タナベコンサルティングは、全国の490社の企業経営者、役員、経営幹部、経営企画部責任者・担当者などを対象に「2024年度 長期ビジョン・中期経営計画に関する企業アンケート調査」を実施した。調査期間は 2024年9月17日~10月7日。
上場企業の半数以上が長期ビジョン構築
長期ビジョン(2030年以降)の構築状況に関する質問では、構築している企業が全体の35.7%、構築していない企業が64.3%となった。
企業を上場企業と非上場企業に分けて長期ビジョンの構築状況をみると、構築してる上場企業は56.4%と半数以上であり、それに対して非上場企業は27.4%という結果になった。
長期ビジョン構築の目的については、88.0%の企業が「企業の将来における戦略的方向性を定める基盤とするため」と回答。
次いで「社員の一体感・モチベーションを向上させるため」という回答が65.1%、また「長期経営計画と連動するビジョンの構築により、収益・財務構造の変革を促すため」という回答が61.1%となり、両者とも昨年から10ポイント以上の増加がみられた。
中計の策定、上場企業と非上場企業で差
長期ビジョンとあわせて、パーパス、ミッション、ビジョン、バリューの策定および見直しを行ったかを聞く質問では、上場企業で見直しを行った企業は45.5%、非上場企業では36.0%であった。
また、中期経営計画の策定状況についての質問では、上場企業は9割以上が中期経営計画を策定。非上場企業では策定している企業は69.1%となり、結果に開きが見られた。
中期経営計画を「策定していない」と回答した企業に対して、策定していない理由を調査すると、最も多い理由は「今まで策定したことがないため」(32.8%)という慣習によるもので、次いで「策定する組織・メンバーが社内に存在しないため」と「時間的な余裕がないため」がそれぞれ24.1%を占めた。
「策定する組織・メンバーが社内に存在しないため」という回答の割合は前回の調査結果と比較して半減しており、多くの企業が策定できる人材の獲得に動いたことが推察される。