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移転に揺れる築地 新しい魅力発信プロジェクト

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2016年、移転問題で注目の的となった築地。

“場内”と呼ばれる中央卸売市場の豊洲への移転にともない、「築地全体が移転する」と捉えている人が多くいることが、現在”場外”区域で営業を続ける約400店舗の大きな課題となっている。

そんな中、“場外”を拠点とする築地場外市場商店街振興組合が電通とタッグを組み、2016年5月にスタートした「築技」プロジェクトは、築地ならではの文化と技を改めて発信し、街を盛り上げていくことを目的としている。コンセプトは「腕があがる食のまち」。新鮮な食材はもちろん、食器や調理器具、ユニフォームまで揃う、食のプロを相手に商売を続けてきた文化と技こそ、築地の大きな財産。この文化と技を「築技(つきわざ)」と名付け、場外各店の築技を紹介する取り組みや、食にまつわるセミナー・イベントを行い、伝統を活かしながら新しい築地を盛り上げている。

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プロジェクト第一弾では、築地の全店を取り上げる「築技ポスター」を制作。

電通のプロジェクトチームが一店一店取材をし、その中で印象に残った発言と、店主の写真で構成。築地駅周辺に掲出され、ニュースなどでも多く取り上げられた。「店主の方々も最初は恥ずかしがっていましたが、取材をするうちに築技のコンセプトに賛同いただき、制作が進みました。築地に来た国内外の観光客にも好評でしたが、築地内でも会話が生まれるなど、インナーブランディングの役割も果たせたと思います」と企画・コピーを担当した電通 堀越富美子さんは話す。

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「築技」の文字はオリジナルのフォントを使用。

プロジェクトの一環として、2016年10月8、9日には「築地 秋まつり」を開催。当日はここでしか味わえない特別メニューの提供や、築地の職人たちによる食育教室が開催された。築技オリジナルのステッカーも配布され、多くの人が衣類や買い物袋に貼り付け、その一体感を楽しんだ。雨天にも関わらず、2日間で例年の4倍となる約40万人が来場。全体の売り上げは2倍にもなり、大好評のうちに終了した。

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ステッカーには秋まつりの概要、築地の有名店名、プロジェクト名などがすべてオリジナルのフォントで書かれている。

10月15日には、場内の仲卸約60店舗が出店する新施設「築地魚河岸」がオープン。これまで、場内で仕入れをしていた人たちが引き続き築地で買い物できる市場を兼ね備えており、午前5時から9時は買出し人を対象、それ以降は一般の買物客も利用できるようになっている。また、施設3階では築地の銘店によるフードコートや、キッチンスタジオ・イベントスペース等もオープン。プロ、一般向けとレベルを分けて、料理のコツや食材選びのコツを教える「築技セミナー」も開催している。

今後もプロジェクトでは引き続きポスターの掲出や、イベントを予定している。

「築地秋まつり」ステッカーについての詳細は『ブレーン1月号』に掲載!
詳しくはこちら

スタッフリスト

企画制作
電通+ハイフン
AD+D
前田彩
C
堀越富美子
企画+MM
南木隆助
D
原健三
撮影
河西遼
AE
鷲見貴浩