サイバーエージェントは優秀な人材をどうやって採っている?責任者 渡邊大介氏に聞く

優秀な人材の獲得競争が激化する中、人材採用担当者には、求職者や学生の志向や価値観を把握し、適切な方法・タイミング・表現でアプローチする「マーケティング発想」が求められている。『100万社のマーケティング』第7号(発売中)のミニ特集「人材採用にマーケティングを生かす」を実施。その記事の中から、「インナーブランディングの強化」をテーマに掲げた採用活動で、自社の成長に必要な人材を確実に獲得しているサイバーエージェントの取り組みを紹介する。
WATANABE

話を聞いたのは・・・
渡邊大介(わたなべ・だいすけ)
サイバーエージェント 新卒採用責任者
1982年生まれ。2006年サイバーエージェント入社。アカウントプランナー、ソーシャルメディアマーケティング専門部署の立ち上げ、BtoC向けサービスの事業責任者を経て、2014年10月より現職。

採用は、最高の組織活性化策

サイバーエージェントの、採用活動におけるライバルは、もはやITベンチャーだけにとどまらない。大手総合広告会社や商社、外資系コンサルティング会社との競争を勝ち抜き、自社の今後の成長を加速させるような優秀な人材を獲得する。そのために、同社が2017年度新卒採用活動において重要テーマとして掲げるのが「インナーブランディング」だ。

その理由について、採用責任者の渡邊大介氏は「採用担当チームだけを強くしても、良い採用はできない。会社全体で、採用に対する関心とコミットメントを高めていくことが重要と考えました」と話す。

「21世紀を代表する会社を創る」という同社のビジョンの下には、15項目からなるミッションステートメントが設定されており、その一つに「採用には全力をつくす」がある。「あくまで体感ですが、ビジョンに次いで社内に広く・深く浸透しているのが、この『採用に全力をつくす』だと感じるくらい、そもそも採用を重視している企業ではある。でも、僕が採用に関わり始めた5年前と比べると、事業領域の拡大・多角化を背景に、徐々にその価値観は共有されにくくなってきていると感じていました。人材獲得におけるライバルは強豪ばかり。そうした中、方針や方法が長らく変わらずマンネリ化してしまった採用活動を、活性化する必要があると考えたんです」(渡邊氏)。

目指したのは、採用チームを「ブランド化」することで、そこに参画する社員に誇りを感じてもらうこと。その実現のために、具体的には次の三本柱で取り組みを進めた。

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本記事は、『100万社のマーケティング』2016年6月号(第7号)掲載のミニ特集「企業活動にマーケティングを生かす/テーマ1:人材採用」の記事を転載したものです。特集内のほかの記事は本誌をお読みください。

1.採用メンバーの洗い直し
人数を絞り込み、いまの採用おいて適切な社員を選び直した。一定の条件を満たしていなければ、チームには入れない状態をつくった。いくつかある条件のうち、一つが「客観性が備わっているかどうか」だという。「今が売り手市場だからということもあるのかもしれませんが、優秀な学生ほど複数の企業の内定を持っていて、『自分はどこでも活躍できると思うが、選択肢が多すぎて、どうやって選んだらいいかわからない』という人が少なくない。そういう人に、客観的にアドバイスする必要がありますから、『サイバーエージェントが大好き!』という人より、自身も悩みに悩んで当社への入社を決めた人のほうが、採用には向いていると思います。いまの世の中全体や就職活動市場の状態を踏まえて、その環境下で当社の強みは何かを客観的に語れる、マーケティング発想のできる社員をメンバーにしたいと思っています」(渡邊氏)。

2.採用チーム内の連携強化・一体感醸成
優秀な人材獲得という、採用チームとしてのミッションを共有する場を物理的に増やした。例えば、四半期ごとに「採用締め会」を実施、今後の戦略を共有している。また、採用チームの現場メンバーと、人事部門幹部の飲み会を個別に実施、現場のニーズを吸い上げて、必要なものは実行している。

3.徹底した情報共有
採用チーム内の情報共有には、Facebookグループとメーリングリストを活用。業界内外の採用関連の話題や、採用活動の進捗などを簡潔にまとめた週報を、渡邊さんから全メンバーおよび役員に配信している。内定を承諾した学生の顔写真を載せて、担当したメンバーを評価するコメントを書き添えることも。このメールに対し、役員から返信が来ることも珍しくない。採用活動に対する役員の関心度の高さは、メンバーのモチベーションアップに大きな影響を与える。

続きは、発売中の『100万社のマーケティング』2016年6月号(第7号)をご覧ください。本誌では、以下の内容についても聞いています。

◎名前だけで人が集まらない企業に必要なのは「マーケティング発想」
◎「自社に必要な人材を見つけ出す」コンテンツと表現:メルカリ
◎成長ベンチャーが実践する、デジタル活用の「ダイレクト・リクルーティング」:freee、Loco Partners

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