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事業拡大だけが答えではない-農家の納屋で始まった家具メーカーが支持される理由とは。

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株式会社宣伝会議は、月刊『宣伝会議』60周年を記念し、2014年11月にマーケティングの専門誌『100万社のマーケティング』を刊行しました。「デジタル時代の企業と消費者、そして社会の新しい関係づくりを考える」をコンセプトに、理論とケースの2つの柱で企業の規模に関わらず、取り入れられるマーケティング実践の方法論を紹介していく専門誌です。記事の一部は、「アドタイ」でも紹介していきます。
第5号(2015年11月27日発売)が好評発売中です!詳しくは、本誌をご覧ください。

 

老舗企業でもベンチャーでも、いま成長している企業に共通する特徴–それは、「マーケティング」という言葉を使わずとも、顧客視点に立った価値をつくり、イノベーションを起こすことに成功しているということです。新しい市場をつくった8人の「マーケター」の取り組みや考え方に迫ります。

ここ数年、日本を襲ったデフレの波は飲食、ファッション、そして家具にまで広がっている。環境が激変する中でも注文家具工房としてスタートしたオークヴィレッジは昨年、40年の節目の年を迎えた。

岐阜県にある工房の様子

現・会長の稲本正氏ら1974年に東京で集まった5名の有志が、岐阜県高山市に移り住み、農家の納屋を借りて始めた家具づくり。起業の背景には、高度経済成長期に浸透した大量生産・大量消費の社会に対するアンチテーゼがあった。以来、「森と生きる」の理念を掲げ、循環型社会に適合するビジネスモデルを模索してきた。家具から始まったオークヴィレッジの日本の木材を使った商品も現在では日用雑貨や玩具、一方では住宅にまで広がっている。

取締役副社長の佐々木一弘氏は「当社の木製品の中には生活必需品ではないものも多く、景気の影響を受けることもあった。それでも事業を継続してくることができたのは、モノづくりに対する創業当時から変わらない考え方を支持してくれるお客さまが一定数いたから」と話す。

さらに「当社の事業は概して対象がニッチな市場。オークヴィレッジが巨大化することは難しいかもしれないが、その代わり、理念にブレがなければ、商品に対するニーズは絶対になくならない」と続ける。

企業理念の根底にある
持続可能な社会の実現

「素材」は国産の木材にこだわり、日本ならではの木工の「技術」を駆使、さらに飽きのこない普遍的な「デザイン」を追求する…。この「素材」「技術」「デザイン」の3つにこだわり続けることがオークヴィレッジのモノづくりの原点だ。

さらに同社には創業以来、変わらない理念がある。その理念とは「100年使えるモノづくり」「お椀から建物まで」「子ども一人、どんぐり一粒」の3つだ。

「木が生きてきた年月よりも長く使ってもらえれば、木工製品は二酸化炭素が固定化されるので、環境に負荷を与えない。

また木工製品は工業製品と比べると、素材自体を自分たちで増やすことができる点に特長があり、加えて製造にかかるエネルギーコストも少ない。木を貴重な資源として、有効利用すること自体が環境負荷低減につながる。また『子ども一人、どんぐり一粒』とは、使った分の木を植える活動をしており、その理念を表したもの」と佐々木氏。そして、これら3つの理念の根底にあるのが、持続可能な社会を実現するための生活そして企業のあり方を目指す企業姿勢なのだ。

昨年からスタートした「根尾の広葉樹活用プロジェクト」。家具の特産地、飛騨高山でも大半は海外産の輸入木材が使用される環境の中で、国産の木材にこだわってきたオークヴィレッジ。しかし、さらに輸送にかかるエネルギーコスト削減を目指し、国産でも近隣地域の木材の使用を目指して立ち上げたプロジェクトだ。岐阜県内の広葉樹に携わる林業と製材業、木製品製造・販売業の3社が連携し、岐阜県本巣市根尾地域の森林整備の過程で伐採された木の中でも、良材でありながら市場の規格から外れているため、木材として使われてこなかった「規格外広葉樹」を使った循環型モノづくりを始めている。

「続きは100万社第5号本誌をご覧ください」

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佐々木一弘
オークヴィレッジ 取締役副社長

東京理科大学理工学部卒業。大学で建築を学んだ後、飛騨高山で木工技術を習得しオークヴィレッジに入社。商品開発に長く携わり現在は営業・商品戦略を統括。プロダクトデザイナーとして受賞多数。


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