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FRACTAブランディングスクール【2】“偽り”の関係構築より、「売る人・買う人」の信頼関係を築くこと

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企業のEC運用や、それに関わる人材育成、およびブランディング支援などを手がけるフラクタと宣伝会議が共催するブランディングスクールの第2回が、8月2日に開催された。全3回のプログラムを通じて、企業がブランディングの成果を測る指標を持ち、さらに取り組みの過程で生じる課題を解決するためのヒントを得ることを目標としている。5月の第1回に続いて、ECを通じたブランディングに意欲的な企業7社の責任者・担当者が受講した。

講師

  • 河野貴伸氏
    ブランディングのあらゆるサービス・テクノロジーを提供するFRACTAを設立。EC-CUBEエバンジェリスト。
  • 松岡芳美氏
    企業のブランド構築、リブランディングを専門にコンサルティング・支援を行うブランディング・ディレクター、アートディレクター。

社内を動かすためには、わかりやすい「指標」「評価」が必要

企業のEC運用や、それに関わる人材育成、およびブランディング支援などを手がけるフラクタと宣伝会議が共催するブランディングスクールの第2回が、8月2日に開催された。

受講しているのはECを通じたブランディングに意欲的な企業7社の責任者・担当者。5月に開催された第1回では、「消費者との信頼関係の構築こそ、ブランディングの本質である」という共通認識を得るとともに、ECをコミュニケーションのハブとして活用しながら、組織のオムニチャネル化を進めていくことによって、ブランディングを強化できるというヒントが提示された。第1回の最後には、EC活用に関する課題や解決策をテーマとしたグループディスカッションを行い、自社が抱える具体的な「課題」を明らかにした。

実際のところ、短期的に「売上」のようなわかりやすい成果につながりにくいブランディングは、成果を測る指標のつくり方が難しい。顧客にブランドを伝えることはおろか、社内を突破することすら難しいのが、ブランディング担当者が直面する現実だ。

全社で共通認識を持ってブランディングに取り組むことや、経営陣に意義を実感してもらい、適切な投資をしてもらうことが容易ではない。そこでは、明確な「指標」の設定と、それに基づく適切な「評価」が不可欠と言える。

この課題感に基づき、第2回では、より実践的な「ブランディングを推し進めていくための指標と評価」をテーマに講義・ワークショップを行った。河野氏・松岡氏による前半(記事リンク貼る)の講義では、「カスタマージャーニーマップ」を用いてブランディングの指標をつくる方法を詳しく紹介。また社内でブランディングを推し進めていくためには「経営者視点」でブランディング活動の評価を行うことが重要だと指摘した。

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「カスタマージャーニーマップ」とは、顧客が商品を認知した後、購入、さらに商品評価など購入後の行動に至るまでの一連のプロセスを時系列で把握し、一覧化したもの。ブランディングの指標をつくるためのターゲットとペルソナをつくりこみ、それをもとに「カスタマージャーニーマップ」をつくっていく。すると、ジャーニーの各ステージでブランディングが達成すべき指標が可視化されていき、かつ、施策の見直しや、コンセプト自体の見直しも可能になる。

この解説を踏まえ、参加者が自社ブランドを例に「カスタマージャーニーマップ」を実際につくってみるワークショップも実施した。ワーク中にも講師に積極的に質問する姿が見られ、自社ブランドの現状・課題と向き合いながら、ブランドの全体像の明確化と、ブランディングの指標づくりに真剣に取り組む様子が見られた。

次ページ 「“商売”であるという認識を持ったブランディング活動を」へ続く