[現地レポート]カンヌライオンズの新しい試み、Lions Healthとは!?

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さて、初年度の受賞作は?

ライオンズヘルスの初代グランプリは、”Health&Wellness”(ヘルス&ウェルネス)から電通名古屋の「MOTHER BOOK(マザーブック)」。

妊婦向けのプロモーションツールで、人生における最も大切な出来事の一つである妊娠・出産をより深い経験にするための本である。40週の妊娠期間に合わせて40ページで構成され、1週ごとにおなかの中の赤ちゃんの状態が表現されている。

単に妊娠の状態の変化を表すのではなく秀逸なアートディレクション、ブック自体のデザイン性の高さから、既に数多くのデザインやアートディレクション領域での海外広告賞でも高く評価されている作品です。

授賞に当たっては、審査委員長より、”セレブレーションオブライフ”というポイントが告げられました。

生命の誕生を祝福する普遍的なメッセージ性が高く評価され、さらに、世界に貢献しようとする優れた作品はたくさんある中で、この小さく美しく、パーソナルな作品を選んだのは、社会の改善は、結局、人間にとって大切なことから始まる、と。

そう、人が生まれるという出産は、ウエルネス領域のすべての始まりといえるのです。

また、Grand prix for Goodには「Cancer Tweet」(コロンビア/Leo Burnett,Bogota)が。

癌は沈黙の病気であり、毎年多くの人が初期症状に気づかず亡くなってしまう。その恐ろしさを知ってもらうため、7つのTwitterアカウントを作成し、自身に起こる症状のツイートを拡散して行くことで、癌の初期症状の啓蒙や癌患者や癌自身への理解を広めようする試み。

癌患者へのコミュニケーションでもう一つ紹介したいのが、「If only you for a second」(フランス/Leo Burnett France,Paris)。

辛い闘病や癌の痛み、苦しみから一瞬でも解放して、楽しさや笑顔を自ら取り戻して欲しい。そんな思いから、癌患者に驚くようなメイクを施し、完成まで眼を閉じておいてもらい、完成同時に鏡を見て、それぞれの喜びの表情を浮かべる。同じ癌患者へのアプローチでありながら、全く違う方向で心のサポートをしていくプロモーション。

ライオンズヘルスは、その領域からノンプロフィットの団体からのエントリーが数多くあった。更にサブカテゴリーでは、エデュケーション&アウェアネスの部門のエントリーが多く、必然的にチャリティーものやノンプロフィットのキャンペーンが多くなる。

今年ゴールドに輝いた作品群には、素晴らしいものが多く、更なる上の評価を与えたくなるものもいっぱいあった。

カンヌライオンズの指針として、ノンプロフィットとチャリティーはGrand Prix を受賞できないルールがあり(その代わり全てのカテゴリーのゴールドからGrand Prix for Good を選ぶ)、共通ルールとして、ライオンズヘルスでもそのルールが適用されています。

広告業界で働くものとして個人的には、for Good だらけの受賞は反対ですが、ヘルス領域だとやはりそのカテゴリーにアウトスタンディング作が集まるのも事実で、来年以降はどのようになって行くのだろうと、考えます。

本体の新設部門が安定するのも3年ほど掛かると言われていますが、来年以降はヘルス領域ならではの独自性のある進化を期待したいです。

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