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想定を上回るPV・CTRを記録した『BALMUDA Phone』と地域メディアのコラボ施策

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ソフトバンクは、『BALMUDA Phone(バルミューダフォン)』の大阪エリアでのプロモーションにあたり、読売テレビグループのytvメディアデザインが運営するWebメディア『anna(アンナ)』とのコラボレーションで成果を上げた。タイアップ記事は、PV数・CTR・滞在時間など各指標で水準を大幅に上回る数値を記録。その成功要因、コラボ施策から派生した意外な企画とは。

(左から)ソフトバンク・モバイル事業推進本部 パートナービジネス統括部の水野上花氏、ytvメディアデザイン・メディアDiv.の小林加奈氏

大阪エリアの販促施策を模索

2021年11月に発売された『BALMUDA Phone』。国内の通信事業者で唯一販売契約を結ぶソフトバンクは、注目を集める新商品の販売促進アイデアを求めて、宣伝会議が運営する「日本のメディア」のオファーサービスを利用した。複数社のメディアからの提案を受け、今回ytvメディアデザインが運営するWebメディア『anna(アンナ)』の施策が選ばれた。

ソフトバンク・モバイル事業推進本部 パートナービジネス統括部の水野上花氏は、「『BALMUDA Phone』はバルミューダ初のスマートフォンで、曲線のみで構成された外形デザインや独自アプリなど、既存のスマートフォンとは一線を画しています。そのため、販売促進について前例がなく、最適な施策を模索していました」と当時の状況を説明する。

曲線のみで構成された外形の BALMUDA Phone

「大阪エリアにおけるプロモーション拡充が課題でした。東京には体感型の旗艦店がある一方、大阪エリアはコロナ禍の影響により集客をともなうイベント開催が困難だったことから、手薄な状況を打開する施策づくりが急務でした」(水野上氏)

『BALMUDA Phone』のターゲットはトレンドに敏感なイノベーター・アーリーアダプター。特に、生活水準が高くファッション感度にも優れた女性層だ。ターゲットの琴線に触れ、認知拡大から販売店舗への来店・購入につながる施策を必要とするソフトバンクに、課題解決のパートナーとして複数メディアの中から選ばれたのがytvメディアデザイン(本社・東京都港区)だった。

地域メディアとタイアップ

ytvメディアデザインが提案したのは、同社が運営するWebメディア『anna(アンナ)』を活用したプロモーション企画。関西エリアに暮らす女性が主な読者で、ファッションやビューティー情報のほか、関西周辺のグルメやおでかけ情報が充実している。ytvメディアデザインが関西の準キー局である読売テレビのグループ会社であり、地域に強固なネットワークを持つことも強みだ。

メディアDiv.の小林加奈氏は「『anna』は20歳代~40歳代の女性がメインユーザーで、ファッションに興味関心を持ち、情報感度が高い点が特徴です。『BALMUDA Phone』のターゲットと合致する要素が多く、ソフトバンク様が期待する効果を生み出せると考えました」と話す。

実施したのは、『BALMUDA Phone』のデザイン性や機能性を紹介するタイアップ記事を中心とするWeb企画。annaユーザーのみならず、『anna』に掲出したタイアップ記事を軸に、リーチ獲得を図るためLINEやInstagramなどの広告ブーストも活用した。施策の成否を左右するのは、タイアップ記事。小林氏は、『anna』で活躍する各ジャンルのスペシャリスト『annaアンバサダー』の中から、料理家とアクセサリーデザイナーをアサインし、料理とファッションの切り口からタイアップ記事を2本制作した。

「『annaアンバサダー』は大阪エリアのターゲット層にとって憧れの存在であり、求心力は抜群です。料理記事は、料理を色味良く撮影できるカメラ機能や、スワイプするだけで起動するタイマー機能などにフィーチャーしました。商品スペックを取り上げつつ、思わず作りたくなる“映えレシピ”を盛り込んだ点がポイントです。ファッション記事では、アクセサリーデザイナーの日常を舞台に、小さなバッグにも収まるコンパクトなデザインや、仕事の効率化に欠かせないスケジュール機能を、スタイリッシュな画像とともに紹介しました」(小林氏)

『BALMUDA Phone』のデザイン性と機能性を、料理・ファッションそれぞれの切り口から訴求したタイアップ記事。映えレシピ紹介やスタイリッシュなスナップ画像など、テーマを際立たせる記事構成が特徴だ。

タイアップ記事の滞在時間はサイト平均の2.4倍

『BALMUDA Phone』が発売されて間もなく、料理記事は2021年12月、ファッション記事は2022年1月に公開された。公開から1カ月間の動向を計測した結果、両記事ともに30,000を超えるPV数を記録。想定比約168%となる驚異的な数値となり、外部ブーストだけでなく、記事タイアップはannaユーザーも興味関心が高く、anna内に設置した誘導枠やバナーなどの効果も大きいと小林氏は分析する。

「料理記事の女性比率は、サイト全体平均比で際立って高い122%と、ターゲット層を中心にリーチできました。『BALMUDA Phone』の話題性の高さに加えて、料理やファッションといったターゲット層を惹きつける要素が複合的に機能した結果だと思います。当社としても『anna×商材×外部ブースト』の相乗効果の大きさを再認識することができました」(小林氏)

本施策の有効性は、ターゲットリーチ以降の数値にも表れている。タイアップ記事の滞在時間はサイト全体平均の2.4倍以上で、公式ブランドサイト遷移ボタンをはじめとした遷移先別CTR(クリック率)は約2倍の数値を獲得。ユーザーが離脱せずに記事内容を読み込み、購買行動プロセスをスムーズに進んだ結果について、水野上氏は「読み物としての質が高かったからこそ」と満足を示す。

【図表1 オファーサービスによる成果】

 
「『BALMUDA Phone』の特長を日常風景にさりげなく溶け込ませる秀逸な構成が、広告色を感じさせない自然な仕上がりにつながっていると感じます。ユーザー自身が使用シーンを想像できる具体性のあるタイアップ記事は、常日頃から高感度なユーザー層を惹きつける『anna』編集部の皆さまだからこそ実現できたのではないでしょうか」(水野上氏)

販売意欲を高める派生企画

大阪エリアのおける認知拡大・販売促進として始動した本施策は、後に新たな取り組みへと派生した。ソフトバンクの販売クルーを対象に、『BALMUDA Phone』の理解促進・販売モチベーション向上を目的に実施された『夢企画』では、「妻においしい手料理を食べさせたい」という販売クルーの夢を叶える動画を制作。タイアップ記事で活躍した、予約のなかなか取れない料理教室『SPICEUP』の主宰で料理家でもある桑原亮子さんを講師として起用した動画は、料理番組さながらの本格的な仕上がりだ。

普段料理をしない、販売クルーの姫野トーマス興一氏(左)が妻にお弁当をはじめて作った。


「その名のとおり、販売クルーに非日常体験を味わってもらう楽しい企画でありながら、動画閲覧を通じて商品理解が深まるよう、タイマー機能やレシピを記したメモアプリ、さらには動画撮影も『BALMUDA Phone』で行いました。本動画を社内コミュニケーションツールで公開したところ、おかげさまで販売クルー全体の理解促進・販売意欲向上につながり、『BALMUDA Phone』の市場浸透スピードは一層加速しました。大阪エリアのプロモーションにとどまらず、社内向けアイデアの起点や料理家さんとの縁をつくってくださったytvメディアデザインさんにはとても感謝しています」(水野上氏)

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