記者側への批判や、フジテレビ側に理解を示す声も
フジテレビが1月17日に行った初回の記者会見では、来場者を制限したり、映像配信を禁止したりするなどの対応の不備が指摘され、批判を受けた。10時間以上にわたって行われた27日の再会見でもその評価を覆すには至らず、課題を残す結果となった。フジテレビの広報対応にはどのような問題があったのか。会場に足を運んだ記者の声を聞いた。
400人以上の報道関係者が参加した1月27日のフジテレビ会見
ある全国紙の記者は、再会見の印象について「会見の設定でもっと工夫できたのではないか」と述べ、フジテレビ側の段取りに疑問を呈した。17日の会見は記者クラブ所属の大手メディアのみが出席できたことから、「定例会見を拡大した形だった」と表現し、「その段階で粛々と説明していれば、ここまで批判を招くことはなかった」と指摘した。
記者の質問に対し、「第三者委員会の調査待ち」や「精査中」といった理由で具体的な回答を避ける場面が多かった点については、「不誠実に見えるのは間違いないが、調査が始まったばかりで言えることが限られていた」と、フジテレビ側の事情にも理解を示した。その上で、「説明責任は一定程度果たされていた」とも語った。
一方で、「記者側も途中で無秩序になった」と述べ、会見に臨んだメディア側の姿勢にも疑問を投げかけた。「フリーランスの記者は言いよどむことなく発言できる点や、より踏み込んだ質問ができ、会見にとって必要な存在だと思う」と評価する一方で、「後半はすでに出た質問が繰り返されていた。何を聞きたいのかというよりも、各記者がそれぞれ言いたいことを言っていただけで、一体感がなかった」と振り返った。