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価値観の投げっぱなしと、太い言葉についての考察。

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本記事は、3月29日に開講する「コピーライター養成講座 専門コース 渡辺潤平クラス」の開講にあわせて掲載します。同クラスでは、講師を務める渡辺潤平さん流のコピーの考え方を通して、キャンペーンをしっかりと支えるコピー(スローガン)を書く力、コピー自体がひとつのコンテンツとして流通するような広告企画力、ストレートでも表現に逃げない、ど真ん中のコピーライティング力を身につけます。

渡辺潤平(コピーライター)


「ワタナベさんて、有吉に似てません?」
と、すごくよく言われる。僕も実際、とても良く似ていると思う。でもね、妙に引っかかるんです、この尋ねられかた。「似てません?」そう聞かれたとき、果たして僕は、どう答えるのが正しいのか。

「はい、とても良く似ています」
「たしかに、僕もそう思います」

似ていると感じたのは、僕じゃなくてあなたの問題。僕が似てるように仕向けたワケではなく、あなたがそう判断しただけのこと。なのにどうして、疑問形なんでしょう。僕が引っかかるのはそこなんです。いわば、「価値観の投げっぱなし」。

「なんか、オナカ減りません?」
「あの芸人、つまんなくないですか?」
「今日打ち合わせやるの、意味なくないですか?」

普段の会話は、それでいいのかもしれない。けれど、広告コピーはこれじゃあいかんと思うのです。強く、シンプルに、ハッキリと。商品が語りうることを、最短距離で語っていく。僕がかなり明確に心がけていることです。

隅っこではなく、なるべく真ん中の椅子に座る感じ。変化球じゃなくストレート。恐るべき単純さですが、どうやらそれが、自分が一番力を出せる(気がする)スタンスであることが、自分でもなんとなく分かってきました。そんな僕のコピーライターとしての気構えを、宣伝会議さんが絶妙に言い当ててくださいました。

「言葉を太くするための、コピーライティング実践トレーニング」

これ、3月よりスタートするコピーライター養成講座の僕のクラス名です。太い言葉…そうですね、たしかに僕、切れ味とかスピードより、「太さ」みたいな感覚を追いかけるのが好きかもしれません。身体は太ったら鈍るけど、言葉は太ければ太いだけ強くなる。そんな実感を一緒に味わえる講座を目指していこうと思っています。

つい先日、青山の某ショップで、革のジャケットを買いました(高かったけど!)。

これ、もう残り一点なんです。店員さんの殺し文句にあっけなく陥落してしまいました(高かったけど!)。

知り合いでもある、そのお店の女性オーナーさんに「買ったよ」とメールしたところ、ややあって僕に届いた返信。

「『残り』ではなく『当たり』ですね。おめでとう!」

うーん、さらりとクール。これ、最近いちばん響いたコピーです。

コピーライター養成講座 専門コース 渡辺潤平クラス 概要

講師:渡辺潤平(渡辺潤平社)
会期:2014年3月29日~5月31日
場所:東京・南青山周辺
料金:84,000円(税込)
定員:45名



渡辺潤平(わたなべ・じゅんぺい)
渡辺潤平社 コピーライター
1977年千葉県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。2000年博報堂入社。第2MD局、第3制作局、第2CRセンター 第5制作室を経て、2006年博報堂を退社しground LLCへ参加。2007年渡辺潤平社設立。