テレビの「視聴率調査」は今後どうなる?ビデオリサーチ「VR FORUM 2015」レポート

ビデオリサーチが描く、これからの視聴率

株式会社ビデオリサーチ テレビ調査局 テレビ調査部長 橋本 和彦 氏

少子高齢化が加速し、単身世帯が増えるなど、生活者は多様化している。また、様々なデバイスが普及し、テレビのタイムシフト視聴も一般化するなど、テレビ視聴は分散化の傾向を強めている。こうした状況に対応するために、ビデオリサーチでは今後の視聴率のあり方について検討を進めているという。

その方向性は、(1)テレビ番組のあらゆるリーチを測定、(2)生活者の多様化に応じた切り口を提供、(3)リーチの分散、生活者の多様化に適したサンプルの拡大、(4)無作為性・代表性による母集団特性を反映させて視聴率としての品質を維持する、の4点となる。

(1)では、タイムシフト視聴とスマートデバイスによるテレビ視聴に対応。(2)では、ライフステージ別のテレビ視聴傾向を把握するほか、視聴率データとビデオリサーチが提供するシングルソースデータ「ACR/ex」をフュージョンし、セグメントごとの分析を推進。(3)では、視聴率調査のサンプルの拡大。(4)では、サンプルのローテーションやデータの監視などを引き続き実施し、精度を追及していく。

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視聴率調査のサンプル拡大に向けた、各エリアの対応計画も発表された。関東地区は、2016年10月をめどに900世帯のリアルタイム視聴率と録画視聴状況を測定。タイムシフト測定やスマートデバイスによるテレビ視聴測定の対応も進める。関西地区は、2017年10月をめどに現行の600世帯内でタイムシフト測定の準備を整える。北部九州地区52週調査地区と、熊本地区など24週調査地区は、2017年をめどに測定テレビ台数を8台に増やしていく。現在、視聴率が抱える課題に対応し、全国エリアでの視聴率の精度向上に努めていく構えだ。

また、生活者のメディア接触が複雑化する中でスタートした「VR CUBIC」にも言及。これはテレビとネット接触の実態を把握するためのシングルソースデータで、調査エリアは1都6県、調査対象者は15〜69歳のインターネットユーザーのサンプル数5000世帯、機械式で測定しログを取得している。テレビ番組に関するあらゆる接触を捉えるために、デバイスシフト、タイムシフト、チャネルシフト、動画を見据えて測定していく。

同社は、この「VR CUBIC」をもとに、全てのメディア接触を可視化し、これからのテレビメディアの価値を提示していく。あわせて、すでにスタートしているテレビ視聴データとACR/exのデータフュージョンをさらに進めていくという。

その他のソリューションとしては、「技術ソリューション」、「データソリューション」、「ビジネスソリューション」と分けて紹介。「技術」ではテレビ局編成や番組制作向け視聴率Viewerシステム「VR TVPOP!」の開発などを進める。「データ」では、視聴率データとACR/exのデータフュージョン、「生体反応測定技術」などを活用したテレビの視聴「質」について取り組む。「ビジネス」では、AIの技術を駆使しながらテレビにビッグデータを掛け合わせ、より良い番組制作や効果的に広告を届ける新しい視点を提案する。

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社会環境や生活者の多様化、デジタル化などにより視聴形態が変化し、テレビ視聴は分散化された。こうした状況の中でテレビメディアの価値を正しく示していくためには新しい視聴率調査のデザインや、トータルリーチ、トータルオーディエンスの可視化などが求められている。こうした変化に対応するために、トータルでソリューション開発を進めるビデオリサーチの姿が明らかになった講演となった。


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