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オムニコムもロシア撤退へ 現地広告会社「ネット広告は半減」

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広告世界大手2位の米オムニコムグループは3月17日、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシアから撤退すると発表した。事業売却に向け、現地企業と調整を続けているという。詳細は「間もなく明らかにする」とした。

オムニコムのロシア従業員は約2000人。9日時点では「状況を注視し、米・英・欧の制裁に準拠しながら運営は続ける」と表明していた。傘下のBBDOがロシアの商業銀行「ロスバンク」、DDBがロシア農業銀行を顧客企業としている。

オムニコムの撤退によって、日本の電通グループを含むグローバル広告会社の上位6社はすべてロシアから手を引いた格好。デジタルマーケティングエージェンシー部門を持つIBMやデロイト、PwCもロシア事業撤退や傘下からの切り離しを実施している。

電通グループの推計によると、2021年のロシアの広告市場規模は75億米ドル(約8900億円)で、20年比17.5%増。19年比でも11.9%増と拡大していた。22年も、21年比11.2%増を見込んでいた。

新型コロナウイルス感染症の拡大下で、広告市場の成長を支えていたのはオンライン広告だ。米調査会社スタティスタの推計では、2020年のロシアのオンライン広告市場は39億ドル。広告市場全体の半数以上を占めていた。

しかし、グーグルやメタ(旧フェイスブック)、ツイッターなど大手プラットフォーマーが、3月初めからロシアでの広告利用を一時停止。米インタラクティブ広告協会のロシア支部が3月11日に発表した調査では、オンライン広告市場関係者の6割近くが、「ロシアのオンライン広告市場は21年比で26%〜75%縮小する」と回答している。

「事態は長期化、悪化する」とした人も半数近くとなった。現地の広告会社やデジタルプラットフォーマーなどを対象とした調査で、有効回答者数は95人。