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消費者向けEC市場、20兆円超え 食品などコロナで伸長

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2021年のB to C向けeコマース市場規模は、前年比7.4%増の20兆6950億円で、初めて20兆円の大台に乗った。物販系が同比8.6%増、デジタル系が12.4%増と、市場拡大をけん引した。サービス系は1.3%増だった。19年比でも6.9%増で、物販系とデジタル系は19年を超えた。20年は新型コロナウイルス感染症の拡大で外出が抑制され、旅行や外食が縮小。19年を下回っていた。経済産業省が8月12日に発表した。

物販系は、「食品、飲料、酒類」が前年比14.1%増の2兆5199億円、「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」が同比4.7%増の2兆4584億円、「衣類・服装雑貨等」が同比9.4%増の2兆4279億円、「生活雑貨、家具、インテリア」が同比6.7%増の2兆2752億円となった。いずれも20年に2兆円を超えた。

「食品、飲料、酒類」はコロナ禍を契機にEC化が進んだ。消費者の平均年間支出では、2021年は67万4416円で19年比3.9%増。飲食料品小売業の2021年1〜12月の販売額は45兆3280億円で、19年の45兆3620億円からわずかに減少したが、ECでは19年比38.2%増と大幅に拡大している。外出抑制で、外食から家庭内での飲食に移行した上、ECでの食品購入が進んだとみられる。

「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」は19年比34.8%増で、大幅に伸ばした。21年の平均年間支出は6万5053円で、19年比13.5%増。リモートワークに必要な機器の購入や、自宅で過ごす時間が長くなり、家電やAV機器の買い替えが進んだ。21年の家電大型専門店の販売額は4兆6867億万円の19年比3.1%増で、ECでの伸長率が全体より高く推移している。

平均年間支出が減少したのは「化粧品等」で、21年は19年比2.2%減の4万7656円だった。「医薬品等」は19年比4.0%増の6万7131円で支出額が上昇。21年の医薬品・化粧品小売業は15兆260億円で19年の10兆5380億円から急伸、物販系ECにでも「化粧品、医薬品」は19年比29.4%増の8552億円と伸ばしたが、マスクや消毒液など衛生関連用品の購入が大きいとみられる。ドラッグストアでは化粧品・小物の販売額が19年の1兆83億円から、21年は9057億円と1000億円減少した。

サービス系では、「金融」が前年比6.5%増の7122億円で、2019年よりも上回った。20年から独立項目となった「フードデリバリー」は、同比37.5%増の4794億円となった。サービス系はコロナ禍の影響が大きく、「旅行」が同比9.6%減の1兆4003億円で、19年比では64.1%減と3分の1近くに落ち込んだまま。「飲食」は20年比17.4%減の4938億円で、19年比では32.3%減。「チケット販売」は20年比67.0%増と回復したが、19年比では42.5%減とコロナ禍前が遠い。

デジタル系は、同分野の6割近くを占める「オンラインゲーム」が20年比7.8%増、19年比15.9%増で伸長し、1兆6127億円となった。有料動画配信は20年比18.5%増の3791億円、有料音楽配信は同比14.3%増の895億円だった。物販系の「書籍、映像・音楽ソフト」は20年比7.9%増の1兆7518億円。在宅時間が長くなったことを受けた、いわゆる「巣ごもり消費」が伺える。