ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略―やおきん「うまい棒」【前半】

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『宣伝会議』では毎月、長く生活者に愛され続ける商品の歴史や最近のコミュニケーションを紹介する連載「ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略」 を掲載しています。発売中の4月1日号では、発売から32年間、変わらぬ価格とキャラクターで、多くの国民に親しまれてきた「うまい棒」を取り上げました。

以下、『宣伝会議』4月1日号に掲載の、前半部分を転載します。後半は、4日(水)に掲載予定です。

変わらぬ価格と親しみやすいキャラクターで自然と国民的駄菓子へ成長

umaiboh

やおきんが販売する「うまい棒」は、1979年7月に発売された棒状のスナック菓子。その人気の秘密は味の種類の豊富さや、駄菓子屋に限らずコンビニやスーパーなどでも販売されていることなどもあるが、なんといっても発売から現在まで1本10円という価格を維持しつづけていることが大きい。その低価格から、一貫して子供と若者を中心に幅広い人気を集め続けている。

発売した1979年は本格的な消費社会の幕開けともいえる時代であり、お菓子においてもパロディ商品やキャラクター商品など、さまざまなPR効果を狙ったパッケージの商品が生まれた。うまい棒の商品パッケージにも、発売当初から現在まで変わらずオリジナルキャラクターが描かれ、親しみやすさが表現されている。

もともと駄菓子屋で売られる安価な駄菓子であったこともあり、積極的な広告展開はおこなわれずにきたうまい棒。しかし販売店が駄菓子屋からコンビニやスーパーへと広がったことをきっかけに、多くの人が知る人気駄菓子へと成長。その認知の広さと人気にあやかり、現在までに、うまい棒のキャラクターを使用した商品や、うまい棒自体をパロディとして扱った商品が多数発売されてきた。それによって、積極的なプロモーションをおこなわずとも、人気はますます深まっていった。

地道な商品展開による周知からコアなファンを醸成

発売当初、うまい棒はソース味、サラミ味、カレー味の3種類であった。翌年にはチーズ味、バーガー味、ヤサイ味の3種類が発売され、以降、販売終了となる味もありつつも、毎年のように新しい味が追加され、現在では17種類の味が展開されている。また一時期デラックスうまい棒(てりやきビーフ味、ホルモン味など)という長さ2倍の商品も開発されるなど、多様な展開をみせており、現在までに合計30種類以上のうまい棒が発売されているという。

継続的に新しい味を出し続けることで、消費者もいつの間にか新しい味を楽しみに待つようになるという、独特のコミュニケーションが図られてきた。

2002年には、「Yahoo!BB無料体験キャンペーン」の一環として、YahooBBのうまい棒が街頭で無料配布された。これが初のノベルティとして開発されたうまい棒であった。その後、続々とアパレルブランドや情報誌、飲食店、映画のノベルティとして活用。「安価」であるためノベルティとして利用しやすく、かつその抜群の認知度から話題性も十分であった。

多様な味の開発や、ノベルティとして展開されてきたことから、広く知られるようになったうまい棒。2009年9月13日には、発売30周年と、キャラクターの誕生日を記念し、うまい棒大感謝祭が開催された。当イベントを開催した「うまい棒実行委員会」は販売元のやおきんとはまったくの無関係であり、純粋にうまい棒ファンによるうまい棒ファンのためのイベントとして、同感謝祭は開かれた。感謝祭には、うまい棒のファンだという各方面の著名人も登場し、話題を集め、ますますその人気を印象付けることとなった。

(後半へつづく)

『宣伝会議』4月1日号より



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