今年で12回目を迎えるACジャパンCM学生賞が発表となった。
本省は、日本の未来を担う若い世代が、広告制作を通して公共広告への理解を深め、また、社会に主体的に関わる「公」への意識を育むことを目的に開設されたもの。公共問題 をテーマに、30秒のテレビCMを募集する。
本年度は全国26校176作品の応募があった。その中から、グランプリ1作品、準グランプリBS民放賞1作品、審査員特別賞4作品、優秀賞21作品、奨励賞18作品が選ばれた。
準グランプリBS民放賞を受賞したのは、小松原舞さんを代表とする同志社女子大学のチームによる「左ききの人と」。セクシャルマイノリティと左ききの人の割合が同じ7.6%であることから、セクシャルマイノリティが身近な存在であることを広めるために、このテーマでCMを制作したという。
「時代のかかえる複雑でデリケートな問題を誰にもわかりやすく、かつ優しく美しいトーンで表現している。多くの人にLGBTについて理解してもらうきっかけになりうる作品」と評された。
グランプリを受賞したのは、小坂勇太さんを代表とする東京藝術大学のチームによる「プラスチックについて」。
なにげなく使い捨てられたライター、風で飛ばされたビニール袋…これらがいつしか川から海へと流れ出て、亀や鳥がそれらを食べる。彼らの体の中に少しずつたまっていくプラスチック製品は、いつしか彼らの体を蝕む――。私たちの生活に欠かせなくなっているプラスチックのような人工物は、地球規模で見ると危険な存在としての一面も見えてくることを、手描きのタッチが活きた美しいアニメーションの映像で伝える。
審査では「人工物が自然環境に与える問題を、水彩画を思わせる美しい映像で構成した作品。小さいプラスチックが自然の中に生きる動物たちの命を脅かす様を優しく、かつ強い説得力を持って描いている」と評された。
審査委員長を務めた石井利始氏(アサツー ディ・ケイ)は、「多くの人は自分以外の価値観を認めるのは苦手で、大多数の価値観に流されがちだが、今回の応募作品は人、モノ、社会をいろいろな視点で見ており、多様な価値観が表現されていた。自分以外を認める心の目を持てば、世界はもっと見えてくる。ぜひ今回の作品をつくったときの視点を忘れずにいてほしい」と話した。
グランプリと準グランプリBS民放賞を受賞した2作品は、今後、BS民放各社で1年間オンエアされる予定。
第12回ACジャパンCM学生賞
グランプリ
「プラスチックについて」(テーマ:環境保全)東京藝術大学(代表 小坂勇太)
準グランプリBS民放賞
「左ききの人と」(テーマ:セクシャルマイノリティ)同志社大学(代表 小松原舞)
審査員特別賞
「受け入れる。」(テーマ:認知症)女子美術大学(代表 松永麟)
「献血に行こう」(テーマ:献血)京都造形芸術大学(代表 漁野朱香)
「敷かれたレール」(テーマ:親からの言葉)日本大学芸術学部(代表 落合佑紀)
「電車で予防」(テーマ:咳エチケット)東京藝術大学(代表 金田郁実)
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