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世界最速の電気自動車Elicaを応用したバスが実証走行開始

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環境省チャレンジ25地域づくり事業

11月28日から12月9日まで南アフリカ共和国ダーバンで開催されたCOP17で、日本は京都議定書延長に応じず、2013年以降は新たな削減義務を負わないことになった。

電動低床フルフラットバス

電動低床フルフラットバス外観

しかし、環境省の「チャレンジ25地域づくり事業」がなくなるわけではない。12月18日、神奈川県藤沢市で始まった「電動低床フルフラットバス」の実証走行もそのひとつだ。走行するのは、小田急線湘南台駅から慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス間(神奈川県藤沢市)とJR蒲田駅から羽田空港国際線ターミナル間(東京都大田区)で、12月から1月にかけてそれぞれ計7日間実施される。実際の営業バス路線と同じルートで試走・評価し、事業性・採算性・波及性等の検証等を行う。

(1)湘南台駅~慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
平成23年18日(日)、20日(火)、22日(木)、26日(月)、平成24年1月24日(火)、26日(木)、28日(土)
神奈川中央交通株式会社による郊外型路線で1日あたり3往復(1往復あたり約8km)を予定。

(2)蒲田駅東口~羽田空港国際線ターミナル
平成24年1月10日(火)、12日(木)、14日(土)、16日(月)、18日(水)、20日(金)、22日(日)の計7日間
京浜急行バス株式会社による都市型路線での実証。1日あたり2往復(1往復あたり約12km)を予定。

環境省では幅広く一般モニターを募集しており、試乗を希望する場合は募集ホームページから申し込む(1回あたりの募集数は20名程度)。

走行するのは慶應義塾大学で開発された電気自動車Eliicaをバスに応用したもので、8個のタイヤ一つひとつにモーターがついている。バッテリーやインバーターは床下に格納されるため、車内に広いスペースを確保できる点が特徴だ。充電には、JFEエンジニアリングが開発した超急速充電システムが採用されている。低床かつバリアフリーな車体により、環境配慮だけでなく、高齢者や障害者が乗降しやすいユニバーサルデザインを目指す。


電動低床フルフラットバスの仕様

電動低床フルフラットバスの仕様

今回の実証走行は、平成23年度チャレンジ25地域づくり事業の一環で、将来の中距離路線走行に向け、充電インフラと合わせて検証が行われる。参加するのはElicaを開発したSIM-Drive、神奈川中央交通、京浜急行バス、JFEエンジニアリング、三菱総合研究所の5社。

2013年以降の京都議定書延長はなくなったが、エネルギー消費を抑えた社会インフラの構築が日本の課題であることには変わりはない。高止まりする原油価格やエネルギー需給のひっ迫のなか、化石燃料への依存度を抑えたエネルギーシステムを構築することは、中国やインドといった新興国を含む世界の課題でもある。

COP17により、政治的駆け引きから一歩離れることで、より実際的な果実を得るべくまい進することができるようになるのではないか。その意味で、チャレンジ25を最大限に活かす取組みに期待が寄せられる。

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