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コラム

【閲覧注意】鬼ムービーのガチすぎる動画教室

プレゼン時に、何を「約束」しますか? — オンライン動画・新春座談会—【KPI編】

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オンライン動画のヒットメーカーたちが一堂に集まり、手の内を明かしあう座談会。「言の葉」に乗る企画の立て方の次のテーマは、オンライン動画をつくるにあたり、クライアントと何を「約束」しているのか。そして、その「約束」を果たすため、自分がこれだと信じている企画を形にするにはどうしたらいいのか。その極意を聞きました。

<座談会メンバー>

プレゼン時に、オンライン動画のKPIを「約束」できるか

鬼ムービー・眞鍋:鬼ムービーのクリエイティブ・ディレクター、眞鍋です。オンライン動画って、もはやKPI抜きに語れないと思うのですが、プレゼンの段階でクライアントにどこまで「約束」していますか?

TBWA\HAKUHODO・栗林:目的によるのですが、再生回数の場合も、シェア数の場合も、PVの場合もあります。KPIはケースによって変えていますね。僕の場合、バズらせることについては、プレゼン時にわりと明確に言及しています。約束というか、ここを目標に頑張りますって言いますね。でももちろん、予測が外れることもあるんで、その時はすみませんって正直に言いながら(笑)。

栗林和明さん(TBWA\HAKUHODO Buzz Machine)
1987年生まれ。上智大学経営学科卒業。専門は「バズ」。 話題の“量”、“質”、そして“精度”を高める。 過去100社以上のプロモーション施策を担当し、直近で獲得映像再生数は1億回突破。主な担当作品は縦型スマホジャックMV「RUN and RUN」、日産自動車「Intelligent Parking Chair」「#猫バンバン」、オーストラリア政府観光局「GIGA Selfie」、AKB48「ハイテンション」MV、「COGY」ブランドムービー、サントリー「忍者女子高生」、など。 カンヌライオンズ Gold、スパイクスアジア Grand Prixなど、受賞歴多数。

読売広告社・皆川:最近は、量より質を求めるクライアントが増えてきていて、たくさんのメディアに出ることよりも、意図した切り口や押し出したい側面が出たか、というKPIを求められるケースがありますね。もちろん、そういう視点を持つことはいいとは思うのですが、PRは生モノなので、同じクリエイティブでもその時の世の中の状況によって、文脈や広がり方が変わってくることは多々あります。それも忘れないでほしいですね。

SIX・本山:100万回再生でも1000万でも、約束しろって言うなら約束します。頑張りますって意味ですけど。でも少なくとも、その動画を生活者が見終わった時に「さすがだね」って言われるところまでは約束します。例えばBEAMSなら「さすがBEAMS」みたいに、見た人からのブランドに対するポジティブな感想や称賛がネットにあふれるということです。見た人の数が多いか少ないかは、頑張りますとしか言いようがないけれど、見終わったら必ず、「さすが」、とは言わせます。

博報堂・川地:僕は最近、オンライン動画単体でつくることがあまりないので、その手前の話になるんですが、今のWEB動画やプロモーションには、マス主導型とWEBCM型と、バズ動画型の3つがあると思っています。マス主導型は、予算がそれなりにあって、マスプロモーションと掛け算してやっているもの。WEBCM型は、WEBメディアを体系的に活用して、ターゲットにリーチするように設計したもの。バズ動画型は、メディアを体系的に買う予算はなくて、動画単体で勝負しないといけないもの。KPIでいうと、マス主導型とWEBCM型は、“売り上げ”ですよね。どうやって、人やモノを動かすか、という視点でメディアプランも含めて提案していますからね。動画単体のKPIは、今でも設定が難しいなと思っています。

川地哲史さん(博報堂 ID局 ディレクター)
デジタル、SP、PR、クリエイティブ、すべてのスキルに関わりながら「ブランデッドコンテンツ」になりうるコミュニケーションを生み出していくことを目指す。主なWEB動画プロモーションに、「NTTdocomo/3秒クッキングシリーズ」「JRA/JAPAN WORLD CUPシリーズ」「バンホーテンココア/MAMAMETAL」「Yahoo!/SMART STRETCH 360」など。カンヌライオンズゴールド、アドフェストグランプリ他、国内外80以上の賞を受賞。

鬼ムービー・眞鍋:“売り上げ”まで明確に踏み込むこともあるんですか?

博報堂・川地:理想はそうですね。ある飲料のキャンペーンを手がけた時は、予算はある程度あったのですが、マスを体系的に活用するにはしんどい金額でした。そこで、その予算を思いきって全部WEBCMに振って、年間の販売計画を立てました。売り上げをいくら上げるかということを具体的に約束することはしていませんでしたが、結果は出しましたね。

TBWA\HAKUHODO・栗林:プランニングの段階で、動画の拡散見込みと売り上げの相関をきれいに計算できたらいいなと思うんですけど、なかなか難しいんですよね。

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