万博出展はビジネスチャンス 万博サウナを手掛けた太陽工業の狙い

国内外でのイベントでのオファーに期待

大型膜面構造物(テント構造物)や土木・物流資材などを手がける太陽工業は、2025年「大阪・関西万博」において、自社の膜技術を活用したサウナ施設を運営する。主催者催事「太陽のつぼみ」プロジェクトの一環。同社は1970年開催の「大阪万博」を始め、国内外の万博の建物を手掛けてきたが、出展は今回が初となる。万博を通じて国内外に自社技術をアピールし、新たなビジネスにつなげる狙いがある。

3月7日の発表会でゲスト参加したお笑いコンビ「サバンナ」の高橋茂雄と関西万博公式キャラクターの「ミャクミャク」

今回の万博のテーマは「いのち輝く 未来社会のデザイン」。自然界から様々な形で恩恵を受ける中、サウナは太陽の熱や水、風など自然の恵みと人間のテクノロジーを組み合わせた文化であることから、今回の万博に適しているという。大阪・関西万博催事企画プロデューサーの小橋賢児氏によると、万博には実験場としての側面があり、日本のサウナは独自の発展を遂げてきた中で、今回を機に未来のサウナに挑戦したいという思いがあったという。

「太陽のつぼみ」は、大阪湾に面した会場西端に設置されたサウナで、サウナ、ラウンジ、水風呂の3棟を用意。各棟は、自然光を透過する「ETFEフィルム膜材」を使用したテトラ形状(4枚の三角形を組み合わせた四面体)のユニットを組み合わせて構築している。膜材は光を透過して拡散するため、自然光をサウナ内に取り入れることが可能だ。

ユニットは空気で膨らませており、軽量かつ耐熱性があるほか、空気を抜いてコンパクトにたたむこともできる。複数のユニットを束ね、つぼみのような構造物を実現。サウナは10ユニット、ラウンジは9ユニット、水風呂は5ユニットで構成しており、水風呂に使用されているユニットはほか2つの半分のサイズとなる。

新しい未来のサウナを実現するために、木材を徹底して使わない方針を採用。3Dプリンターで作成した水風呂も特徴的な要素だ。

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