メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×

つくり手の作業工程を意識したパッケージデザイン — 新味ごーやー

share

million

株式会社宣伝会議は、月刊『宣伝会議』60周年を記念し、2014年11月にマーケティングの専門誌『100万社のマーケティング』を刊行しました。「デジタル時代の企業と消費者、そして社会の新しい関係づくりを考える」をコンセプトに、理論とケースの2つの柱で企業の規模に関わらず、取り入れられるマーケティング実践の方法論を紹介していく専門誌です。記事の一部は、「アドタイ」でも紹介していきます。第8号が好評発売中です!詳しくは、本誌をご覧ください。

地域に根差す企業とクリエイターがパートナーとなり、新しい価値を生み出した事例を、手がけたクリエイターが自ら解説。今回は沖縄の事例です。

石垣市石垣の身体障がい者授産施設「大浜工房」は、1988年の開所以来、石垣島産の野菜を使った自然発酵・無添加の漬物をつくり続けています。商品は、「ゴーヤー漬」、キュウリの「とぅばらーま漬」、大根の「かぬしゃま漬」、白瓜の「みやらび漬」、人参やゴーヤーなどの野菜が入った「八重山珍味漬け」の5種類。野 菜は島の農家から購入し、職員と施設利用者が総動員で皮むきや塩漬け、特製みそへの漬け替えを行い、約半年かけて漬物ができあがります。空港内の売店や、石垣港離島ターミナルの同施設の販売店「大浜工房みなと店」で販売し、地元の人や観光客のリピーターに買い求められてきました。

施設利用者の作業工程を意識したパッケージ

 

サクサクコリコリとした歯ごたえが、石垣島のおじー・おばーにも長年愛されてきた、この大浜工房の「ゴーヤー漬」のパッケージリニューアルを、一般財団法人沖縄県セルプセンターと沖縄広告から依頼されました。社会福祉施設の障がい者の工賃向上を目的として、商品価値の底上げが必要とされていたのです。そこで、沖縄のお土産品としての販売と、若い人にも食べてもらえるような付加価値をつけることが課題でした。また、施設の方たちの手でパッケージングまで行うとのことでしたので、作業工程を意識しながら、真っ黒なゴーヤー漬を分かりやすく伝える方法を考えました。

沖縄県セルプセンターが立ち上げた、障がい者とクリエイターがコラボして商品をつくるプロダクトブランド「4NA 4NA(ヨ ナヨナ)」の一商品「新味ごーやー」として、 容器から見直しました。瓶入りのきざみゴーヤーに、ゴーヤー色・ゴーヤー型の厚紙を巻くスタイルのパッケージです。いつものおかずに“ちょい足し”をお勧めする同商品らしく、パッケージにはちょい足しレシピを記載しています。

関係者みんなが自分ごと化できるデザイン

デザインワークにおいては、生産者や販 売者、つくる人や売る人がどう感じている かを知ることが大事。製造現場の見学をしたり、お話をお聞きしていきます。見えなかった製造工程や想い、どんな経緯でこの商品がつくられたかなど知ることができますし、気がつかなかった本当の問題点や特筆すべき点が分かってきて、アウトプットの幅も広がります。
そしてその方たちが誇らしく、嬉しくなるようなデザインになるようにと心がけて います。そうすることで、社員、スタッフ皆で会社や商品をつくっているという意識につながると思うからです。売り子さんまでその思いが届けば、お客さんまで届くと思いますし、それがひいては売上にもつながると信じています。

経営者の隣りで戦うローカルクリエイター

ローカルで仕事をしていると、経営者と直接お話しする機会は多いです。お付き合いしていると、クリエイティブが経営者のより近くにいることができ、一緒に戦っているような感覚になっていきます。時には愚痴も聞きますし、それ以上に夢や希望もいっぱい聞きます。新事業が生まれる瞬間に立ち会うことだってありますし、クリエ イティブが人とビジネスをつなぐ役割を果たしたりします。

クリエイティブが地域やビジネスに貢献 できることは、まだまだあるように感じま す。クリエイティブがビジネスや地域に価値を生み出していけるということをしっかりお伝えできる実績とスキル、そして環境をつくっていけるよう、もっともっと努めていきたいです。

島 洋 Hiroshi Shima
デザイナー、アートディレクター

クリエイティブイマジネイション 代表。新規事業、商品開発の立ち上げに関わるクリエイティブワークやリブランディング、CI 計画、サイン計画などからパンフレットやWeb デザインなど、売上や企業価値を高めていくための中長期的なクリエイティブパートナーとしてビジネスのサポートを行う。

 

CLIENT’S VOICE

モノがあふれる時代に売るためには、デザインシンキングが不可欠

世の中にモノがあふれ、いらなくなっている時代。知ってもらい、売るためには、デザインシンキングの観点からクリエイティブを考えなければいけない時代になっています。地方の中でも注目される「沖縄」という能力の高い土地では、外に向けて発信することが多いので、なおさらデザイン思考が必要と考えています。島さんは、福祉の環境を理解した上で、今までの活動や実績から面白いものをつくってくれると思い、依頼しました。

仲本ヒロユキ Hiroyuki Nakamoto
沖縄広告 クリエイティブディレクター プランナー

 


mikkion-under

「100万社のマーケティング 2016年9月号」発売
購入ページはこちら ▶
特集ページはこちら ▶

Follow Us