2025年2月、大きなCM出演を相次いで発表したグループがいる。グループの名前はXG。2月10日にマクドナルドのCMで初のテレビCM出演を果たすと、そのおよそ2週間後、2月28日には資生堂が展開するサンブランド「アネッサ」の新ミューズへの就任を発表した。彼女たちになぜ、いま広告主からのオファーが集まっているのだろうか。
日本マクドナルドのCMにてテレビCMに初出演を果たしたXGメンバーのキービジュアル。XGメンバーの後ろには宇宙人の「ALPHAZ(XGのファンの通称名)」も映る。
XGは、2022年3月にデビューの7名のガールズグループ
XGは、2022年3月にデビューを果たしたHIPHOP / R&Bガールズグループ。JURIN、CHISA、HINATA、HARVEY、JURIA、MAYA、COCONAの計7名で構成される。グループ名である「XG」は「Xtraordinary Girls」を表し、常識にとらわれない規格外なスタイルの音楽やパフォーマンスを通じて、世界中のさまざまな境遇の人たちをエンパワーしていくビジョンを示している。
そんな彼女たちは自身のことを「グローバル・グループ」と呼び、自分たちのサウンドをJ-POPでもK-POPでもない「X-POP」と定義する。メンバーは日本人で結成されているが、所属している法人XGALXは韓国法人であり、放送デビューを果たしたのも韓国だ。楽曲の歌詞はすべて英語であり、その人気は日本と韓国にとどまらず、グローバルで人気を集めている。
2024年からは、自身初となるワールドツアー「XG 1st WORLD TOUR “The first HOWL”」を世界約33都市で開催中だ。これに加えて4月にはアメリカ、カリフォルニアで開催されるコーチェラ・バレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバルに参加が決定している。これまでにきゃりーぱみゅぱみゅやPerfume、新しい学校のリーダーズなどが参加したアメリカの大型フェスティバルに、2025年、日本人アーティストとして参加する唯一のアーティストとして名前を連ねている。
アネッサの新ミューズ就任時に伴い披露されたビジュアル。
独特の世界感に共鳴して、企業は広告起用を決断
デビュー以来、活躍しているXGだが、企業の広告の担当者はどこに着目して起用を決めたのだろうか。
日本マクドナルドは、テレビCMに限らず、ライブ配信を通してリアルタイムに推しとともに好きなメニューを食べながら、マクドナルドパーティーをしているような気分を楽しめる新しいコンテンツ、「#リアタイマクパ(リアルタイムマックパーティー)」を開催。若年層にも親和性の高い、「モッパン(アーティストや配信者などが食事している様子を撮影した動画)」に着目して企画された。
「#リアタイマクパ」の様子。マックフライポテトを食べながら、XG のメンバーが様々なトークを繰り広げた。
XGの起用理由について、日本マクドナルドの担当者は、「マクドナルドらしいレストラン体験を、デジタルを通して届ける上で、新しいことが始まる期待感を醸成したかったから」と話す。「今までのマクドナルドでは見たことがない世界を描き、若者をはじめとした日本中のお客様をエンパワーしていきたい」という企画意図とXGのビジョンが共鳴したという。
「#リアタイマクパ」のCMコンセプトはXGが持つ世界観と親和性が高い「GALAXY=銀河」。メンバーが個性的な宇宙人スタイルに身を包み、今回のためだけに用意された宇宙の店舗「マクドナルド GALAXY店」に登場する、大規模な内容となった。また、2月19日から23日にかけて、期間限定のPOP-UP(ポップアップ)イベント、「マクドナルド GALAXY展」を東京・原宿で開催。メンバーの着用衣装などを展示し、世界観を最前線で体験してもらうことをねらった。
資生堂は、アネッサの新ミューズとして起用した理由を、「アネッサのブランドパーパスである『Free to Shine(太陽の下、誰もが輝ける世界へ)』と合致するような、挑戦し続ける姿勢と、音楽とダンスのパワーを持っているから」だと話す。ANESSA Global Campaign Songとして起用されており、2月28日にWebCMとして、4月1日からはテレビでも公開が始まるXGの楽曲「IS THIS LOVE」は、CM限定のアカペラバージョンになっているという。CMの再生回数は6日間で24万回を超えた。
2月22日には、ワールドツアーのファイナルが5月14日に東京ドームで開催されることが発表されており、広告での起用も増えそうだ。
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