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ビジネスとして一番弱いのは、“大企業の縮小版”−龍角散 藤井隆太社長

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株式会社宣伝会議は、月刊『宣伝会議』60周年を記念し、2014年11月にマーケティングの専門誌『100万社のマーケティング』を刊行しました。「デジタル時代の企業と消費者、そして社会の新しい関係づくりを考える」をコンセプトに、理論とケースの2つの柱で企業の規模に関わらず、取り入れられるマーケティング実践の方法論を紹介していく専門誌です。記事の一部は、「アドタイ」でも紹介していきます。
第6号(2016年2月27日発売)が好評発売中です!詳しくは、本誌をご覧ください。

【前回】「[鶴屋百貨店×岸勇希のアイデア会議]熊本一愛される店をめざして—老舗百貨店の自己革新を共に歩む」はこちら

小さくても、長く続く企業には、確実に他社にはない独自性があります。自分たちの強みに立ち返ることで、資源を集中すべき市場も見えてくる。注目企業の経営トップに、「小さな組織の戦い方」を聞きました。

江戸時代中期、秋田藩の典医であった藤井玄淵が藩主の持病の喘息を治すために製造した藩薬にルーツを持つ、龍角散。人の持つ自浄作用を活発にし、のどを正常な状態に保つという、一般的な内服薬とは異なる製剤構造を持つ「龍角散」ブランドを軸に、近年では国内のみならず、アジア圏を中心とした海外市場にもビジネスを広げている。

——マーケティングに対する考え方を聞かせてください。

龍角散 藤井隆太社長

企業ですから利益は上げなければなりませんが、必要以上に利益を高めたい、会社を大きくしたいという考えはなく、それ以上に、“世のため・人のため”になる商品をつくり、届けることに存在意義があると考えています。
マーケティングでは、「CS(顧客満足)」の重要性がよく言われますが、医薬品カテゴリーの場合、CSを追求することが必ずしも良い結果に結びつくとは限りません。例えば“運動しなくても太らない薬”があったとして、それは消費者の一時の満足や、企業の短期的な利益は生むかもしれませんが、本質的な健康維持・増進にはつながらないからです。我々がやるべきは、健康に長生きできる身体をつくること。病気にならない身体づくりをし、発症したら重症化させないことです。「未病」や「セルフメディケーション」と呼ばれる領域ですね。製品・サービスを通じて身体のこと、薬のこと、健康維持の方法を消費者に知ってもらうことも、我々の使命。CS以上にCE(顧客教育)を重視しています。

——「龍角散」という強いブランドをお持ちです。ブランド戦略をどのようにお考えですか。

1995年の社長就任以来、オンリーワンのポジションを確たるものにする方針は一貫してきました。そのために必要なのは事業の選択と集中です。総花的に“大企業の縮小版”をやってしまうのが、ビジネスとしては一番弱い。経営難に陥っていた社長就任当時、例えば胃腸薬や風邪薬など、市場規模が大きいカテゴリーに事業領域を広げたほうがいいのではという声もありましたが、徹底して自社のポジショニングを明確化することに注力しました。その結果、2011年に40億円だった年間売上高は直近4年間で3倍近くに伸長。しかし、従業員や商品数はそれほど増えていません。あらゆる商品を「龍角散ブランド」に統合、強化することで成長を実現してきました。

(続きは本誌をご覧ください)

藤井隆太 Ryuta Fujii

1959年東京都生まれ。1984年桐朋学園大学音楽学部研究科修了後、大手製薬メーカ
ーに入社。三菱化成工業(現・三菱化学)を経て、1994年龍角散入社、1995年代表取締役社長に就任。嚥下補助ゼリー「おくすり飲めたね」のヒット、基幹商品「龍角散」の海外進出などで累積赤字を一掃。フルート奏者としてコンサートへの出演や後進の指導にもあたっている。東京生薬協会会長、厚生労働省社会保障審議会医療保険部会臨時委員、東京商工会議所一号議員、日本商工会議所社会保障専門委員。

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