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人を動かすコミュニケーションを評価する「広告業界の若手が選ぶ、コミュニケーション大賞」設立

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日本広告業協会(JAAA)は、「広告業界の若手が選ぶ、コミュニケーション大賞- Innovative Communication Award(ICA)-」を設立した。対象となるのは、「人を動かす仕掛け」が含まれていて、「課題があり、これを解決する」という構図とその「結果」が明確な「コミュニケーション」。必ずしも広告活動である必要はなく、また、NPOなど企業以外の課題解決であっても構わない。さらに、応募者自身が関わっていない施策(他薦)でも応募が可能という新しい形で実施する。JAAA 会員社に所属する30歳以下の社員が応募でき、審査員は会員社から選ばれた広告業界の若手メンバーが務める。

この賞の設立の背景には、「領域を横断する新しいコミュニケーションを評価する場がほしい」という広告会社の若手社員たちの思いがあった。広告には従来のカテゴリーやメディアの垣根を超えたコミュニケーションの創造が求められている。しかし、日本の広告賞は各役職の専門的なスキルを評価する賞はあっても、領域を横断する新しいコミュニケーションを評価するものはあまりない。むしろ、領域横断的な広告キャンペーンは応募しにくい状況に置かれている。

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そんな中、「人が動くしかけ」やそのアイデアをきちんと評価し、こうしたアイデアの価値を広告界に発信していきたいと、今回の賞が設立された。30歳以下と限定したのは、さまざまな現実的な事情にしばられず、純粋に世の中を動かすアイデアに反応して、憧れたり、悔しがったりする感性を一番強く持っていると考えたため。他薦の仕組みを取り入れたのも、制作者自身というより、こういった「感性」そのものを讃え、提言していくことに主眼を置いたからだ。

そもそものきっかけは、2011年、JAAAから会員社の若手に対して「広告業界がもっと元気になる方法を考えてほしい」とオーダーがなされたことだった。そこから、9社18人の広告会社の若手社員がチームを組み、さまざまな企画を考えて提案した。その中の一つに若手によるアワードがあり、2年半を経て今年実現することになった。

運営メンバーの一人である電通 マーケティング・デザイン・センターの越澤太郎氏は「『街コン』『初音ミク』『DJポリス』『くまもん』『あまちゃん』など、はじめのうちは、広告以外のものが大賞に選ばれるかもしれないが、今の広告に足りないものがくっきり浮かび上がってくると思う。できたばかりの小さい賞だが、広告界の未来への指針となるような賞に育てて行きたい」と話す。

メンバー
左から、吉田洋基氏(読売広告社)、柳原類氏(博報堂)、齋藤俊氏(大広)、湯ノ谷和彦(博報堂)、蔵田泰明氏(マッキャンエリクソン)、キリーロバ ナージャ氏(電通)、越澤太郎(電通)、隠岐新太(I&S BBDO)、後藤正太郎氏(朝日広告社)、中村元海氏(朝日広告社)

マッキャンエリクソン アートディレクターの蔵田泰明氏も「カンヌライオンズから『広告』という言葉がなくなったように、賞には今後の広告界の指針を示す役割がある。いま、広告クリエイティブは、競合代理店のみならず、あらゆるコンテンツと戦わなければならなくなっている。そんな中、世の中を動かすアイデアの価値を改めて提言し、日本の広告界を変えていくきっかけのひとつにできれば」と語る。

賞の応募締め切りは10月31日で、11月から12月にかけて審査を行い、大賞1件および優秀賞5件を選出する。発表はJAAAの会報誌「JAAA REPORTS」およびに同サイトにて4月に行われる予定だ。