※インタビュー内容、役職、所属は取材当時(2024年6月)のものです。
商品企画を志望するも、まさかの人事部門へ
――新卒で食品メーカーに入社した理由は何ですか。
パンが大好きで、子どもの頃からパンに関するアイデアをいつもノートに書き留めていました。そして、高校生のとき「こんなパンが食べたい」というパンの企画書をつくり、食品メーカーに送ったんです。
すると、会社から「深尾さんのアイデアを商品化したい」と連絡が。そして名古屋の本社に行き、意見を述べる貴重な経験をさせてもらったのです。これが私のキャリアの原点となりました。
そのときの企画は実際に商品化されました。消費者から「おいしい」という感想をいただいていると会社の方に聞いて、すごく嬉しくて。「食を通じて、たくさんの人を幸せにしたい」という気持ちが芽生えました。そして、大学卒業後は食品メーカーに入ろうと思い、学生時代からご縁をいただいていたこの会社への入社を決めました。
日本特殊陶業 グローバル戦略本部 コーポレートコミュニケーション室長
深尾奈美(ふかお・なみ)氏
大学卒業後、食品メーカーで人事、商品開発を担当。人材紹介会社でキャリアコンサルタントを経験したのち、2007年より機器メーカーの採用・教育を担当。2013年よりIT企業で人事企画グループマネージャーを務め、MBAを取得。2019年に日本特殊陶業に入社し、教育・採用責任者に。2022年より広報部門の強化を目的として、現職に就任。20人ほどのチームを率いている。
――ただ配属は商品企画でなく人事部門でした。
はい。入社前は商品企画か広報を希望していましたが、実際には、人事部門へ配属になりました。実は大学4年のとき、後輩の就活を支援する学生団体を立ち上げ、学生と会社や社会人をつなぐイベントを企画運営していました。それを社員の方が知り、「深尾さんは就活や学生のニーズに詳しいから、人事に向いている」と言われ、入社後は人事に配属された形です。
会社からそう言ってもらえるのは光栄なことだと、頭で理解はできても、本心では正直がっかりしました。実際に人事に従事してみると、非常にやりがいは感じましたが、商品企画の夢も捨てきれず。2年後、「私に商品企画の仕事をするチャンスをください」と会社に直談判しました。