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コミュニケーション視点で読み解く、米・大統領選――識者はこう見る!(ロス・ローブリー氏)

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ロス・ローブリー氏(エデルマン・ジャパン 代表取締役社長)

35年にわたり日本に在住。複数の証券会社で上級管理職を経験した後、1995年にPR業界に転じ、ギャビン・アンダーソンのマネージング・ディレクターとして、M&Aや外資系企業の日本市場参入キャンペーンなどを手掛ける。プラップ・ジャパン専務取締役兼COOを経て、2010 年から現職。外資系企業のみならず、国内企業のグローバル広報戦略の実現に向けたアドバイスを提供している。

 

セレブを起用したキャンペーンで人の心は買えない

――歴史的な接戦を繰り広げた、2016年米国大統領選挙。トランプ氏を勝利に導いたものは何か。広報、コミュニケーションの視点から専門家が読み解く。

今回の米大統領選の結果は、まさにポピュリズムの台頭を示している。いわゆる「エリート」はもはや何の力もなく、現状や将来に不安や不満を持つ一般大衆がどれだけの影響力を持っているかが如実に表れた。

コミュニケーションの観点から言えば、クリントン氏の知的で綿密に計算されたメッセージの発信よりも、トランプ氏の短い、早い、一貫性のあるメッセージ発信のほうが、ある意味透明性が高く、率直で、人々の心を掴んだと言える。

莫大な広告費やセレブリティを使ったキャンペーンでは人の心は買えない。人々の信頼やコミットメントを獲得し、関係性を築くには、同じ価値観を共有し、同じ目線で社会に対する問題意識を持ち、行動を共にできるようなコミュニケーションが求められている。