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時短で働くママと育休を取ったパパに聞く!子育てしながら働くこと―東急エージェンシー

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【前回記事】「「時短勤務」という選択肢【時短勤務を採用した側の視点】」はこちら

クリエイティブを一生の仕事にしたいと考える人に、今後のキャリアを支援するプロジェクト「しゅふクリ・ママクリ」。今回は、東急エージェンシーに訪問しました。取材を受けてくれた河原大助さんと渡辺史子さんは新卒入社の同期です。河原さんは2人目のお子さんが生まれたときに1カ月間の育休を取得したパパさんクリエイター。渡辺さんは2人の子どもを育てながら営業として時短で勤務するママさんです。おふたりに育児をしながら働くことについて伺いました。

—自己紹介をお願いします。

東急エージェンシーの渡辺史子さん(左)と河原大助さん

河原:1999年に新卒で入社し、マーケティングの部署に配属になりました。3年目にマーケティングコンサルティング会社に出向して、1年半後に元の部署に戻りました。その後2011年に、クリエイティブ局コミュニケーションデザイン部という部署に異動しました。そのころから戦略だけではなく、アウトプットの部分であるクリエイティブの仕事に携わることが多くなりました。2014年には、「TOTB」という社内のクリエイティブブランドの立ち上げに参加し現在に至ります。

渡辺:私も1999年に新卒で入社し、3年半ほど、媒体を担当する部署でテレビの放送枠を買い付ける窓口などを担当していました。その後、ジョブローテーション制度で営業部に異動してからは、いくつかのクライアントを担当しながらずっと営業の部署に所属しています。2011年の秋に1人目の産休に入って、1年後に復職し、16時半までの時短勤務で営業アシスタントとして働いていました。そして、2015年6月に2人目を出産し、今年の4月から同じ営業部に復職しましたが、今回はアシスタントという立場ではなく、クライアントと向き合う営業職として、引き続き16時半までの時短で勤務しています。

—河原さんは、2人目のお子さんが生まれた時に、育休を取られたと伺いました。取られたきっかけを教えていただけますか。

河原:一番は、上の子の幼稚園の夏休みと、2人目の予定日が重なってしまったことが大きかったです。上の子は4歳でまだまだ手がかかるので、2人の子どもを妻ひとりに任せるのはキツイだろうなという話になりました。育休を取れないか会社に相談したところ、積立年休を使って休むことができるということでしたので、貯まっていた振替休日や夏期休暇と合わせて、約1カ月間お休みをいただきました。

—育休を取ることに対して、周りの反応はいかがでしたか。

河原:当社も男性社員が育休を取ることが増えてきているので協力的でした。また、赤ちゃん用品メーカーを長く担当していて、一緒に仕事をしている人たちも赤ちゃん関係に詳しい人が多いので、前向きに応援してくれました。

—休まれた1カ月間は仕事を一切していなかったのでしょうか。

河原:育休中は、テレビ電話で、4、5回会議をしましたが、それ以外は一切仕事をしませんでした。育休を取る前は、育児“休暇”なので、“休暇“が取れる気分でいました。なので少しは本を読んだり映画を見に行ったり、普段よりも自分の時間があるのかなと、内心期待していたのですが、実際は全然そんな時間も余裕もありませんでした。主に家事全般と上の子の世話を担当していましたが、7時に子どもが起きて、夜8時に寝るまで、12時間みっちりやることがあって、なかなか余裕はありませんでした。これは「休暇」と言ってはいけないのではと思いました。むしろ一定期間「家事・育児」という仕事をしているような感じでした。

—育休で良かったと思う点を教えてください。

河原:下の子どもは生まれたばかりだったのですが、上の子どもとあれだけまとめて接する時間が取れたことです。母親と父親とでは個性が違うので、普段母親と遊ぶのとは違った経験ができたのは良かったと思います。これまで働くことに時間を使ってきましたが、家庭中心の生活をしてみると、人生って、仕事だけじゃないんだなと、頭ではわかっているつもりでしたが、今回の育休で実感できました。また、育休中にスーパーに行って、売り場をみて買い物をすると主婦目線になる。職業病なのかもしれませんが、当社は、食品・飲料や日用品のクライアントが多いので、その経験がとても仕事に役立っています。

—復帰後は大変でしたか?

河原:休んでいる間、ずっと子どもと一緒だったので、子どもから「なんでいないの?」と聞かれました(笑)。仕事の話でいうと、1カ月休んで久々に働きだすと、「脳の筋肉が落ちたな」と感じました。育休前と同じようにやっているつもりでも、どこか緩いというか追い込めないというか。普段、仕事をしている時は常に考えて頭をフル回転していて、それはある種、スポーツ選手の筋肉みたいなもので、毎日使い続けることによって鍛えられて、維持されているんだなと、休んだからこそ気づきました。

育休を取る前に3週間くらい、妻の体調が悪くて毎日16時くらいに会社を出て、上の子どもを幼稚園へ迎えに行き、夜ご飯つくるという生活をしていた期間があったのですが、それがとてもキツくて。16時まで頭をフル回転させて、その直後に、「おかえり、ご飯できたよ」と急に家庭モードに切り替えるとギャップがすごくて。時短勤務して、仕事と育児を毎日両立されている方たちは本当にすごいと思います。

渡辺:逆に、私は、その切り替えが気持ちよくなってきています(笑)。男女差もあるかもしれませんが、1人目の時よりも切り替えのコツがつかめてきたような気がします。16時半までだからこそ、この時間は私だけの時間。やらなければいけない仕事をできる限り時間内に終わらせる。16時半以降は100%お母さんに切り替わります。帰りに寄り道することも許されません。子どもを迎えに行ってご飯を食べさせて寝かせないといけないですから。

—渡辺さんは、新卒で入社されたときから、出産後も働き続けたいと考えていたのでしょうか?

渡辺:そのイメージはありませんでした。入社して10年たったときに結婚をしましたが、出産するまで営業としてとても忙しい日々を過ごしていました。いつか子どもが欲しいなと思いながらも、漠然と育児との両立は絶対に無理だと考えていました。私は、ひとつのことしかできない性格なので、仕事を辞めて子育てに専念したいなと、育休を取るまでは思っていました。でも、いざ出産して育休期間を過ごしてみると、仕事をしていない自分のイメージがつかなくて。辞めるとも続けるとも決めずに育休に入りましたが、今思うと戻る気だったのかなと思います。働いている自分こそが、自分らしい状態だと気づきました。だったら、この私らしい私で子どもと接していこうと決めたんです。

—復職後は、ずっと時短勤務ですか?

渡辺:そうですね。1人目のときからずっと16時半までの時短で勤務しています。1人目を産んだ後に復職して配属になったのは、産前とは別クライアントの担当部署だったのですが、私としては営業アシスタントというポジションだったかなと思っています。クライアントと直接やり取りしてしまうと、どうしても16時半を超えてしまうこともあるので、1人目出産後は、クライアントとの連絡なしでも可能な業務を中心に担当していました。もともと以前担当していたクライアントだったので、仕事もある程度把握していましたし、その頃一緒に担当していた先輩が部長になられていたり、クライアントでもその当時のメンバーで続けている方もいらしたりしたので仕事はとてもやりやすかったです。顔の知れた環境に戻れて、とても恵まれていたと思います。

—2人目の復職後は、営業職で働いていると伺いました。仕事の違いはありますか?

渡辺:違いますね。1人目の時よりもクライアントと直接やり取りできる機会がやはり増えたと思います。周りの手を借りながらですが、私の仕事ができていると思いますし、接する時間は短くても営業として向き合えていると感じます。

—しっかりと、16時半に帰れているのでしょうか?

インタビューの続きは 『しゅふクリ・ママクリ』 へ

河原 大助(かわはら・だいすけ)
東急エージェンシー TOTB コミュニケーション・ディレクター

1976年生まれ。 愛知県碧南市出身。 1999年関西学院大学 社会学部卒。 (株)東急エージェンシー入社後、マーケティングコンサルティングへの出向、マーケティング局、クリエイティブ局コミュニケーションデザイン部を経て、2014年TOTBを立ち上げる。

 

渡辺 史子(わたなべ・ふみこ)
東急エージェンシー 第1営業本部 第1営業局 第1営業部

1975年生まれ。 神奈川県横浜市出身。 1999年日本女子大学 人間社会学部卒。 (株)東急エージェンシー入社後、ラジオ・テレビ局を経て、2002年に営業部門へ異動。