YouTubeの成長を牽引する、“ジェネレーションC”の行動スタイル

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DanielleTiedt

世界的なスマートフォンの浸透は若年層を中心に、オンラインでの動画の視聴機会を増やしている。こうした流れを受け、米国・YouTubeでは今年3月に月間ユニークユーザー数が10億人を突破したと発表している。新しいメディア接触、コンテンツ消費のスタイルをいかに企業のマーケティング・コミュニケーション活動に活かすべきか。今年2月に来日した、YouTube のマーケティング担当役員であるDanielle Tiedt 氏に話を聞いた。

――YouTubeのユーザーの中心はどのような人たちか。
世界的に見てYouTubeのユーザー数は増えているが、その成長を牽引しているのはジェネレーションCと言われる層の人たちだ。ジェネレーションCは10代、20代の若年層を中心に、生活の中でソーシャルメディアやまたスマートフォンをはじめとする複数のデバイスを使いこなす人たちで、Cから始まる言葉でその特徴が表現されることから、こう呼ばれる。

具体的に彼らの特徴は「Creation」、「Curation」、「Community」、「Connection」の4つのCで表現できる。自ら動画をつくりアップロードし(Creation)、自分がいいなと思った動画があれば友人とシェアし、またそのセレクトのセンスによって自分を表現(Curation)。生まれた時から膨大な情報に埋もれている彼らは、自分にとって必要な情報を取捨選択する能力に長けている。

さらに複数のデバイスを使いこなし、常にネットにつながっている彼らは友人たちとの関係を大事にするのでYouTubeのような双方向のコミュニケーションが実現するプラットフォームに集まり(Connection)、Communityを大事に思っている。そして友人が自分のクリエイティブやキュレーションのセンスをどう見ているかをとても気にしている。こうした特徴があるので、ジェネレーションCに響くような動画をつくれれば、企業がつくったものであっても、一気に拡散され、効率的なコミュニケーションが実現する可能性もある。

このジェネレーションCは企業にとっても魅力的な消費者だと思うが、YouTubeの伸びを牽引しているのが彼らであるように、非常に親和性が高い。日本においてはジェネレーションCのうち、5人のうち4人はまずビデオをユーチューブでチェックしているし、さらに3人2人が1週間に一度は、ユーチューブにアクセスすることがわかっている。 

日本のジェネレーションCは、自ら動画をつくることにまで関与していないと思われるかもしれないが、たとえば日本でも20~29歳の若年層では10%のユーザーが1カ月に1度の頻度で動画をアップロードすることがわかっている。確かにグローバルの統計と比較すれば、この年代で言えば半分の値ではあるが日本のユーザーも自らクリエーションに関わる姿勢が見えるのではないかと思う。

――米国の広告主はどのようにYouTubeを使って、ジェネレーションCと接点を持とうとしているのか。
米国ではテレビCMを制作した際にテレビで放映する前に、まずはYouTubeにアップする広告主が増えている。それにより、ユーザーの反応を検証したり、あるいは先に話題を拡散させたりして効率的にテレビCMを活用する流れが生まれている。

例年、アメリカではスーパーボールの期間に流されるテレビCMが話題になるが、今年はテレビとYouTubeを絡めた展開をする企業が多かった。例えばコカ・コーラは、盗賊、カウボーイ、ショーガールの3チームが砂漠で巨大なコカ・コーラのボトルを巡ってレースを展開するCMを放映。視聴者は、YouTubeを通じてこのゲームに参加できる仕掛けをつくっていた。

決めつけられたり、押しつけられたりすることを嫌い、自分が主導権を持って決定ができることを望み、かつ自分たちの声をきちんと聞いてもらいたいと考えるジェネレーションCにとって、こうした参加型の仕掛けは大変魅力的なものとして受け入れられる。まずは、自分たちのブランドに合致した適切なオーディエンスを見つける。そして彼らの感性に響くようなブランドの見せ方、表現を考え、彼らの参加を促しながら各ユーザーとのエンゲージメントを深めていくことがYouTubeを介したジェネレーションCとのコミュニケーションのポイントと言える。

エンゲージメントを深めるには3つのステップがあり、まずはコメントがつくこと、さらに広告に組み込んだインタラクティブな仕掛けに参加してくれること、そして3段階目がシェアしてくれることで、こうしたユーザーのアクションを検証しながら、エンゲージメントがどれだけ深まったかも把握することができる。

ジェネレーションCにシェアされることで、企業の動画であっても爆発的な広がりを見せる可能性がある。自分がどんな本を読み、どんな服を着ているかと同様に、どんな動画を視聴し、またシェアするかも自己表現の手段の一つとして考えているからだ。彼らにとって、シェアする動画は自分そのもの。自分が共感できる動画をつくることでマーケティングの機会は増大する。双方向のやりとりを介して、エンゲージメントを深めブランドへの愛着を抱いてもらう。こうした場において、対話を意識したYouTubeのプラットフォームは活用の可能性が大きいと考えている。



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