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TCC贈賞式開催される 糸井重里氏がスピーチ「どんどん普通の人になっていくのがコピーライター」

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ホール・オブ・フェイムの受賞スピーチを行う糸井重里氏。

11月16日、東京コピーライターズクラブの第50回目を迎える贈賞式およびパーティが開催され、多数の広告関係者が集まった。九州新幹線全線開業CMでグランプリを受賞した電通の東畑幸多氏は「この仕事は作ったというより『教わった』感覚が大きい仕事。物をつくるときに一番大事なのは、欲望の大きさ、どこまでやりたいかという気持ちをどのくらい持つかだと学んだ。佐々木宏さんも、ご一緒しているトヨタの『ReBORN』の仕事で、本気で日本を何とかしたいと、言っている。その欲望の大きさがパワーになるのだと思う。コピーが元気がないと言われるけど、コピーを書く前にどうして自分はそれがやりたいのか、想いを持っていることがすごく大事。何かを考えるとき、もっと広告で世の中のためになることができないか?と一人ひとりが思いながらやらないと、なかなかエネルギーの湧くものって出てこない。(ReBORNは)自分も欲深いクリエイターになりたい思った仕事」と語った。

受賞者らと共に今年「HALL OF FAME」に選ばれた糸井重里氏も来場し、次のようにスピーチした。「コピーライターをもう44年やっている。コピーライターを44年やっているとどうなるのかと考えて、おかしいな、という気持ちがある。例えば、桶を作る仕事の人だったら座りだこができている、毎年神輿をかついでいるおじさんは肩にこぶみたいなものができている。プロフェッショナルになるということは、ずっとやっているがゆえに変形してしまう部分があるということ。ではコピーライターはどこが鍛えられているのか。44年やってても、どこかの筋肉が太くなったり、タコができたりしていない。それはすごいことじゃないか。やればやるほど、普通の人になっていく。それがコピーライターという職業じゃないかな、とこの頃思うようになった。あえて言うならば、どんどん余計な筋肉がなくなって、今流行りの言い方で言えば、インナーマッスルみたいなものだけで、自分を立てていっている。普通の人以上に普通のことを考えられる。今日いただいたホールオブフェイムは普通の人の証。これをもってさらに磨きをかけた取り柄のない人になっていこうと思う。普通の人でも何でもできるっていうのが僕の一つのコンセプト」。

翌日には、TCC50周年の記念イベント「東京コピーライターズLIVE」が東京・六本木のニコファーレにて開催。同時にニコニコ生放送でも中継された。この日初めて披露された「南波志帆×鈴木慶一×TCCキャッチコピーのうたLIVE」のライブなどが行われ、最も視聴者の多かった「ニコ生国民投票 激論!コピー日本一決定戦」開催時には、約5万人がライブ中継を楽しんだ。

今年のTCC賞の受賞作を展示する「TCC広告賞展2012」は、11月21日よりアド・ミュージアム東京で開催。会期中には、受賞者によるトークイベントや、毎年恒例のコピーライターの“本人”展示も行われる。詳しくは、TCCのホームページにて。