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企業広報大賞にエーザイ 製薬企業への期待に丁寧な広報で応える

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経済広報センターは8月4日、「企業広報賞」の受賞社(者)を発表した。今回で37回目。本賞では毎年、企業広報を実践している企業や経営者、企業広報の実務者を顕彰しており、2021年は「エーザイ」が大賞を受賞した。

大賞はエーザイ、広報の専門性がステークホルダーの理解促進に貢献

同社は、「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」という企業理念のもと、認知症の新薬開発や、患者の介護における社会的コストや病態に関する最新の知見を提供するなど、地道な対話活動を継続しメディアを通して必要な情報を国民に届ける広報活動を展開。また、広報部門に複数の博士号保有者を擁しており、専門的なサイエンス用語について分かりやすく解説。ステークホルダーが製薬企業に求める期待に応え、理解促進を図ったことも評価のポイントとして挙げられた。

顔の見える、積極的なトップ広報に評価

「企業広報経営者賞」には、「石坂産業」の石坂典子代表取締役と「安川電機」の小笠原浩代表取締役社長が選出。

石坂代表は1999年ダイオキシン騒動の渦中、創業者である父から事業を受け継いだ後、約19年にわたり地域社会への真摯な語り掛けを継続し、信頼回復に尽力。工場を公開し、廃棄物処理についての地域の理解促進を図り、保全再生した里山を自然教室として開放し体験型環境教育支援を行うなど、様々な取り組みを通じて地域社会との信頼関係を構築した。

著書や講演、取材、交流の機会をつくるトップ広報にも注力し、「自然と共生する、つぎの暮らしをつくる」をミッションに掲げ、産業廃棄物業が循環型社会を牽引する担い手であるというメッセージを広く社会に発信。産業廃棄物業の社会的意義と新たな価値の創造に貢献したことが評価され、受賞につながった。

小笠原社長は、DX推進への活動に評価。自らが取材対応を行うなどのトップ広報を実行し地域メディアをはじめ全国メディアとの対話活動も積極的に展開。「顔が見える経営者」として社会からの信頼を獲得するだけでなく、社員エンゲージメントの向上にも大いに寄与した点が受賞の理由として挙げられた。

多様性ある飲酒文化を創出したアサヒ、ユニ・チャームは3年連続受賞

「企業広報功労・奨励賞」を受賞したのは、アサヒグループホールディングス理事 コーポレートコミュニケーション広報部門長の田中隆之氏とユニ・チャーム企画本部広報室。

アサヒグループホールディングスの田中氏は13年にわたり、ホームページの刷新やオウンドメディアの強化を図るなど、広報基盤の再構築に貢献。また、お酒の飲み方の多様性を推進する「スマートドリンキング宣言」という大義を戦略的に発信し、企業を超えた新しい飲酒文化を創出。多くのステークホルダーから好評を博し、業界全体の価値向上に尽力した点が評価された。

ユニ・チャーム企画広報室は、2019年の経営者賞、2020年の大賞に続き3年連続での受賞となる。コロナ禍でマスク不足が社会問題となる中、マスク生産工場の公開や供給状況を都度回答するなど、ステークホルダーに安心を提供しようとする姿勢を貫いた。また広報室員自らが正しいマスクの装着方法を扱った動画に出演するなど、時流に沿った画期的な広報を実践した点が評価された。

本賞の選考委員には、朝日新聞東京本社 経済部長の伊藤裕香子氏、読売新聞東京本社 経済部長 是枝智氏、日本経済新聞東京本社 編集 制作報道ユニット経済部長 高橋哲史氏、東洋経済新報社『週刊東洋経済』編集長 西村豪太氏、テレビ東京 報道局ニュースセンター副センター長兼経済部長/『WBS』統括プロデューサー 西村知子氏、毎日新聞東京本社 経済部長 平地修氏、毎日新聞出版『週刊エコノミスト』編集長 藤枝克治氏、シンクタンク・ソフィアバンク 代表 藤沢久美氏が参加している。