(SHOPLIST):動画か静止画で言えば、今は動画に注力しています。ですがこれまでの当社の動画、さらに縦型動画の活用では、ファストファッションのECという特性上、自社のベネフィットである価格や、ブランドや商品をダイレクトに伝えることが中心となり、一足飛びにユーザー化、さらに購入に至るのは難しいという側面がありました。

これまでの縦型動画の活用では獲得伸長に対する成果は上げられていなかったのが実情だった中で、継続的に新規顧客を獲得できているという点で、今回のTikTok活用は、一定の成果を得られたと考えています。

-セプテーニさんは社内組織として「TikTok LAB」も持たれています。そこで得られたクリエイティブに関する知見も今回の施策で生かせたのではないですか。

Septeni Japan
メディア本部 プロデューサー
仙波 学氏

仙波(Septeni Japan):「TikTok LAB」では、私たちが扱ったすべてのクリエイティブをデータベースに集約して、CTR、CVRをベースにスコア化し、プロット図に落とし込んでいます。そこで好調だった表現や要素を抜き出して、掛け合わせたものを提案しています。

先ほどお話したコーディネートを見せながら、価格を訴求する動画もそうした知見から生み出されたもののひとつです。

門口(SHOPLIST):クリエイティブの判断については社内レギュレーションに抵触しないかをチェックするくらいで、基本的にセプテーニさんにお任せしています。顧客獲得目的の広告配信の場合は、解釈ベースよりも定量的な数値から最適化を図ったほうがヒットすることはTikTokに限らず当てはまるのではと考えています。

-私たちもリサーチの結果や広告クリエイティブの効果に関わるデータを発表していきたいと考えています。今回のようなDR的なものも含め、広告利用でもさまざまな形でTikTokを活用いただいているので、CVRの高いクリエイティブはどのようなものか、業界別の成果など、いろいろな軸で評価することに着手しています。
その他に「SHOPLIST」さんのTikTok活用を通じて見えてきたことはありますか。

仙波(Septeni Japan):類似ユーザーへの配信が効果的であるということが明らかになりました。

TikTokのDMPデータをもとに、セプテーニで開発しているAI(機械学習)を活用したデータソリューションツール「Precog(プリコグ)」でアクション予測モデルを構築し、そこから可視化された起動や購入が想定されるインサイトデータをTikTokにリンクさせ展開したところ、初回購入率が2倍〜3倍に上昇しました。

連携前は成果にバラつきがあったのですが、連携後は安定して成果が出るようになっています。

TikTokを活用し、ファネルの上部からアプローチする施策にも挑戦したい

-TikTok活用において、現在、挑戦していることはありますか。

門口(SHOPLIST):当初は定量的な数値から最適化を図っていきましたが、いつか頭打ちになるときがくると考え、今は新規に獲得したユーザーの利用意向も同時に高めることを目指しています。

具体的には利用意向だけでなく、エンゲージメントも高める訴求をセットにして、ユーザーに対してOne to Oneでメッセージを届けることで成果につなげられないかと考えています。

長嶋(Septeni Japan):いつも門口さんと話しているのは、TikTokを使ってより上層のファネルを取りにいけないかということです。具体的な施策の企画はまだこれからですが、ブランド広告とDRの包括的なプロモーション、たとえばテレビCMとハッシュタグチャレンジを組み合わせて認知を拡大することもひとつの方法だと思います。

デジタルネイティブに対してはコミュニケーション設計が重要となるので、現在のTikTok活用によるDRの実績に甘んじることなく、「TikTok LAB」も活用しながら、よりよい活用方法を提供できればと思います。

-「SHOPLIST」におけるTikTok活用は新規の獲得のみを目指すフェーズの次、利用意向も同時に高める施策に挑戦していると伺いました。最後にさらに、その先の活用の展望について伺えますか。

門口(SHOPLIST):今後の展開としては、3つの大きな方向性を考えています。まずは今の延長線上で、反応率の良さを利用意向につなげるためのクリエイティブのブラッシュアップを続けていきます。

2つめは、認知から利用意向につなげる施策です。定量的に把握はできていないものの、TikTokにはまだ多くの潜在的なユーザーがいると考えています。そうした人にSHOPLISTのサービスを伝えるだけでなく、自分ごととして考えてもらうきっかけとなるクリエイティブで、態度変容まで促すことができればと考えています。

3つめは、オーガニックの活用です。今回の施策を通じて、広告のクリエイティブについては、一般的なユーザーの投稿に寄せた形にするのは、他のクリエイティブに比べて効果が出ないという結果になりました。しかし、先ほどのお話にあるように、より上層のファネルを取りに行くという次の施策の観点からは、オーガニックのコンテンツを経由し、より自然な接点もつくっていければと考えているのです。

近年はインフルエンサーを起用した施策も増え、マーケティングでカバーする領域が大きくなっています。広告に限らずオーガニックを通じて、より広くターゲットにリーチするために検討しています。

聞き手
ByteDance
X Design Center_Head of X Design Center
鈴木 瑛氏




お問い合わせ
ByteDance株式会社 X Design Center
E-mail: pr-m@bytedance.com