2月17日、東京・渋谷と大阪・梅田に、こんなキャッチフレーズの広告が掲出された。
「歌い放題!覚醒し放題!カラオケルームD.N.A」
「本能に訴えかける旨さ!D.N.Aバーガー」
「自分史上、最高の自分へ。D.N.Aエレガンス」
「人生を変える旅。D.N.Aツアー」
「Brilliance without Jewely D.N.Aリング」
――業種が全く異なるこれらの広告に共通しているのは「D.N.A」というワードだ。
実はこれ、2月18日にファーストアルバム『D.N.A』をユニバーサルミュージックから発売したアイドルグループ Aぇ! groupの発売告知広告。アルバム名『D.N.A』に合わせて、メンバーのD.N.A(好きなもの)をテーマに、架空の広告を制作したのだ。
Aぇ! groupは、この広告に先立ち、2月8日から東京・東急線と大阪・御堂筋線で電車ジャックも実施。こちらはXでファンから身の回りのAに見える写真を募集。それを中づり広告などに制作し、「僕らAぇ! groupです」というキャッチフレーズと共に展開した。
「Aぇ! groupデビュー後初のアルバム『D.N.A』をより多くの方に聴いてもらう・知ってもらうことはもちろん、関西出身のグループとして、他のアイドルグループやアーティストには真似できない遊び心のある施策で話題にしたいというお話をいただきました」と、企画担当者は語る。
Aぇ! groupは、2024年5月にCDデビュー。デビューからまだ1年も経っていないこともあり、楽曲やアルバムをストレートに広告するのではなく、アルバムの要素を絡めながら、Aぇ! groupというグループ名と同時に、遊び心のあるおもしろいグループであることを、一人でも多くの人に知ってもらうことをゴールにしたという。
そこで進めた企画が、前述の2つのキャンペーンだ。
電車ジャックとして実施した「#Aに見える説」キャンペーンは、アルバム『D.N.A』に収録された曲「Hello」のMVの中で、街中に隠れた「A」を探すというシーンに連動している。1月末までにファンから募集した「A」に見えるもので広告を制作。発売日である18日には、その集大成として、さっぽろテレビ塔(北海道)・東京タワー(東京)・中部電力 MIRAI TOWER(愛知)・神戸ポートタワー(兵庫)・福岡タワー(福岡)の5つのタワーをメンバーカラーに染める“タワージャック”を実施した。
そして、翌18日から実施したのが、架空の商品や企業のパロディ広告だ。より多くの人にグループの存在とアルバムを知ってもらうために、アルバムを直接的に広告するのではなく、よく街で見る広告に擬態した広告として掲出したのである。
「アルバムのテーマが『D.N.A』だったので、メンバーのDNA=趣味・好きなものをテーマにしたのと、広告を目にした人が見入ってしまうように、本当に実在するかのような本気の架空広告を作りました。細かいところには、ファンの方だけがわかるネタ(例:よし子のデュエット機能など)もまぶしています」
公開直後から、Xでは広告やキャンペーンの内容がトレンド入りに。特に電車ジャック広告は、ジャックしている電車を探して見つけて乗ったという投稿が多かったという。
「何より『Aぇ! groupらしいアイデアで面白い』といった声が多かったのが嬉しかったです」
『D.N.A』は、2月17日付の「オリコンデイリー アルバムランキング」で初登場1位を獲得している。
