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コラム

そのイノベーションが、未来社会の当たり前になる。

ウンナナクール塚本昇社長×坂井直樹 ~ブランドの独自性はどうつくる?

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コンセプターの坂井直樹さんが、今起きている社会の変化の中でも、少し先の未来で「スタンダード」となり得そうな出来事、従来の慣習を覆すような新しい価値観を探る対談コラム。今回登場するのは、ワコールグループのインナーウェアブランド・ウンナナクール社長の塚本昇氏です。“女の子の人生を応援する”をブランドミッションに据え、独自路線の下着でファンを集める同社。2017年に実施したリブランディングについてや、女性の生き方の変遷についても語り合います。

左から、坂井直樹氏、塚本昇氏

誰かのためでなく、自分のための「可愛さ」

坂井:「ウンナナクール」はフランス語で「ちょっとカッコイイ女の子」という意味ですが、どういう発想でこのブランドは作られているんですか。

塚本昇氏

塚本:スタートした2001年当時、女性が下着を買う場所と言えば、百貨店や専門店が中心でした。そこには販売員さんがいて、「店に入ったら買わないといけない」ような感じもあって、若い女の子にとって敷居が高かったんです。そこで、もう少し下着と女の子の関係を仲良くしよう、楽しくしようということで、作ったのがウンナナクールです。

坂井:競合となるような近しいブランドはありますか。

塚本:実はあまり意識していません。マーケティングするうえではコンペティターはどこなのか、という話にもちろんなるのですが、先ほどお話しした「下着と女の子の関係を仲良くする」ために、ファッションという切り口でウンナナクールのブランドをとらえて、下着の市場を広げられたらいいなと考えています。

コンペティターを下着ブランドに置いてパイを取り合うのではなく市場を広げていきたい。女性が自分自身のために使うお金とか時間、例えばエステやネイル、アクセサリーといった延長線上で、ウンナナクールに目を向けてもらうことができないか、そういうブランドの作り方をしてます。

坂井:自分のために買う下着ブランドだから、セクシーさよりも、可愛らしさのほうに焦点がいっていますよね。ブランドにおける「可愛らしさ」を改めて定義するとどうなりますか。

塚本:ウンナナクールの中で、象徴的によく出てくるデザインとして、きのこ柄があります。これは、下着のモチーフとしてはあまり使われません。でも、ウンナナクールでは、「きのこが可愛い」と好評です。“誰かのためにきれいになる”とか、“努力するための下着”ではなく、女の子自身が可愛いと思う、素敵だなと思うものをモチーフにしています。