進化を続ける企業が志向する社内ブランディングのあり方

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社員一人ひとりをブランドの体現者として育てるために欠かせないインターナルブランディング。9月13日、そのトレンドを読み解く「インターナルコミュニケーションフォーラム」が開催された。

第1部はインサイトフォースの山口義宏氏と産業編集センターはたらくよろこび研究所の相山大輔氏が登壇。「今、企業に求められる、コーポレートブランディングとは?」をテーマにトークを繰り広げた。

ゴールへのプロセスは同じ

この中で山口氏は、消費者へのブランドコミュニケーションとインターナルブランディングは同じ「ブランディング」であっても一見異なるように見えるが、本質はまったく変わらないと分析する。「例えばブランドの転換を図りたいと考えた際、前者であれば消費者にとってのサービス価値を、後者であれば社員にとっての会社の価値を再定義することになる。どちらも認識されたいブランド像のゴールに向けて、対象者のインサイト=本音を把握し、媒体はそれぞれ異なるとしてもコミュニケーションを含めた施策で働きかけ、効果検証していくプロセスは同じ」と山口氏。アプローチしたいステークホルダーに向け、戦略的なマーケティングが必要であると主張した。加えて、その過程で重要になってくるのが広報の役割だ。「イントラネットをはじめ、社内で最大のメディアを持っている広報は、いわば社内における広告会社のような存在。社員にとって影響力のある媒体を持っているということは経営者からも頼もしく映るはず」と相山氏も語った。

インサイトフォース 山口義宏 氏
産業編集センター 相山大輔 氏

先進企業の実例から学ぶ

日本コカ・コーラの後藤由美氏は、様々なインターナルブランディングの取り組みについて解説。このほど移転した新社屋にも多くの仕掛けが施されているという。

「先進企業の経営層が語る、広報の役割と戦略」と題した第2部では日本コカ・コーラの後藤由美副社長が登壇。今や直接的・間接的に同社が支えている雇用合計人数は40万人強と、国内をけん引する飲料メーカーとして知られるが、そのインターナルコミュニケーションの肝はどこにあるのかを後藤氏自らが説明した。同社ではすべての社員を「アンバサダー」と位置づけ、社員がどこにいてもその名のとおり“日本コカ・コーラの大使” として活動したいと思えるような取り組みを導入。モーニングヨガからマサイ族酋長によるリーダーシップ論講座といったユニークなものまで、社員が会社に愛着を抱けるようなチャンスを用意する。また、今年7月にオープンした新社屋も、デザインをコカ・コーラ一色にし、空間を通したインターナルブランディングにも余念がない。

第3部では4つの企業がそれぞれのインターナルブランディングの実例を紹介。キッコーマンでは「おいしい記憶」をテーマにしたフォトコンテストを実施し、海外のスタッフからの応募もあったという。ヤフーでは、インターネット企業だからこそ挑戦した紙媒体での社内報の裏側を紹介。海外展開が加速する資生堂は新たなグローバルコミュニケーションプラットフォームとしてスタートさせた社内ウェブ発足の背景とその戦略を解説した。また、最後に登壇したボッシュは、非上場の外資系企業でありながらも、日本支社のオフィスに誰もが利用できるカフェを併設したことで実現した新たなコミュニケーションの事例を紹介した。

「お知らせ係」からの脱却へ

こうした実例を踏まえ、第4部では産業編集センターの相山氏が再び登壇し、インターナルブランディングのこれからをテーマに講演した。相山氏は「広報は単なる社内の『お知らせ係』から、会社の変革を担う存在にならなければならない」と、社内における広報の役割を転換することの必要性を主張。日本において会社に対する社員のエンゲージメントは非常に低く、これを課題に抱える企業は少なくない。だからこそ広報は何か媒体をつくって終わりにするのではなく、様々な形で社員を巻き込む機会やコミュニケーションの形を模索すべきとし、情報の有益性と伝達性の高さを常に意識したインターナルブランディングの取り組みが必要と分析した。

このフォーラムは、産業編集センターと宣伝会議が主催するインターナルコミュニケーションプロジェクト(ICP)の集大成として毎年開催しているもの。広報や経営企画、人事部門などに属する300人超が来場した。終了後は懇親会が開かれ、来場者と登壇者らによる情報交換が行われた。

第3部のリレー講演に登壇した、(左上から時計周りに)キッコーマン・徳光典子氏、ヤフー・稲田充志氏、ボッシュ・下山田淳氏、資生堂・小出茉那氏。


お問い合わせ
株式会社産業編集センター

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〒112-0011 東京都文京区千石4-39-17
E-mail:aiyama@shc.jp( 担当 相山)

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