—撮影の感想を聞かせてください。
今回は、「今までの宣伝会議賞とは、まったく違うイメージでやりましょう」というオファーをいただいたので、「これはダメ」という制限は何もありませんでした。皆さんと一緒に、新しいイメージを一からつくる気持ちで、ずいぶん自由にやらせていただきました。
最近、サイド光(編集部注:被写体の横から光が当たっている光線状態。立体感や質感を表現するのに向く)にハマっているので、今回もサイドから顔に光を当ててみました。ライブをしているときって、いろんな照明が顔に当たるんです。サイド光によって、ライブ感も演出できればと思いました。
—コムアイさんにとって、クリエイティブとはなんですか?
遊び心。遊び心が溢れている人のほうが、クリエイティブは上手なんじゃないかな。賢いだけでは通用しない。これが欲しいとか、こっちのほうが綺麗とか、欲が強い人のほうが、面白いものをつくれると思います。「綺麗」に対する欲が強くなければ、良いものは生み出せないと思うんです。
撮影も、いま目の前にある状態を少しずつ変えながら、より良いものを目指して調整していきますよね。角度、照明、被写体の表情……皆がピタッとくるところを探して、少しずつ変えていく。音楽で言う、チューニングみたいなものです。それって、「もっと良くしたい!」という欲がないと、やる気すら起きません。
理由はわからないのですが、「あ、これすごく良い!」と自分が強く思ったものって、皆も良いと感じていることが多いような気がします。おそらく、誰か一人だけが良いと思っているものは、クリエイティブとしては弱くて「△」なんだと思います。選択肢がたくさんあって、皆が迷ってしまうときは、まだ良くない。圧倒的に強いものがあると、迷わず選べてしまうんですよね。逆に、圧倒的に強いものがないときに多数決で決めるのは絶対に良くない。無難なものを選ぶのはもっとダメだと思います。
良いクリエイティブ、人の心に刺さるクリエイティブって、“ギリギリを突くもの”じゃないかと思っています。ビジュアルでも音楽でも、チューニングをしていく中で、いろいろな要素が盛り込まれすぎて、かえって凡庸なものへ向かってしまうことがある。そこに、他の要素と全然つながらない何かをあえて入れることで、思いがけずバランスがとれて面白くなることがあるんです。逆に、要素がとっ散らかってしまって、分かりにくくなることもあるんですけど…。
分かりやすさと、目を惹く奇抜さのバランスはすごく難しい。けれど、安定しすぎているのも、壊れすぎているのも、ぐっとこないんです。「壊れそう」という絶妙な状態が、人の心を捉えて離さないんじゃないかと思います。
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