ワインという究極のImmersive。ワインを極限まで楽しむ東京のレストランやワインバー3選

モノの機能性だけでなくコトの体験価値が、マーケティング戦略上、ますます重要度を増している時代。マーケター、クリエイターは常に新しく魅力的な体験を探しています。

 

そんな魅力的な体験をいち早く経験できるのが、東京のレストランシーン。本記事は「エクスペリエンス・プロデューサー」の肩書で活動する、ミリモルホールディングス代表取締役の河野貴伸氏が、いま、体験すべき!とお勧めする、マーケター・クリエイターの感性を刺激する、レストランやバーを紹介する連載企画です。

 

店舗やメニューの紹介、そのお店の「エクスペリエンス」の何に、マーケター・クリエイターが学ぶべきポイントがあるのか、魅力を解説いただきました。

世には数多の美味しいレストランやバーがある。特に東京は、世界中のワインが一堂に集まる、まさにワイン好きにとっては天国のような街と言えるだろう。とはいえ、日頃クリエイティブな刺激や新しい体験を追い求めがちな我々マーケティングや広告業界の人間にとっては、「ただ美味しいワインが飲めるだけ」ではどこか物足りない瞬間があるのではないだろうか。五感を揺さぶるような驚きや感動、そして“ワインという究極のエクスペリエンス”を存分に味わえる場所が欲しくなる。

世には「ワインは単なるお酒ではなく、旅そのものだ」という言葉があるように思う。実際、グラスを傾ければ、その液体は異国の風景や作り手の人生観、歴史の香りを一気に運んでくる。特に私たちのように日々マーケティングや広告、クリエイティブの現場で新しい刺激を求める者にとっては、ワインほど奥深く、そして想像力をかきたてる存在はそう多くないだろう。

本稿では、「ワインという究極のImmersive。ワインを極限まで楽しむ東京のレストラン、バー」をテーマに、私自身が心揺さぶられた3軒を紹介したい。いずれも、ただ美味しいだけでは終わらない“体験”が待ち受けている場所だ。グラスの向こうに広がる無限のストーリーを感じながら、一つひとつの香りと味わいを全身で堪能してほしい。

店舗紹介

ワイナリーのダイニングに招かれたような温もりと躍動感

AVIS de VIN FORT(アヴィドヴァンフォール/青山一丁目)

写真 AVIS de VIN FORT(アヴィドヴァンフォール/青山一丁目)

写真 AVIS de VIN FORT(アヴィドヴァンフォール/青山一丁目)料理

写真 AVIS de VIN FORT(アヴィドヴァンフォール/青山一丁目)料理

千葉県産花悠仔豚のコチニージョ

青山一丁目駅からほど近い路地を抜けると、まるでワイナリーのダイニングに迷い込んだかのような空間が現れる。オープンキッチンを囲むように据えられた巨大なテーブルには、12人がゆったりと座れるだけの余裕があり、そこにはいい意味での“ざわめき”が常に満ちている。ワイナリーのパーティにでも招かれたような、そんな開放的な高揚感を抱いて席に落ち着いた瞬間、思わず心がほどけていくのを感じた。

イタリア、フランスを中心に、約200のワイン生産者から自社輸入する約2500種類のワインの品揃えは膨大で、常時80銘柄ほどの“ベストコンディション”のワインが目を覚ましているという。何を選ぶか迷うときは、気さくなソムリエ・田村理宏さんに相談してみるのが一番だ。彼の醸し出す温かな雰囲気は、ワイン初心者にもハードルの低いアプローチを提示してくれる。

料理はフレンチ出身の井原摩耶シェフ、イタリアン出身の瀧本貴士シェフのダブル体制。どの皿をとっても、その都度「さてこのワインと合わせたらどうなるだろう?」と想像が膨らむ。まるで生産者のホームパーティに潜り込んだかのような一体感が、ここにしかない“体験”を作り出しているのだ。

平日の夜も、仕事がわりにタパスをつまみながら軽い泡で乾杯するグループがいるかと思えば、奥では分厚いステーキとグランヴァンを開けようとしているカップルがいる。誰もが自然に自分の好きなワインスタイルを楽しめる――その柔軟な寛容さが、この店が放つ最大の魅力かもしれない。

★Information★

●住所:東京都港区南青山2-5-7バイオフィリアプレイス南青山1F
●電話番号:070-3269-4509
●営業時間:18:00〜22:00(L.O. 21:00)
●定休日:土日祝
●メニュー
ディナー アラカルト(随時メニューの変更あり、サービス料別途10%)
・千葉県産花悠仔豚のコチニージョ 4500円
・フレッシュマッシュルームとパルミジャーノ 1500円
・ツナとレモンパスタ 3000円 など
●ドリンク:ワインインポータTerravert輸入ワイン約100種類を取り揃える

次のページ
1 2 3
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ