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取材対象者の先にある「物語」を見つける—是枝裕和監督インタビュー

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2016年度日本アカデミー賞で最優秀作品賞ほか4冠に輝いた是枝裕和監督の「海街diary」。近年はこの作品に代表されるように映画監督として知られる是枝監督だが、その原点はドキュメンタリーにある。

テレビでドキュメンタリー番組を制作してきた是枝監督が、2015年春から手がけているのが、伊藤忠商事の企業広告シリーズ、そして同社によるミニ番組「きょうの、あきない」だ。どちらもカメラが追いかけるのは、タレントでもなく、著名人でもない。あくまでも普通の人たちだが、彼らの何気ない日常に物語を見つけてきちんと描いている。新作公開を控えた是枝監督に、これらのCM、番組制作における“ドキュメンタリー”について聞いた。

——日本アカデミー賞4冠、おめでとうございます。受賞後のご感想を。

是枝裕和監督

はい。ありがとうございます。あんなふうにスタッフ、キャストがまた集まって笑い合えるというのは、本当に幸せな体験です。

——是枝監督が手がける伊藤忠商事の企業広告、TBSのミニ番組「きょうの、あきない」、どちらもドキュメンタリー映像ですが、開始から間もなく1年を迎えます。

「はじめての使命」というCMシリーズは、伊藤忠商事の企業広告シリーズの第3弾。僕が参加する以前に、社員の顔をイラストで描いた新聞広告「ひとりの商人」、事業内容を描いた新聞広告「6つの使命」をそれぞれシリーズで展開していて、クリエイティブディレクターの一人、葛西薫さんがディレクションしたCMをティザー的にオンエアしていました。

葛西さんからは「すでにある形を受け継いでいただいてもいいし、全く新しくしても結構です」と、CMのディレクションを委ねられました。ちょうどオンエアが4月開始ということもあり、「それならば入社式からスタートして、新入社員がだんだん成長していくのを縦軸にした“ドキュメンタリーCM”をやってみてはいかがでしょうか」と提案したのが始まりです。それと同時に開始したのが、同社が提供するミニ番組「きょうの、あきない」(TBS)です。

——CMでは4月に入社したばかり新入社員を撮影し、それを4月中にオンエアしたのには驚きました。

お話をいただいたときに、すぐに入社式を撮ることを決めました。入社式の2か月くらい前に、新入社員が集まる日があったのでスタッフが見学に行き、ビデオを撮って、どの子にするかを絞り込みました。僕も面接をして、CMに登場してもらった3人を選びました。選んだポイントは人間的にキャラクターが立つ子ですね。

仕事ができる子はたくさんいると思いますが、完璧すぎると隙がなくて、撮っても面白くない可能性もある。とにかく入社式までが勝負だったから、3月から撮影を開始。カメラを何台も出して、引っ越しも撮影して…と現場は大変でした。でも、これはすぐに放送しなければ意味がないと思いました。

次ページ 「同時期に始まったミニ番組「きょうの、あきない」も」へ続く

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