スダラボ視点のカンヌ観察日記(4)

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前回の記事「スダラボ視点のカンヌ観察日記(3)ーー最古×最新=新しい、普遍。または、なぜ「ライスコード」は世界から高く評価されるのか?」はこちら

逆境という贈り物に、奇跡というインセンティブがつく。または、なぜ「スダラボ」はモチベーションが維持されているのか?

6月18日(火)早朝

博報堂 i-ディレクション局シニアクリエイティブディレクター
須田和博

カンヌと日本の間の時差は、7時間。カンヌが朝6時の時、日本はその7時間後の午後1時。なので、この「カンヌ観察日記」も、がんばって高速リアルタイム更新を続けているが、どうしても記述と公開にタイムラグが出て「あと打ち」になる。「まとめ」とか諸処に確認を得る必要のある「原稿」とは、そうしたものだ。だから、FaceBookやtwitterなどによる「リアルタイム情報共有」の時代には、どうしても速報性と臨場感において、不利になる。

要するに何が言いたいか?というと、昨日の原稿を書いて東京に送信した時点から、事態はさらに予想外に進展した。なんと、カンヌ時間の火曜日の夜、「アウトドア部門」で2つ目の「ゴールド・ライオン」をいただけたのである。

飛行機の関係で遅れて到着した、スダラボ最若手の中村圭くんと共に「アウトドア部門」ゴールドを手にして喜ぶ面々。

飛行機の関係で遅れて到着した、スダラボ最若手の中村圭くんと共に「アウトドア部門」ゴールドを手にして喜ぶ面々。

実施内容からして、正直「アウトドア部門」は狙っていた。だが、毎度のことながら、まさか本当にいただけるとは思っていなかった。「祈る」のと「取れるだろうと思う」のとでは、まったく意味が違う。

我々はいつも、思いついたらやってみる。それが、このラボの最重要テーマだ。そのために、コツコツ準備して、少ない予算にもめげることなく、各所から暖かい応援や支援をかき集め、諦めることなく実施し、諦めることなく賞にもエントリーして、そして結果を信じて、祈る。

この際だから、胸を張って言うが(笑)、けして「恵まれた境遇」ではない。自慢するようなことではないが、金も場所も時間も、けして潤沢には与えられていない。「やってよし」という自由だけを十分に確保している。

「自主的なラボ」だから、当然とも言えるし、むしろ「逆境こそ贈り物」のたとえ通り、優遇されていないからこそ、ラボの面々も主体的に時間捻出し、自力でなんとかしようと努力している。その結果、高いモチベーションが維持されている。

「努力している」と書くとなんだかキツそうに見えるが、「楽しい雰囲気」と「居心地がいい」ことは、もっとも大事にしている。(これは持論だが、豊かな創発とか仕事効率を求めるならば、そういう「雰囲気づくり」こそをするべきだ。)

スダラボは会社の中の「ブカツ」のようなもの。たとえ練習がキツくても「授業」とは「別な時間」があり、そこに参加できるのが「学生生活の充実」には欠かせない。そういうものになりたいと思っている。

「授業」しかない学生生活は、苦しい。自分も高校時代に「美術部」や「映画研究同好会」があったからこそ、3年間モチベーションが維持できて、結果的にいまの仕事につながる「ほぼすべて」をそこから得た。

なぜ「会社」には「ブカツ」がないんだろう?スダラボを始めてから、そのことに気がついた。

授業とは「別の時間」を持つ。授業もブカツも、もちろん両方がんばる。たまに授業中いねむりすることもある。たまに練習がキツくてサボりたいこともある。だが、そうやって「別の時間」を持つことで、やる気が維持され、スキルの循環が生まれ、かけがえのない出会いが得られ、たまにはインターハイに出場でき、結果「学校を辞めない」なら、こんな素晴らしいことはない。

なぜ、今までやらなかたんだろう?そのぐらいスダラボは、やってみたら「コペルニクス的な大発見」だった。(これを某イベントのパネルトークで「25年目に得た自由」と言った。)

そう。「やれば、いい」のである。いま、このタイミングで書くと、とっても不遜に聞こえるが、「思いついたら、やってみる」こと。やってみて、考える。やるためには、どうしたら出来るか考えて、諦めずに工夫する。

自力な分、大変だったり面倒くさいことも多いが、その際、けして孤独におちいらないこと。そのための「ラボ」という場である。

転がりだした雪の玉。まわり始めたドリル。そうしたものを感じながら生きることは、ワクワクする。未来のことは、誰にもわからない。だから今、楽しくワクワクすることが大事。そうやって動いてみて、誰よりも先に未来に行く。そのことに対する、世界最高の「ご褒美」をいただけた。これを「励み」と「資本」にして、さらにコツコツ進みたいと思う。

最後になりましたが、「PR部門ゴールド」「アウトドア部門ゴールド」、そして「PR部門シルバー」「メディア部門ブロンズ」という、4つのトロフィーを現時点でいただきました!これらすべて、青森県・田舎館村の皆さま、あらゆる応援と支援をいただいた皆さま、協力いただいたスタッフの皆さま、そして若きスダラボの面々たち、すべてのご縁とご助力のおかげです。ここに、深く深く御礼申し上げます。

本当に、ありがとうございます!
ひきつづき、なにとぞ、よろしくお願いいたします!

(つづく)

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