ビジネスパーソンの生成AI利用、どこまで進んだ? インテージが調査結果公開

インテージは1月17日、生成AIの利用実態に関する調査の結果を公開した。本調査は、メディアログデータ・生活者アンケート・ビジネスパーソンアンケートに基づく複合的調査として実施されたもの。

インテージによると、一般生活者全体における私用PCのWebブラウザを通じた生成AIサービスの月間利用率は、2024年9月時点で、8.6%。利用率は2022年11月のChatGPT登場直後から利用率は上昇を始め、2023年春に5%を越えた。その後約1年は伸び悩んだが、2024年4月から再び上昇に転じ、以降は利用率を伸ばし続けていることがわかった。

一方、学生だけに絞った利用率では、最初期から一般生活者全体と比較して高い水準で推移。2024年7月には26.7%に達した。特にテストやレポートの時期(1月・7月)に増加し、長期休暇期間(3月・9月)に下がる傾向が顕著に見られている。

学業と関連して生成AIサービスを活用している様子が見られる一方で、利用が減少している2024年9月でも利用率が19.1%で前年同月差+8.8ポイントの結果に。インテージは、学業以外の日常生活でも利用が増えていると分析している。

図表1「生成AIサービス利用率」。

図表2「生成AIユーザーボリューム」。

全体の利用目的は?

生成AIの利用経験者に対し複数回答で利用目的を聴取したところ、一般的生活者全体では「文章の作成・改善」「情報収集のサポート」「翻訳」「文章の要約」の4項目での活用が特に多くなった(図表3)。学生と比較すると、「文章の作成・改善」「翻訳」「文章の要約」では学生の利用が多い結果となった。図表1と同様に、学業関連目的に対して生成AIを活用していると考えられるとしている。

図表3「生成AIを利用した目的」。

ビジネスパーソンの生成AI利用実態

また、同調査ではビジネスパーソン2万人を対象に、生成AIのビジネスへの活用状況に関する調査も実施。現在の生成AIの導入状況について活用・導入・導入検討・非検討の4段階で聴取した結果をまとめた(図表4)。

図表4「生成AIの導入状況」。

その結果、いずれのセグメントにおいても活用ができているという回答は5%に満たず、6割以上が「導入の予定もない」と回答。このことから、日常生活と同様に、ビジネスシーンでも生成AIの利用は限定的であると見られるまた、その差はわずかだが、「会社・組織全体」「所属部署」「個人の業務」の順に導入の進行度が高いことから、現状ではビジネスパーソン個人の主導よりも組織全体からの働きかけによって導入を進めている様子もうかがえるとしている。

さらに全体的な傾向として、生成AIを利用するビジネスパーソンは、勤務先の従業員規模が大きいことも明らかになった。また職位が高いほど生成AIの導入を進めており、特に従業員規模が大きくなると職位間の差が顕著になることが確認された。

図表5「従業員規模×職位別 生成AIの導入状況」。

職位間の比較においては、今後の生成AIに関する展望についても異なる特徴が見られている。生成AIを導入しているビジネスパーソンに対し「あなたの業務が今後どれだけ生成AIに置き換えられると思うか」をたずねたところ、置換度合を「大・極大」と予想する回答は少数にとどまった(図表6)。

一方で、「極小」と予想したビジネスパーソンの割合は職位が高いほど大きく減少。紺結果からインテージは、職位の高いビジネスパーソンでは、生成AIの能力や将来性を深く理解し、自身の意思決定をサポートするツールとして有効活用できる可能性を認識していることが、背景にあると考えているという。

図表6「今後の生成AIの業務置換度予想」。

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